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お肉を「おいしく冷凍」して「すばやく解凍」する方法

残ったホルモンを冷凍保存して使う。
自宅では、そんなことがよくある。

できる限りおいしさを保って、食べきれなかったホルモンを活用したい。そこで、お肉を「おいしく冷凍」して「すばやく解凍」するコツをまとめてみた。

◎驚きの技で「すばやく解凍」

まずは、ネットでも話題の「驚きの解凍技」から紹介しよう。

これはアルミの熱伝導率の高さを利用して、急速解凍する方法。
アルミ鍋を2つ使って、凍った肉を挟むのだ。

たまたまガス台の上に乗っているが、火をつけてはダメだよ!

上に乗せた鍋には「常温の水」を深さ3cm程度まで入れると、解凍時間をさらに早めてくれるようだ。ぬるま湯を入れるパターンもあるが、生肉の安全を考えて、ここでは水にしておこう。

写真は「鶏の膝軟骨ヒザナンコツを冷凍したもの。
厚さ1.5〜2cmだが、5分程度で半解凍の状態になった。

「半解凍」がポイント!

冷凍したお肉は、完全に解凍してしまうと、旨味の肉汁「ドリップ」が流出してしまう。解凍しすぎるとドリップが出る原因となるので、様子を見ながら解凍しよう。指で押して、まだ内部が少し凍っている状態が理想的だ。

ドリップは旨味成分
ドリップは、血液ではなく細胞液。旨味成分を含むため、これが流れ出ている=旨味が逃げていることです。

全国食肉事業協同組合連合会『お肉が食卓にとどくまで ~豚肉編~』p12

鍋の裏に乗せるだけでも大丈夫!

お肉の上に水が入った鍋を乗せるのは、ちょっと不安定で心配だ。
そこで、鍋をひとつだけ使って、様子を見ながら、片面ずつ裏返しながら解凍してみた。これでも問題なく急速解凍できる。

ちなみにこれは「ノドスジ(豚の食道)」だ。
その見た目から「ネクタイ」などとも呼ばれる。

アルミ鍋は、市販の「熱伝導解凍プレート」のように使える。
なにより、その辺にある鍋をひっくり返して、凍った肉を乗せておくだけという手軽さがいい。

ようし!
フライパンも総動員して、いろいろなお肉を解凍だ!

この餃子のような謎の物体は菊脂キクアブラ(豚小腸の脂)」
これもホルモンの仲間である。

◎「おいしく冷凍」しよう

大きすぎてはいけない

鍋の裏で解凍することを考えて、大きさも考えよう。
このマルチョウは、あまりにも適当に冷凍してしまった。

ハミ出ている

例えば、ブロック肉のような大きな塊肉は、中心まで凍結するのに時間がかかり、その間に変質が進みやすくなる。さらに解凍にも時間がかかるので、調理しやすい大きさに切ってから冷凍することは大事だ。

小分けにすること!

お肉を冷凍する際は、1回で使い切れる量に小分けしよう。
解凍しやすくなるだけでなく、冷凍肉を安全に使うことができる。

解凍したお肉の「再冷凍は厳禁」だ。
冷凍・解凍を繰り返すと、食中毒菌の増殖につながる。風味も著しく落ちるので、使う分だけ解凍できるようなサイズで冷凍しよう。

マルチョウです

お肉のドリップは拭き取る!

お肉に余分なドリップがついたまま保存すると、霜や臭みの原因になる。ラップする前は、キッチンペーパーで、お肉についている水気を拭き取っておこう。

ラップしてから密閉袋に入れる

長期間冷凍する場合、ラップだけだと冷凍庫の臭いがついて、おいしさが半減してしまう。過去の教訓から、ラップして、さらに密閉袋に入れることを強くオススメしたい。

空気を抜いて、チャックをしっかり閉めよう。

密閉袋には、保存した日付を書いておくのを忘れずに!

密閉袋に入れることは、空気に触れないようにすることにも役立つ。お肉は空気に触れると酸化して風味が落ちたり、雑菌が繁殖しやすくなったりする。
ラップでぴったり包んで、さらに密閉袋に入れておけば、完璧だ。

◎お肉の保存期間はどのぐらい?

