焼肉マニアのための『究極の牛豚ホルモン図解』描いてみた!
『究極の牛豚ホルモン部位図解』をつくりたい。
ホルモンとして食べられている部位を全部盛り込んだ図解だ。
お肉屋さんには、部位を説明するポスターが貼られているが、焼肉ホルモン店では、そこには出ていないマニアックな部位まで食べられている。これらも全部盛り込んで、焼肉ホルモンマニアのための「究極の部位図解」を描いてみた!
ホルモンの基本的な部位を押さえよう
まずは、ホルモンにはどんな部位があるのか、基本を押さえておこう。
こちらは、お肉の部位が学べるパズル
『一頭買い!焼肉パズル 牛』
パーツは手の温度で色が変化し、指で焼肉ができるという謎機能つき。
対象年齢6才以上と書いてあるが、全部で37パーツ(ホルモン12、赤身14、他11)あって、結構難しい。ちなみに、豚バージョンは『一頭買い!黒豚パズル』という名前で販売されている。
パズルは2重構造になっていて、上が赤身肉、下が内臓肉の層だ。
内臓部位だけにしてみよう。
これが教科書的なホルモンの基本部位だ。
焼肉店でもよく見かける名前だと思う。
ちなみに「ツラミ(牛頬肉)」は、赤身肉のように思えるが、これもホルモンの仲間だ。食肉の分類では、首から上はすべて内臓肉の扱いとなる。
焼肉ホルモン店で食べているものを思い出してみると、このパズルには「シビレ」や「ハツモト」「ウルテ」などがない。足りない部分は、焼肉店のメニューを見ながら補完していこう。
ホルモンで食べている部位はいくつあるのか
ホルモンのメニュー数が多い焼肉店を見てみよう。
こちらは、東京・三河島にある「焼肉山田屋 本店」のメニュー。
テレビ番組「寺門ジモン取材拒否の店」で、“関東三大取材拒否ホルモン”として紹介されたことがある有名店だ。
この店のすごいところは、同一部位を数通りで出すマニアックさにある。
牛心臓は、①ハツ刺し ②ハツ焼 ③ハツサイコロステーキ ④赤コリ(心臓弁)と、ひとつの心臓から使う部分を変えて展開。牛の大きな心臓は、場所によって、やわらかい部分、コリコリした部分などがある。切り方を変えて、その違いが楽しめるようにしている。
牛第四胃は、①赤センマイ焼 ②牛ガツ焼の2通りで提供。第三胃側と十二指腸側の部位(赤セン・白セン)が食べ比べられる。
牛第一胃は、①ミノ焼 ②ミノサンド焼で細分化。
豚脾臓は、①チレ焼 ②チレ脂(網脂がついた部分)が食べ比べられて、まるで実践的ホルモン図鑑のような店だ。
おっと、熱く語りすぎた…。
とにかく、このメニューを参考に、いつも購入している内臓肉専門店の商品、食肉市場でもらった部位図鑑などを合わせてリスト化すると、牛・豚、それぞれ30部位ちょっとあることがわかった。
『究極の牛豚ホルモン部位図解』
そしてついに、ホルモンとして食べられている部位を盛り込んだ図解が完成した。
これが、焼肉マニアのための部位図解・決定版だ。
せっかくなので、いま私がnoteで更新している『たのしいホルモン図鑑』の部位紹介にリンクして、どんなホルモンなのか、わかるようにしてみた。
◎牛ホルモン
タン(牛舌)
アゴ肉(牛下顎筋)
ツラミ、ホホニク(牛頬肉)
ノドスジ(牛喉筋、牛食道)
ノドブエ(牛喉頭蓋)
ウルテ(牛喉気管)
セセリ(牛首肉)
シビレ、リードヴォー(牛胸腺)
ハツモト(牛大動脈)
ハツ(牛心臓)
赤コリ(牛心臓弁)
フワ(牛肺)
レバー(牛肝臓)
ハラミ(牛横隔膜)
サガリ(牛横隔膜)
白スジ、ハラミスジ(牛白筋)
タチギモ・チレ(牛脾臓)
ミノ(牛第一胃)
ミノサンド(牛第一胃・脂付部分)
ハチノス(牛第二胃)
ヤン、サザエ(牛第二胃のコブ)
センマイ(牛第三胃)
ギアラ(牛第四胃)
スイゾウ、グレンス(牛膵臓)
マメ(牛腎臓)
ショウチョウ、コプチャン(牛小腸)/マルチョウ(牛小腸・丸取り)
シマチョウ(牛大腸)
テッポウ(牛直腸)
モウチョウ(牛盲腸)
コブクロ(牛子宮)
チチカブ(牛乳房)
テール(牛尾)
アキレス(牛腱)
サオ(牛陰茎)※オスのみ
◎豚ホルモン
タン(豚舌)
タンシタ(豚舌下)
ブレンズ(豚脳)
コメカミ、カシラ(豚頭肉)
ホホニク、ツラミ、面脂(豚顔肉)
ノドスジ(豚食道)
ノドブエ(豚喉頭蓋、豚舌軟骨、上軟骨)
ドーナツ(豚喉元)
ナンコツ(豚喉軟骨)
ハツモト(豚動脈)
フワ(豚肺)
ハツ(豚心臓)
ハラミ(豚横隔膜)
サガリ(豚横隔膜)
レバー(豚肝臓)
ガツ(豚胃)
タチギモ、チレ(豚脾臓)
網脂(豚大網)
スイゾウ(豚膵臓)
マメ(豚腎臓)
チョウカンマク(豚腸間膜)
ショウチョウ(豚小腸)
キクアブラ(豚小腸脂)
ダイチョウ、シロ(豚大腸)
チョクチョウ、テッポウ(豚直腸)/シロコロ(豚直腸・丸筒)
モウチョウ(豚盲腸)
ボウコウ(豚膀胱)
コブクロ(豚子宮)ホソ(卵管)/モト(子宮頸部)
チチカブ、オッパイ(豚乳房)
ミミ(豚耳)
トンソク(豚足)
テール(豚尾)
ホーデン(豚睾丸) ※オスのみ
キンツル(尿管) ※オスのみ
ホルモンって、こんなに種類があったのか…。
それにしてもホルモンは、色も多様で、食感も風味も違う。やわらかい部分に硬い部分、脂があったり淡白だったり。センマイのような謎の形をしたものまである。バラエティに富んでいて、本当に奥が深い。
木を見て森を見ず、ホルモンを見て内臓を見ず
今回、自分で部位図解を描くことで、焼肉ホルモンの総ざらいができた。
ホルモンとして食べられている部位は、思っていた以上にたくさんある。私たちは、実はこんなに、牛さん・豚さんのあらゆる部位を食べていたのだ。
臓器の名前を知っていても、どこにあるか、よくわかっていなかった部位もある。こんなところにあったのか!と、いまさら理解した部位もある。
毎度おなじみのセリフだが、まさに「木を見て森を見ず」「ホルモンを見て内臓を見ず」だ。これからも全部位制覇を目指して、内臓肉の調達と、ホルモンの勉学に励みたい。
ホルモンの部位がわかると、焼肉ホルモンが楽しくなる!
閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!