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【第21回】時に「割り切る」ことも処世術

長年、会社組織の中で働いていると、いろいろなタイプの上司の下で仕事をするようになります。

新しい部署に異動したばかりの頃、仕事のきりがいいところで切り上げて退社していました(これは、個人的なポリシーでもあります)。

するとある日、同じ部署の後輩から、「部長が帰るまで帰らないほうがいいですよ」と助言を受けてしまいます。

今度の上司は、私が自分より早く帰宅するのが気に食わなかったようで、古株の後輩に愚痴をこぼしていたようです。

「でも、隣の彼は早く帰っているじゃない?」「ああ、彼ですか。あの人は部長とは長い付き合いで、気心知れた仲だから大丈夫なんですよ

「なるほど、そういうことか」冷静に振り返ると、明らかに「理不尽」なことです。納得できないのなら、部長と直談判という手もあります。

しかし、それが上司の方針であれば、ある程度の人間関係ができ上がるまで従った方が身のためでもあります。

以降は割り切って、部長が帰るまで「付き合い残業」を決め込むことにしました。

土曜日出社についても、同じような経験があります。その部署の責任者は、ほぼ毎週、決まって土曜日にも出社していました。

更に部下に対しても、「今週の土曜はどうするんだ?」と聞いてきます。当然のことながら、返事はひとつ「もちろん出ます!」となる訳です(「そう言わされていた」という方が、適切な表現かもしれません)。

土曜日が来るたびに、社員一同、雁首揃えて私服で出社し、特にやることもない職場で何となく過ごします。

「それじゃ、先に帰るぞ」責任者が部屋から出るのを見届けるやいなや、「待ってました!」とばかり、皆そそくさと帰路につくのです。

昨今はこのような「付き合い残業」「付き合い休日出勤」は減っているのかもしれませんが(そう願っております)、過去には間違いなく至る所で存在していました。

もしまだ残っているとしたら、それは由々しき事態です。早急に改善してもらう必要があります

しかし、上司がそのスタイルを踏襲するとしたら、部下ひとりの力ではどうすることもできません。

ここはひとつ割り切って「ギリギリのお付き合い」にチャレンジする、という選択肢もあります(あくまでも、メンタル的に許せる範囲内での「次善の策」ではありますが……)。
 
                   次回につづく(毎週火曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』<幻冬舎ルネッサンス新書>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです

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