【不細工なヒロイン】マンガ「まじめな会社員」を読んだ!【生きるって大変】

(若干内容に触れてます注意)
いやあーすごい読みごたえでした。
こんな「不細工」なヒロイン見たことない…

ここでいう不細工とは、顔の美醜じゃないです。

みっともなさ、情けなさ、社会人あるいは人としての仕上がり具合の「不細工加減」!

「痛い」「残念」とかっていうのはざっくりしているし、なんだか責任のない軽い言葉で逃げてるみたいで気に入らない。

ディスる以上、ここはあえて、ハッキリと、不細工という言葉で斬りたいと思います。

最初はコマ割の独特さと文字の多さ、ひとコマひとコマの情報量の多さに挫折しそうになりましたが、
後半になると、私も読み慣れ、作者も描き慣れたのか、内容がすいすい入ります。

まじめに働いており、
犯罪や、突飛な行動もしていないのに、
性格の悪さと卑屈さ、行動の不細工さで、自分の幸福度を上げられておらず、
周囲からも軽んじられている。
それが主人公、あみこです。

仕事はしている、
おそらくブスではない(でもまちがいなく美人ではない)、体も健康で口臭などもないっぽい、清潔で身綺麗にしているだろうに「なんか、ダサい」かつ、自分の立ち位置をわかっているようで、わかっていない。自己分析は、しすぎるほど、よくするのにスルースキルがないから、
みんながわかっててもつとめて気にしないようにしてることを、
うだうだいつまでも気にする。

「じゃあどうすればいい?よかった?!」て彼女に聞かれても、私たちは答えられない。 
でも、主人公とおなじスペックでも、考え方が違えば幸せなひとはたっっっくさん、いそう。

これは恐ろしいことですよ。

風呂に入らない太ったニートが「俺はダメだぁぁモテないぃ」言っても、

「いやいや風呂はいれ」「ハロワいけ」「痩せては?」てアドバイス(?)できるでしょ?
そんな、「ここを直しゃいいよ」が、ないんですよ!
自虐的なのに努力しない
性格が悪い
自分を客観視できてない
人を見る目がない(男も、友達も)
いろいろとちょっとずつダメなのに、決定的な致命傷がない、ぜつみょーーーなダメさ加減!
おそらく運にも見放されている。

救いようがない!逆に!

あみこと年齢の近い私が、女としていえることは、
一緒にご飯いっても、楽しくなさそう」てこと。
あみこみたいに変な緊張感をもった人って、たいていまわりに漏れていてストレスを与える。
その人に魅力を感じるかって、一緒にご飯いって楽しそうと思えるか、てことじゃないかな。
 
あと、なんか頭のなかでジャッジされそうでヤなんですよね。基本、あみこはあさい理由で人を見下しているから。でもこれ、結構みんなやることだよね。

そう、あみこはみんなの心のなかにちょっとずついるのです。
みなさんも思ったのでは?「私もこういうとこある」…と。
でも、「あみこは、私だ」までではないですよね?
あみこ的要素が少しずつある、てぐらいではないではしょうか。

みんなが共感性羞恥を覚えるさまざまなマイナス要素を、
“ぎゅっ”とまとめたのが主人公なのです。
そりゃ、「なんか、ヤダ」て思われるわ。

さらにおそろしいことに、作者自身が「主人公よ、ダメなままであれ!」と描いたそうなので(インタビュー見た)巻を追っても、成長もしません。

「私は頑張ってるのになんでうまくいかないの!」てひとにもそうでもないひとにも、おすすめしたい。

私は主人公よりいけてるな、まともだな、幸せだな」と思うひとも
「主人公の気持ち、行動、わかるわ、痛いつらい」と思うひとも、それぞれ別種のカタルシスを味わうことでしょう。

または私と同じく「この主人公イラつく!でも、なんか、捨て置けない!(なんか憎めない、ことはない)」と楽しく読むのもオススメ。

マンガは娯楽のために読むものなので、どう楽しんでもよいと思います。
ご興味があれば、どっかのサイトのページのサンプルで読んでみてー!
「あ、無理、私には向いてない」と思ったら、即やめてー!

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