なかもと

映画の感想を書いていこうと思っています。

なかもと

映画の感想を書いていこうと思っています。

最近の記事

『Winny』| 現実に目を向けるための映画

映画にはさまざまな楽しみ方がある。 『ムーンライト』を撮ったバリー・ジェンキンス監督はインタビューで「映画は現実逃避できるという面もあるけど、現実に目を向けるために見るという側面もある」といった意味の発言をしていた。この映画はまさに現実に目を向けるための映画だと感じた。 あらすじ 実際の事件映画を観てもわかるように、「Winny事件」は実際に起きたことで、金子さんは2004年5月に逮捕された。当時の記憶があまりなかったので、「Winny事件」とその周囲で起きた事件について

    • 『市子』| 他の映画とは違った夏を描いている

      市子たちのいる世界のじめーっとした湿度が、こっちにまで伝わってくる。派手なシーンはないが、じわじわとナイフで刺してくるような痛さと、その中でも少しの希望がある映画だった。 あらすじ市子はプロポーズされた翌日、同棲していた恋人・長谷川の前から突然姿を消す。長谷川は市子を探し始めるが、市子には戸籍がないことを警察から伝えられる。市子が過去に関わった人物の証言をもとに、生い立ちがどんどん明らかになっていく。 感想大きなテーマは夏。市子という存在を、夏という季節を使って表している

    『Winny』| 現実に目を向けるための映画