團十郎白猿の助六は期待以上だった
十三代目團十郎白猿の襲名披露、夜の部を見てきた。お目当ては当然「助六」で、期待以上の舞台だった。
以前はただひたすら抜き身のギラギラした若者(それはそれで好きだった)だったけれど、今回の助六は大人の男になった。曽我五郎は18歳だから本当は「大人の男」というのはおかしいのかもしれない。けれど、私のいう大人というのは團十郎白猿が大人の男になった、という感触に近い。
芸に余裕と幅が感じられて、それが助六に優美さを与えている。以前はただただ力一杯足を踏み鳴らしていた花道の出端も、