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2016年 87冊目『その日暮らしの人類学 もう一つの資本主義経済』

Living for Today.と言う生き方についての本です。

当初読み飛ばしたのですが、タイトルの後半の「もう1つの資本主義経済」の本です。

このような考え方があるのか!と目からうろこでした。

インド人の友人が話をしてくれた事と重なる部分もあり理解が進みました。

・失敗しても、だれかの稼ぎでくいつなぐ
(きれいに表現すると、家族、仲間、一族でポートフォリオを組んでいる)

・最小限の努力で生きていく
(きれいに表現すると、変化が大きいので準備する、努力するは無駄になるリスクが高い。いますぐやる)

・借金は返さなくてもよい仕組み
(貸せる人から借りる。貸せる人をたくさん友人に持っている人がすごい人!)

・法的には違法、でも社会的には許される商売(模倣品など。中国人はやり過ぎで、タンザニア人はギリギリが分かっている byタンザニア人)

私たちと考え方が違うけれど、なるほどって思ったのは

・商売のノウハウを惜しみなく教えてくれる。

例えば

タンザニア人は中国から商品を仕入れて、地元で売る。

実際に中国に行き、相対で中国人から商品を仕入れる。

そのためには、香港から入国した方が自国でビザを取るよりも取りやすい。

仕入れたいもので場所が決まっているが、その場所で、誰にアプローチすると良いのかが重要。

それでもだめなら、私に電話しろ!と教えてくれる。

・模倣品に対しての考え方

ブランド品が良い製品であることは理解できる。
ただ、その値段のものは買えない。

だから、ブランド品の模倣品を安く買う。

模倣品なので、安く買えるならば、しばらくしてつぶれても仕方がない。

タンザニアで中国の模倣品が売れると分かると、商売上手な中国人がタンザニアにやってきて売り始める。

タンザニア人は、金持ちに高く売る。
中国人は、金の無い人にも高く売る。
それをやってはいけない。

・金の貸し借りの考え方

AさんがBさんにお金を貸した。
Aさんがお金が必要な時にBさんから返してもらえば良いと我々は考える。

しかし、タンザニア人はそう考えない。
Bさんが返せるならば、返しているはず。

金を貸せるCさんから借りる。
それが普通。
返せない人から返してもらってはいけない。

模倣品への考え方、金の貸し借りの考え方。
そのような考え方があるのか!と驚きでした。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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