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独立して初の取材、伝えたかったこと【M&A日記】

当社はM&A会社として、特に業種を限定することなくお手伝いしているが、強みは?と聞かれれば、飲食業と答える。
私が担当してきた企業で言えば、半数程度が飲食業だ。

飲食業の経営者が読む「月刊食堂」という業界媒体があり、そこで取材を受け、先日4月22日に発売されたので、良かったら是非読んでほしい。

月刊食堂2024年5月号
・理想の売却を実現するために
企業価値の上げかた5カ条【解説篇】
 Guide (株)ユニコン 代表取締役 照井久雄氏

『財務こそが自社の強みを磨く基盤になる』【対談篇】
 (株)ユニコン 代表取締役 中原 陸氏×(有)フェアグランド 代表 中村悌二氏

上の2パートが当社。
主に、企業価値を高めるという観点での解説と、具体例としての対談を行った。

私が伝えたかったのは、チェーン展開以外で事業の価値を高める方法。

飲食会社で、自社の価値を高めるためにどうしたらよいか?と聞かれれば、基本的にはチェーン展開と答える。
数十店舗以上展開するチェーン店として、相応の利益もちゃんと出ていれば、よほどのことが無ければ、それなりの条件でもってして買い手は現れる。

価値が高い=値段が高い=10億円以上と仮定すると、10億円以上のお金を買収に費やせる会社は大手かファンドに概ね限られてくる。
ということは大手やファンドが欲しがるような事業であればよい。
じゃあ大手やファンドはどのような飲食企業を求めているのか。
それは「成長性」に尽きる。

今現状がとても儲かっていて良い状態としても、それ以上の成長が望めないとすると、思ったより評価は高くならない。
ファンドは買った時よりも成長させて企業価値を高め、売却時にその差額を利益とするので、成長しない会社への投資は優先順位が下がる(すごく安定するというのはそれはそれで可能性あり)。

大手は、次に展開する業態候補を探しているので、自社の経営資源を投下することで、これまで以上の成長が望めそうな業態を探している。

ということなので、成長性がとても大事であり、それが最も端的にわかりやすく表れているのが、チェーン店だ。

しかし、飲食業界には、チェーン展開を好まない経営者も少なくない。
パッケージ化されたものを広げるのではなく、地域に合わせたお店を1店舗ずつ出していきたいとか、同じことをやっても面白くないという方がいる。

じゃあそういう方が企業価値を高めるにはどうしたらよいか?
前提として、評価のベースはあくまで数字なので、利益をより多く出すということは必須。

その上で、チェーン展開していないけれども、M&A市場に出せば多くの手が挙がるであろう方に話を聞いて見ようということで、中村村悌二社長と対談させてもらい、月刊食堂に掲載して頂いた。

中村社長の有限会社フェアグランドは、数店舗ながら、特にその蕎麦業態はもしM&A市場に出せばかなり人気が出ると思われる。
どのようにして、数店舗ながら、買収したいと思わせるようなお店作りをしてきたのか?を聞いた。
詳細は是非雑誌を読んでほしいが、キーワードは「コアコンピタンス」。

要は何を大切にして業態づくりをしてこられたかで、その軸がとても買収側からすると分かりやすく、尚且つ実績がちゃんと出ているので、その発展性に魅力がある。

経営者としてただ好きなお店をバラバラと出店していくと、これは利益が出ていても買いたいという人自体がどうしても少なくなってしまう。
ただ、そこに軸があると、その発展性を見据えることができ、話が変わってくるのだ。

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