作詩「柵の向こう」

微かな香り歩く風が誰かを連れていく
歩く木々の下 影は揺らぐ事もなく
指をきったままぽつりと立っていた

過去を越えて立ち上がろうとする 今

花が咲いて 声は遠く 遠くにいる誰かを呼ぶ
振り向いて駆け出して 抱き締めるような夢を見て
まだ寒いから きっと会えないんだ
寒がりのきみがどこかに隠れているんだろう

ひとりでに揺れるカーテンに目を奪われていた

気付いていても 解っていても わからないその行方が
この心の中まだ あたたかく寄り添い 会いたくて
逢いたくて

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