焼肉にはレモン汁、鉄分吸収よくなるぞ
焼肉にレモン汁をつける。
おいしいので無意識にやっていたが、これは肉の鉄分吸収に役立っているようだ。そこで、鉄分豊富なホルモンと、焼肉店に潜むビタミンC摂取アイテムについて、まとめてみた。
「レモン汁ください」
焼肉ホルモン店で、毎度言うセリフだが、そもそも「レモン汁(じる)」という呼び方で、合っているのか?「じる」という響きが滑稽に思えて、何か間違っていないかと自分を疑うことがある。
しかし以前、MOCO’Sキッチンで、速水もこみち氏が「レモン汁」と呼んでいたので、これでいいのだと確信した。商品としては「レモン果汁」と呼ばれるが、やはりレシピサイトでも「レモン汁」と書かれていたので、自信を持って「レモン汁」と呼んでいこう。
ビタミンCは、鉄分の吸収を助ける
レモン汁に含まれている「ビタミンC」には、鉄分の吸収を助ける働きがある。鉄は体内で合成できないので、食事から摂取する必要があるが、ビタミンCを多く含む食品と一緒に食べると、効率良く鉄分がとれるようだ。
肉の鉄分は吸収性がある
鉄分には、吸収率の高い「ヘム鉄」と、吸収率が低い「非ヘム鉄」がある。
「ヘム鉄」は、食肉に多く含まれている。
食肉の「ヘム鉄」は、野菜や海藻などの「非ヘム鉄」に比べて、4〜5倍も吸収率が高い。食肉は、鉄分の摂取に優れた食品なのだ。
肉の色が赤いほど、鉄分が多い
赤身肉の赤い色は、血色素たんぱくの「ミオグロビン」に由来する。ミオグロビンは、ヘム鉄で構成されるため、肉の色が赤いほど、鉄分が多いということだ。
牛・豚・鶏の生肉を思い出してみよう。このなかで、鉄分が最も多く含まれているのは「牛肉」だが、これは「牛肉が一番、肉の色が赤い」からだ。栄養成分がわからなくても、見た目で判断できる。
鉄分が多い焼肉ホルモンはこれだ!
食肉は、鉄分の摂取に優れた食品だとわかった。それならどの部位に鉄分が多く含まれているのか。ホルモンと赤身肉の違いも気になる。
そこで「可食部100gあたりの鉄分含有量」を調べてみた。
ホルモンは、赤身肉に比べて、鉄分の多い部位がたくさんあった。
鉄分が特に多いものをピックアップしたが、ここから気になるホルモンについて、さらに深掘りしていこう。
レバー(肝臓)
鉄分豊富な食品の代表格。なんと、豚レバーは「13.0mg」と驚異の鉄分量だ。対して、牛レバーは「4.0mg」だが、それでも鉄分が多いほうだ。
牛レバーと豚レバーは、血の色や質感にも違いがある。
牛の血は、まとわりつくような濃さがあるが、豚は意外とサラッとしている。牛レバーは、まったりと濃厚なコクが特徴だが、豚レバーは、トロッとした舌触りがありつつも、牛より軽い食べ心地だ。
センマイ(牛第三胃)
センマイは「6.8mg」と、かなり鉄分が多い。しかも、脂質が少なく、いくらでも食べられる。湯引きした「センマイ刺し」は、最高のツマミだ。
こんなに鉄分豊富でヘルシーな肉があっただろうか。地味で目立たない存在だったが、もっと推していきたい。
マメ(腎臓)
見た目が放送コードギリギリすぎて、紹介しづらい存在だったが、牛マメ「4.5mg」、豚マメ「3.7mg」と、これも鉄分豊富な肉だ。
腎臓は、かなりマニアックなので、焼肉ホルモン店では、なかなかお目にかかれない。どちらかというと海外の料理のほうが有名だろうか。イギリス料理の「キドニーパイ」や、四川料理などで使われている。
ハツ(心臓)
ハツは、全身に血液を送り出すポンプの役割をしている「心臓の肉」だ。鉄分は、牛ハツ「3.3mg」、豚ハツ「3.5mg」。脂少なめで、ヘルシー。赤身肉のような食感で、いくらでも食べられる。
チレ(脾臓)
これはマニアックすぎて、栄養成分のデータが無かったが、レバー同様に、鉄分豊富といわれている部位だ。
脾臓(ひぞう)とは、古くなった赤血球を壊したり、新しい血液を溜めたりする場所。人間でいうと、食後に急に走ったり激しい運動をしたりした時に「横っ腹が痛くなる」あの部分だ。
少しレバーに似ているが、クセがなくて、食べやすい。プニプニした食感で、中はネットリ、やわらかい。レバーが苦手な人にこそ、オススメしたい部位だ。
焼肉ホルモン店に潜む「ビタミンC」
狙いの肉もわかったことだ。さあ、効率的に鉄分を吸収してやろうじゃないか。と、思うところだが、実は意識しなくても、焼肉ホルモン店では、肉と一緒にビタミンCが摂取できるメニュー構成になっていたのだ。
レモン汁
レモン汁は、言うまでもなく、ビタミンCが多く含まれている。
牛タンを注文すれば、必ずといってレモン汁がついてくる。味の相性もさることながら、栄養面でも良いことがあったとは驚きだ。
私は、ホルモンを塩で注文して、レモン汁をつけて食べるのが好きだ。それでいつも「レモン汁ください」と言っている。
行儀が悪くて申し訳ないが、あらゆる肉が浸り、さまざまな肉汁がミックスされたレモン汁を、焼肉のシメに飲み干すのが大好きだ。
レモンサワー
フレッシュな生レモンが、たっぷり詰まった「レモンサワー」は、天然のビタミンCが摂取できる。マドラーでつついてレモン果汁を搾り出してもいいし、飲み終わった後に、レモンを丸かじりしてもいい。
なにより、脂っこいホルモンを食べた時は、胃がスッキリする。
キャベツ
キャベツにも、ビタミンCが多く含まれている。焼肉ホルモン店では、よく見かけるサイドメニューだ。
キャベツは、辛味噌とマヨネーズをつけて食べるとウマイ。
さらに、タレ焼きのシマチョウに辛味噌とマヨネーズをつけて、キャベツに乗せて食べると、もっとウマイ。
これは「てりやきバーガー」に通じるものがある。「シマチョウバーガー」として商品化したいウマさだ。
肉を食べるときは、ビタミンCを意識してみよう
鉄分豊富なレバーやハツを塩で注文し、ビタミンCたっぷりのレモン汁で食べる。サイドメニューはキャベツ。そして生レモンサワーを飲む。
無意識にやっていた組み合わせだが、実は体に良い理由があった。これからも肉を食べるときは、ビタミンCを意識してみよう。きっとおいしい組み合わせが見つかるかもしれない。
おいしく食べて、健康に。
焼肉ホルモンに、乾杯だ!
閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!