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網脂ハンバーグをつくろう!

ホルモンには謎の部位がいくつかある。
そのひとつが「網脂」だ。

名前を聞いてもピンとこないかもしれないが、きっと何かの料理で見たことがあるだろうこのビジュアル。そう、脂の網で巻かれた肉料理。
今回は、いつかつくってみたいと思っていた「網脂ハンバーグ」をやってみた。

「網脂」とは、なんぞや

「網脂」は、ほ乳類独自の器官で「脾臓(ひぞう)」にくっついている。
なんと人間にも存在する部位だ。

普段は胃の下部に隠れていて、内臓が炎症したとき、自分の意思とは関係なく、その場所にスルスルと移動して包帯のように柔らかく包んで保護してくれる。なんとも神秘的な器官だ。

網脂は、フランス語では「クレピーヌ」と呼ばれていて、ハンバーグに巻くなどして調理される。もつ焼きなら、レバーやハツに巻いた串「網脂レバー」「網脂ハツ」でもおなじみだ。

型崩れを防ぎ、素材の旨味を閉じ込めることもできるので、ハンバーグのおいしさアップにつながりそうだ。

網脂ハンバーグ

<材料>
豚の網脂 1/2枚(約50g)
粗挽き肉 300g

コショウ

<材料1>網脂

豚の網脂は、内臓肉専門店で入手した。
100gあたり18円と激安だ。
1枚のサイズが、50×30cmぐらいで、約100g程度。

量が少ない網脂を買ったが、それでも94円で526gも入っていた。
大きな網脂5枚と切れ端が少し。使いきれないので、1枚ずつフワッとたたんで、ラップを巻いて、ジップロックで冷凍保存しておこう。

1枚の網脂から網目がきれいな部分を選んで、十分包めるサイズに切ったとしても、150gのハンバーグなら3つ分ぐらい取れそうだ。

<材料2>粗挽き肉

ハンバーグには、肉感たっぷりの「粗挽き肉」を使う。
私がよく買う粗挽き肉は、軟骨のようなポリッとした部位も混ざっていて、食感が楽しい。「塩」「コショウ」を振って、粘り気が出るまでしっかり混ぜよう。

今回は、肉感をアップさせるため「つなぎなし」でつくってみる。
ハンバーグのつなぎありなし論争では、いろいろな意見がありそうだが、シンプルに「つなぎなし」で。この考察は、最後にまとめよう。

ハンバーグの成形には、ラップを使った。
中まで火が通りやすいように、できるだけ薄くした。

網脂をクルッと巻いたら、それっぽいものが完成したぞ!
見るからに豪華で、映え感抜群だ。

ひとまずハンバーグには、冷蔵庫の中で、少し休んでいてもらおう。

私のタレ、決定版

ここでは、ハンバーグを食べるときの「タレ」を紹介しよう。これは、焼肉やステーキを食べる用の「私のタレ、決定版」だ。

<材料>
醤油
レモン汁
おろしニンニク
ブラックペッパー
青唐辛子(お好みで)

材料を混ぜるだけの簡単レシピ。酸味を効かせてサッパリしたいときは、レモン汁を多くするなど、調節も自由自在。

生の青唐辛子を入れているのは、グアムのご当地調味料「フィナデニソース」の応用でもある。ステーキや肉感たっぷりのハンバーグにもピッタリだ。

脂が大量に出ることを想定して焼こう

ただでさえ、脂が大量に出る「粗挽き肉」を使っている上に「網脂」まで巻いている。フライパンの中が揚げ物状態になることは間違いない。

そこで、ハンバーグの周りには、生のジャガイモを配置。
肉から出た脂で、同時に「フライドポテト」をつくってみよう。

フライパンには脂はひかない。
これでもかってくらい、肉から脂が出るから。

ハンバーグは火が通りやすいように薄くしたが、焼いていくと、ふっくらしてくる。中心に火が通るまで、じっくり焼こう。

網脂に包まれた内側を見ると、肉汁がブクブクしている。
うまみを閉じ込めて、ふっくら焼けそうだ。

肉から出た大量の脂で、ポテトも揚がってきたぞ。

「網脂ハンバーグ」の完成だ!

いや、網脂はどこへ行ったのか…?

ハンバーグの表面をよく見ると、オレンジ色の筋が見える。
これが、こんがり焼けた「網脂」だ。

お箸でもスッと切れるハンバーグ!

と、言いたいところだが、網脂が意外にもしっかりしていて、ゴムのようにビヨーンと伸びて、なかなか切れない。かえって食べにくくなってしまった。ついでに焼く前は映え感抜群だったのに、焼いた後のビジュアルは、いたって普通のハンバーグだ。網脂の存在とは一体…

ハンバーグには「つなぎ」があったほうがよさそう

今回は「つなぎなし」で、塩・コショウだけで味付けし、肉感たっぷりのシンプルなハンバーグを目指してつくった。しかし完成したのは、ツヤの少ないゴツゴツ、ボソボソした肉の塊となってしまった。これは、粗挽き肉から脂が出る際、必要以上の肉汁が流出してしまったことにある。

つなぎは「肉汁を閉じ込める」

ハンバーグのつなぎの役目は「肉汁を閉じ込める」こと。
例えば、代表的なつなぎ「パン粉」には、水分の調整や、肉汁を閉じ込めてふっくらとさせる役割があるそう。パン粉を加えないハンバーグは、焼いているうちに肉汁が外に流れてしまって、パサパサとした焼き上がりになりがちだとか。

網脂には、素材の旨味を閉じ込める役割もあるようだが、うまく機能しなかった。これにも包み方などの工夫が必要だ。

次はハンバーグのタネから見直した上で、再挑戦したい。

何はともあれ、初めての「網脂ハンバーグ」に、乾杯だ!

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