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「真逆の自分に、瞬時になれ」〜甲野善紀先生・光岡英稔先生コラボ講座

昨日は、甲野善紀先生と光岡英稔先生による、国井善弥の剣術を紐解くコラボ講座に参加。
7時間があっという間に過ぎる濃密な時間。
両先生、および高度な技量にて指導いただいた講師の先生方に心より感謝申し上げたい。

またハワイアン八卦掌のレイモンド・カーブリド先生も参加しており、「八卦掌に似ている」と、ハワイアン八卦掌の一手を示されたりといった瞬間もあった。
参加者が皆、伝統が導く自身の課題と向き合う時間となった。

私も、自分自身の課題を痛切に突きつけられた。

光岡先生が、国井善弥の剣術と対比させるため、私を前に呼んで「ちょっと形意拳の三体式をやってほしい」とおっしゃった。
私は言われた通り形意拳の起式を始めたが、内心「ヤバイ…」と思っていた。

国井善也の剣術は「身体を開く系統」。
形意拳は「身体を閉じる系統」だ。

さらに、最近私は華拳をやり込んでいて「外家拳の身体」にフォーカスしていたところだった。

そうした状況で、さらに国井善弥の剣術を4時間ばかりやった後、ここでいきなり形意拳を人前でやる羽目になるとは…!

身体をうまく閉じることができない。
案の定失敗し、光岡先生が示したいテーマを示す前に崩れてしまった。

こういうこともある、ということだ。
今必要なものは、今いる所の「真逆」にあると示されるということが。

「今の自分と真逆の自分に、瞬時になれ」
という要求にも対応できなくてはならないという、新たな課題を突きつけられた。

これをクリアするためには、より一層流派の本質を身体で捉え、それを身体に「保存」しておく必要があろう。

プログラミング言語のC言語の重要な機能として「ポインタ」がある。
ポインタとは、一言で言えば「今フォーカスしている地点」だ。

CPUコアは、本質的にはひとつの瞬間においてはひとつの処理しかできない。

複数の処理を並行して進めるためには、情報を一旦メモリにしまっておく必要がある。
メモリには「番地」があり、どの情報がどの番地にあるかということが定義されている。

CPUが「今、どの番地を見るべきか」を示しているのが「ポインタ」である。

CPUはポインタを見て、今どの仕事をすべきかを判断している。
メモリにはあちこちに様々な異なる情報が格納されているが、ポインタによって「今すべきこと」を示すことで、CPUは様々な仕事を同時並行で進めることができる。

今回のコラボ講座で、いくつか重要な指摘がされている。
ひとつは「人間は重層的な存在である」ということ。

重層的であることがわかったとして、今この瞬間必要とされる層に瞬時にアクセスできなくては意味がない。
そのためには、各層の「メモリ番地定義」をしっかり行い、「ポインタ」で瞬時にアクセスできるようにする必要がある。

甲野善紀先生からは「国井善弥の剣術は、いついかなる瞬間に想定外のことが起こったとしても対応できるようになっているので、そのように稽古する必要がある」と示された。

「今この瞬間」に対する解像度をさらに上げる必要もあるわけだ。

新たな課題を突きつけられたこのコラボ講座。
帰宅する私の心中は、稽古の爽快感ばかりではなかった。

また稽古あるのみだ。

さて、このテーマは一旦“メモリ”にしまい、“ポインタ”を今日の仕事に合わせるとしよう😊

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