冷凍保存は「1カ月」が限度

お肉屋さんで冷凍販売のお肉を見ると、消費期限がとても長い。とはいえ、自分でラップして家庭用冷蔵庫で凍らせる場合とは状況が異なる。自分で冷凍した肉の保存期間は、1カ月が限度だ。

保存目安:1カ月以内
冷凍庫なら長期保存が可能。下ごしらえ済みなら調理の時短にも。

全国食肉生活衛生同業組合連合会『覚えておこうお肉のこと』p13

「鶏→豚→牛」の順に、長くなる

保存期間は、食肉の種類によって異なる。
「鶏→豚→牛」の順に長くなる。

「ミンチ→スライス→ブロック」の順に、長くなる

お肉の加工状態によっても保存期間は異なる。
「ミンチ→スライス→ブロック」の順に長くなる。

基本的に「細かく加工されるほど、保存期間は短い」

鶏→豚→牛の順に、保存期間が長くなります。
基本的に、かたまり(ブロック)、厚切り、角切り、薄切り、ひき肉の順に保存期間が短くなります。

全国食肉生活衛生同業組合連合会『覚えておこうお肉のこと』p14

ミンチ(ひき肉)は、劣化が早い!

細かく刻まれている「ひき肉」は、空気に触れている部分が最も多い。その分、劣化も早いので、冷凍していても、なるべく早く使い切ろう。

◎解凍したお肉を「おいしく調理」するには

余分なドリップは、しっかり拭き取ってから調理!

ここでもまた「ドリップ」の話だ。
解凍する工程、冷凍保存する工程でも「余分なドリップは、しっかり拭き取る」という説明をしたが、調理の際も同様だ。

ドリップには旨味成分が含まれているとはいえ、酸化してしまったら、臭いの原因になってしまう。余分な水気・ドリップは、拭き取ってから調理しよう。

水気はしっかり拭き取って
解凍した肉やパックされている肉には、表面に余分な水分(ドリップ)がついているもの。これはおいしさを損なう原因になるので、しっかり拭き取ってから調理すること。

全国食肉生活衛生同業組合連合会『覚えておこうお肉のこと』p14

ドリップを拭き取れば、臭みも取れる!

たまにホルモンは臭いことがあるが、フライパンやホットプレートで焼く場合、余分な脂や肉汁を拭き取ると、臭さが消えることがある。焼肉店なら、七輪やガスロースターなどの網で焼くため、余分な汁は下に落ちる。冷凍に限らず生肉でも、自宅で焼く場合は、このひと手間が重要なポイントとなる。

プロが肉を焼くとき、鉄板にしみ出た脂をていねいに拭き取ることがある。これは、酸化した脂の好ましくない香りが肉に移るのを防ぐためらしい。

◎冷凍ホルモンでつくってみよう!

小腹が減ったら「ホルモン炒飯」だ!

冷凍保存のホルモンがあれば、炒飯もすぐにつくれる。
マルチョウ(牛小腸)シマチョウ(牛大腸)が小分けになっていれば、それぞれの肉を少しずつ使うこともできる。

ホルモン界のツートップ、マルチョウシマチョウ入り!
超豪華「二種のホルモン炒飯」の完成だ!

ちなみに、炒飯で使っている「青唐辛子」も冷凍保存だ。

青唐辛子も、新聞紙に包んで密閉袋で冷凍すれば、いつまでも辛さがフレッシュな状態でキープできる。

ちょっとつまみがほしいときに

何かつまみが欲しいな〜と思ったときも、すばやく解凍して、スキレットで焼けば、立派な一品が完成する。

これは「ギアラ(牛第四胃)」ごま油と塩で焼いただけでも十分おいしい。それがホルモンの良いところだ。

いつもの焼肉がより華やかになる!

焼肉パーティーでお肉が余ったら、種類・部位ごとに小分けして、冷凍しておくと便利だ。次の焼肉のときに冷凍庫から総動員させれば、こんなにカラフルで楽しいホルモン盛り合わせがつくれる。

ちなみにこの皿では、マルチョウシマチョウ、右から2番目のチレ(豚脾臓ヒゾウの3品が、冷凍肉だ。

余った肉は冷凍保存で、おいしく活用しよう!

いろいろなお肉が冷凍庫にストックしてあると、ちょっとした料理や、おつまみがつくれるので、毎日の食卓が楽しくなること間違いなしだ。

余ったお肉は「おいしく冷凍」して使おう。
「すばやく解凍」する技があれば、早くて簡単だ。

冷凍ホルモンで、もう一品!
今夜も、おいしく乾杯だ!

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閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!