見出し画像

ホルモン炎上カメラマン

炭火七輪の宇宙に浮かぶ、ホルモンという名の小惑星

ホルモンと炭火七輪。これがなければ今の私は存在しない。他の何にも代えられない、私の魂を強く揺さぶる存在。これは私の活動の証。感じた全てを全力で、一枚の写真と文章に、全身全霊で閉じ込める。この想いを、ずっと忘れないように。

画像1

戦場のホルモン炎上カメラマン

画像10

ここはとあるホルモン店。木造家屋のダクトから狼煙が上がると、客が列を成して押し寄せる。弾丸のごとく肉と酒が飛び交い、客席の至る所で七輪が炎上し、店員が即座に消火活動を行う。うっかりタレで服を汚せば、洗剤のついたおしぼりで救護される。喰う者も喰われる者も常に戦い。まさにここは戦場だ。そして私は戦場カメラマン、ホルモン炎上カメラマンなのだ。

画像2

むき出しのダクト、少し焦げた木のテーブル、着席した時のしっくり感がたまらない。不安定な椅子、熱で歪んだメニュー、流れる懐かしJーPOP。炭火七輪の脂の香り、ずっと深呼吸していたい店の空気。感慨無量。そう、ここは胃袋の実家だ。

画像11

ホルモン、シマチョウ、マルチョウ、これぞ男の三種の神器!

画像3

この肉を前にする時、そこに老いも若きも、男も女も関係ない。ただ勇ましく、胃袋の持てる力の限り、その肉に無心で喰らいつくのだ。

画像4

網上の美学

画像5

ホルモン店に行く前日、肉のオーダーと戦略を立てる。野球で言うなら私は監督。なじみの店が公式戦なら、伝説の名店は日本シリーズだ。テーマに沿って肉種を選び、スタメンを完璧にそろえる。今日は何が新鮮か?欠場選手が出るかもしれない。周りの卓の肉を見て、臨機応変に戦略も変える。私は投手で網はマウンド。網上での振舞いにも美学がある。バッテリーを組む相手も重要だ。今日も優秀な選手たちが、美しくグラウンドにそろったようだ。

画像6

太網、細網、ガスロースター。どんな舞台でもホルモンは美しい、そして情熱的に燃え上がる。

画像7

考えるな、感じろ! 燃えよ!ホルモン!!

画像8

一万人に理解してもらえるより、敬愛する、たった一人に声が届けばそれでいい。万人受けする薄っぺらな言葉で何かを言うなら、それは本当の自分の声じゃない。そこに自分の魂はない。だから今日も、胃袋の底から叫び続ける。全身全霊、力の限り。そしていつか、この狂気じみた叫びに気付いた他の誰かが、ちょっと振り返ってくれたらそれでいい。これは私の共鳴する魂の叫び!

画像9

東に炭火七輪あれば、行ってホルモンを炎上し、西にガスロースターあれば、行ってホルモンを炎上する。

そういう肉を、私は撮りたい。

この記事が参加している募集

#自己紹介

227,825件

#私の作品紹介

95,473件

閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!