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焼肉にはレモン汁、鉄分吸収よくなるぞ

焼肉にレモン汁をつける。
おいしいので無意識にやっていたが、これは肉の鉄分吸収に役立っているようだ。そこで、鉄分豊富なホルモンと、焼肉店に潜むビタミンC摂取アイテムについて、まとめてみた。

「レモン汁ください」

焼肉ホルモン店で、毎度言うセリフだが、そもそも「レモン汁(じる)」という呼び方で、合っているのか?「じる」という響きが滑稽こっけいに思えて、何か間違っていないかと自分を疑うことがある。

焼肉における「レモン汁」

しかし以前、MOCO’Sキッチンで、速水もこみち氏が「レモン汁」と呼んでいたので、これでいいのだと確信した。商品としては「レモン果汁」と呼ばれるが、やはりレシピサイトでも「レモン汁」と書かれていたので、自信を持って「レモン汁」と呼んでいこう。

ビタミンCは、鉄分の吸収を助ける

レモン汁に含まれている「ビタミンC」には、鉄分の吸収を助ける働きがある。鉄は体内で合成できないので、食事から摂取する必要があるが、ビタミンCを多く含む食品と一緒に食べると、効率良く鉄分がとれるようだ。

鉄分の吸収を促進するためには、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することが重要です。

「お肉検定」1級テキスト(全国食肉検定委員会)

肉の鉄分は吸収性がある

鉄分には、吸収率の高い「ヘム鉄」と、吸収率が低い「非ヘム鉄」がある。
「ヘム鉄」は、食肉に多く含まれている

ヘム鉄
・動物性食品(食肉)
・腸からの吸収は「20%以上」

非ヘム鉄
・植物性食品(野菜・海藻・穀類)
・腸からの吸収は「数%〜5%程度」

「お肉検定」1級テキスト(全国食肉検定委員会)

食肉の「ヘム鉄」は、野菜や海藻などの「非ヘム鉄」に比べて、4〜5倍も吸収率が高い。食肉は、鉄分の摂取に優れた食品なのだ。

肉の色が赤いほど、鉄分が多い

赤身肉の赤い色は、血色素たんぱくの「ミオグロビン」に由来する。ミオグロビンは、ヘム鉄で構成されるため、肉の色が赤いほど、鉄分が多いということだ。

牛・豚・鶏の生肉を思い出してみよう。このなかで、鉄分が最も多く含まれているのは「牛肉」だが、これは「牛肉が一番、肉の色が赤い」からだ。栄養成分がわからなくても、見た目で判断できる。

鉄分が多い焼肉ホルモンはこれだ!

食肉は、鉄分の摂取に優れた食品だとわかった。それならどの部位に鉄分が多く含まれているのか。ホルモンと赤身肉の違いも気になる。

そこで「可食部100gあたりの鉄分含有量」を調べてみた。

<牛内臓>
センマイ(第三胃)6.8mg
マメ(腎臓)4.5mg
レバー(肝臓)4.0mg
ハツ(心臓)3.3mg
タン(舌)2.5mg

<豚内臓>
レバー(肝臓)13.0mg
マメ(腎臓)3.7mg
ハツ(心臓)3.5mg
タン(舌)2.3mg

<赤身肉>
和牛ヒレ 2.5mg
和牛ばら 1.4mg
和牛リブロース 0.8mg

畜産副生物栄養成分データブック(日本畜産副産物協会)
食肉の知識(日本食肉協議会)

ホルモンは、赤身肉に比べて、鉄分の多い部位がたくさんあった。

鉄分が特に多いものをピックアップしたが、ここから気になるホルモンについて、さらに深掘りしていこう。

レバー(肝臓)

鉄分豊富な食品の代表格。なんと、豚レバーは「13.0mg」と驚異の鉄分量だ。対して、牛レバーは「4.0mg」だが、それでも鉄分が多いほうだ。

牛レバーと豚レバーは、血の色や質感にも違いがある。
牛の血は、まとわりつくような濃さがあるが、豚は意外とサラッとしている。牛レバーは、まったりと濃厚なコクが特徴だが、豚レバーは、トロッとした舌触りがありつつも、牛より軽い食べ心地だ。

