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パチスロ半グレ隊 オッチン 1−3

 オッチンは鬱病にかかり、脳に障害を抱えている。それを直そうと、パチンコ屋『ルデクヨ・ソエホモン』に車で向かった。駐車場に車を停めて、シートを倒し、仮眠をとった。車内には自身の体臭と、昨日食ったファストフードの残り物が散乱して、オッチンの鼻を刺激した。
 オッチンはごまかし香水をペタペタと体につけて、車を出た。ポテトチップの空袋を踏んでスベり、
「今日は駄目かもな……」
 と独り言をつぶやいた。頭上でカラスの鳴く声が聞こえて、何だか不吉な予感を覚えた。
 店内の台をすべてチェックして、ウロウロと歩き回る。オッチンは現在38歳。ロング汚ヘアー、実は着やせデブ、不潔、自称モテ男、天才ドライバー、アホゲーマーである。
『ルデクヨ・ソエホモン』の常連で、オッチンの名前を知らぬ者は存在しない。
 オッチンが手に持っていたスマホがいかれて作動しなくなり、
「ウゼー!!!」
 と口ぐせを10回も繰り返し、頭痛歯痛がひどくなり、その場にゆっくりとへたり込んだ。耳から幻聴が聞こえてきて、少しずつボリュームが大きくなりオッチンを面白がらせる。
「ウゼー!!!!」 
 オッチンはとうとう小便をもらし、パチンコ台に当たり散らした。そして警察に捕まって、やはり、オッチンはくそ踊りをおどった。

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