弥之助

歌舞伎が好きです

弥之助

歌舞伎が好きです

最近の記事

團十郎白猿の助六は期待以上だった

十三代目團十郎白猿の襲名披露、夜の部を見てきた。お目当ては当然「助六」で、期待以上の舞台だった。 以前はただひたすら抜き身のギラギラした若者(それはそれで好きだった)だったけれど、今回の助六は大人の男になった。曽我五郎は18歳だから本当は「大人の男」というのはおかしいのかもしれない。けれど、私のいう大人というのは團十郎白猿が大人の男になった、という感触に近い。 芸に余裕と幅が感じられて、それが助六に優美さを与えている。以前はただただ力一杯足を踏み鳴らしていた花道の出端も、

    • 十三代目團十郎白猿の「勧進帳」を見てきた

      團十郎白猿襲名披露公演の昼の部を見てきた。 一番気になっていた「勧進帳」がとても良くて、嬉しい。 海老蔵時代、彼の弁慶はどんどん自己流になっていって、初演の時に感じた喜びが毎回色褪せていくようで悲しい思いをしていた。それだけに今回の公演は本当に嬉しい。 花道の第一声から良い弁慶になる予感はした。 初めの祝詞は弁慶が荒法師であったことを思い出させてくれたし、洗練されすぎた弁慶ではなくて、この演目の根にある荒事の魂が感じられるのも私の好みに合う。なんといってもこれは歌舞伎十八

      • 十三代目團十郎白猿の襲名披露口上を見た(配信)

        今回は初日の様子を見たくて、私には珍しく配信を購入した。 素直に「良いな」と感じられた口上だった。 白鸚さんからは先立ってしまった従弟(十二代目團十郎)の息子を応援してやろうという温かみが伝わってきた。 まぁ諸先輩方はどことなく距離感を感じないでもなかったけれど(苦笑)、それでもこの慶事を大幹部としてしっかり支えていこうという思いがあるように感じられた。あと皆さん新之助くんは好きなんだな、とも(笑) もちろんそれは、これからの十三代目の真摯な精進があることが前提だけれど

        • 12月の團十郎白猿襲名披露口上の顔ぶれ、良いじゃん

          一部の人は12月の口上の顔ぶれにご不満らしい。要は市川家に連なる所縁の役者ばかりが大勢並んで、その他のビッグネームが並ばないのがお気に召さない様子。 私はむしろ市川家を束ねる者に相応しい良い顔ぶれだと思う。 大幹部だけでなく、これまで市川宗家と関わり、また陰となり日向となりながら支えてきた名題役者をできるだけたくさん舞台に載せようとしてるように見える。 その十三代目團十郎白猿の心意気や良し、でしょう。 歌舞伎座の、團十郎の襲名披露口上に列座できることの栄誉は、今回の計

        團十郎白猿の助六は期待以上だった

          團十郎白猿襲名 特別公演の弁慶が良かったらしい

          私は見られなかったが、信頼できる複数の人たちの感想をまとめるに、特別公演の「勧進帳」はかなり良かったらしい。 彼が市川新之助時代に初役で演じた浅草公会堂の「勧進帳」の弁慶や、18歳で演じた歌舞伎座の「外郎売」での鮮烈な印象は忘れられない。 あの時は友人たちと「これで歌舞伎はあと50年は安泰だね」と言葉を交わし合ったものだ。そのくらい、新之助の存在は光り輝いていた。 思えば海老蔵を名乗るようになってからの彼は必ずしも順風満帆ではなかった。むしろ苦しい時間の連続であったよう

          團十郎白猿襲名 特別公演の弁慶が良かったらしい

          歌舞伎中心に、その時々感じたことを書きます

          タイトルに必要なことみんな書いてしまったわ(笑) というわけで、その時々の見た舞台や、周辺の出来事などを気ままに書き綴っていく予定です。よろしくお願いします。

          歌舞伎中心に、その時々感じたことを書きます