センマイ(牛第三胃)

センマイは「6.8mg」と、かなり鉄分が多い。しかも、脂質が少なく、いくらでも食べられる。湯引きした「センマイ刺し」は、最高のツマミだ。

こんなに鉄分豊富でヘルシーな肉があっただろうか。地味で目立たない存在だったが、もっと推していきたい。

マメ(腎臓)

見た目が放送コードギリギリすぎて、紹介しづらい存在だったが、牛マメ「4.5mg」、豚マメ「3.7mg」と、これも鉄分豊富な肉だ。

腎臓は、かなりマニアックなので、焼肉ホルモン店では、なかなかお目にかかれない。どちらかというと海外の料理のほうが有名だろうか。イギリス料理の「キドニーパイ」や、四川料理などで使われている。

ハツ(心臓)

ハツは、全身に血液を送り出すポンプの役割をしている「心臓の肉」だ。鉄分は、牛ハツ「3.3mg」、豚ハツ「3.5mg」。脂少なめで、ヘルシー。赤身肉のような食感で、いくらでも食べられる。

チレ(脾臓)

これはマニアックすぎて、栄養成分のデータが無かったが、レバー同様に、鉄分豊富といわれている部位だ。

脾臓(ひぞう)とは、古くなった赤血球を壊したり、新しい血液を溜めたりする場所。人間でいうと、食後に急に走ったり激しい運動をしたりした時に「横っ腹が痛くなる」あの部分だ。

少しレバーに似ているが、クセがなくて、食べやすい。プニプニした食感で、中はネットリ、やわらかい。レバーが苦手な人にこそ、オススメしたい部位だ。

焼肉ホルモン店に潜む「ビタミンC」

狙いの肉もわかったことだ。さあ、効率的に鉄分を吸収してやろうじゃないか。と、思うところだが、実は意識しなくても、焼肉ホルモン店では、肉と一緒にビタミンCが摂取できるメニュー構成になっていたのだ。

レモン汁

レモン汁は、言うまでもなく、ビタミンCが多く含まれている。
牛タンを注文すれば、必ずといってレモン汁がついてくる。味の相性もさることながら、栄養面でも良いことがあったとは驚きだ。

気がつけば、いつもそこに「レモン汁」

私は、ホルモンを塩で注文して、レモン汁をつけて食べるのが好きだ。それでいつも「レモン汁ください」と言っている。

行儀が悪くて申し訳ないが、あらゆる肉が浸り、さまざまな肉汁がミックスされたレモン汁を、焼肉のシメに飲み干すのが大好きだ。

おいしさの思い出が凝縮している

レモンサワー

フレッシュな生レモンが、たっぷり詰まった「レモンサワー」は、天然のビタミンCが摂取できる。マドラーでつついてレモン果汁を搾り出してもいいし、飲み終わった後に、レモンを丸かじりしてもいい。

なにより、脂っこいホルモンを食べた時は、胃がスッキリする。

キャベツ

キャベツにも、ビタミンCが多く含まれている。焼肉ホルモン店では、よく見かけるサイドメニューだ。

キャベツは、辛味噌とマヨネーズをつけて食べるとウマイ。

さらに、タレ焼きのシマチョウに辛味噌とマヨネーズをつけて、キャベツに乗せて食べると、もっとウマイ。

これは「てりやきバーガー」に通じるものがある。「シマチョウバーガー」として商品化したいウマさだ。

肉を食べるときは、ビタミンCを意識してみよう

鉄分豊富なレバーやハツを塩で注文し、ビタミンCたっぷりのレモン汁で食べる。サイドメニューはキャベツ。そして生レモンサワーを飲む。

無意識にやっていた組み合わせだが、実は体に良い理由があった。これからも肉を食べるときは、ビタミンCを意識してみよう。きっとおいしい組み合わせが見つかるかもしれない。

おいしく食べて、健康に。
焼肉ホルモンに、乾杯だ!

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閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!