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【第16回】上司の「癖」を見抜く

組織の中を生き抜く上で意外と功を奏するのが、人事権を有する上司の「癖を知る」ことです。

「あなたの上司の癖を知っていますか?」と問われて、すらすらと答えられる部下は、意外と少ないものです。しかし、上司の癖を知っていると「便利なツール」にもなります。

以前働いていた会社で、こんなことがありました。新しい部門に異動して、先輩から仕事の引継ぎを受けていた時です。

先輩曰く、「どうしても上司の了承を得たいことが出たら、一緒に外出している時にさりげなくお願いするとうまくいくよ」「本当ですか?そんなに簡単にいくんですか?」

見るからに強面な上司で、よく怒っている姿を目の当たりにしていたので、思わずそう聞き返してしまいました。「大丈夫。社内で話すよりも、はるかにやりやすいから」

それから間もなくして、少し面倒な問題に直面します。確実に承認をもらわないと仕事に支障を来たすので、一緒に外出するタイミングで話を切り出してみました。

「実は先日こんなことがありまして、どうしても早めに処理しないとまずいんですが、いかがいたしましょう」

「そうか、分かった。いいよ。帰ったらすぐに申請書出しとけ。決済しておくから」

本当に先輩の言った通りでした。実にあっけないというか、細かい説明をするまでもなくオーケーになるのですから、まさに「効果てきめん」です。

なぜ外出中に相談するとうまくいくのかは、分かりませんでしたが(聞く訳にもいきません)、その後も「勝利の方程式」として、業務上の窮地を度々救ってくれました。

上司には「想定外」の「癖」があったりします。その癖を上手に味方につけて、いい意味で活用すると、思わぬ効果を発揮することになります。

もうひとつ、上司にありがちな癖をご紹介します。上司の中には、ある特定の言葉に対して「極端にネガティブな反応を示す」人がいます。

このタイプは、一旦機嫌を損ねるとなかなか元に戻らず、しばし「気まずい状況」に追い込まれてしまいます。

この場合、部下のほうから幕引きすることは「至難の業」です。未然に防げるのなら、それに越したことはありません。

心当たりのある方は、上司の日頃の「話ぶり」「言い回し」の中で、該当する言葉はないか観察してみて下さい。

もし該当する言葉やフレーズを発見したら、「究極のNGワード」としてインプットしておくことをお勧めします。

         次回につづく(毎週火曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』<幻冬舎ルネッサンス新書>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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