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最強のマルチョウ鍋をつくる!食べる!

マルチョウが大好きだ。焼いてもおいしいマルチョウだが、鍋にしても、またウマイ。最強の鍋をつくって、もっとマルチョウの魅力を感じたい!味わいたい!

そこで、マルチョウの可能性を最大限に引き出すために、鍋のスープから具材選び、シメの食べ方、リメイクまでを真剣に考えてみた。

最強のマルチョウ鍋

<材料>
マルチョウ(牛小腸)
アサリ
担々鍋の素
ニラ
豆苗
豆もやし
豆腐(絹)

<材料1>マルチョウ(牛小腸)

マルチョウとは牛小腸のこと。脂がたっぷり詰まっていて、太いほうがいい。これをブツ切りにしていこう。

太いほど、いい。

「マルチョウ」とは、なんぞや
マルチョウ(丸腸)とは「牛小腸」を裏返して作られたもの。小腸のまわりにタップリついた脂を、ひっくり返して腸詰めのように閉じ込める。そのため、普通の牛小腸に比べ、脂の旨味が凝縮された魅惑の肉になるのだ。

ホルモン図鑑「マルチョウ(牛小腸・丸取り)」

このマルチョウは直径3.5cmだ。あまり大きく切ると中心部まで火が通るのに時間がかかるので、すぐに食べたい場合は、少し短かめに切ったほうがいい。ビジュアル重視なら、大砲のごとく、デカ切りでいいだろう。

<材料2>市販の担々鍋の素

マルチョウの脂は甘みがあるので、味噌系が合う。脂っこいので、ピリ辛のほうが飽きずに食べ続けられる。これを兼ね備えているのが「担々鍋」だ。

「担々鍋の素」は、市販のものを使う。そのまま担々麺として使えるぐらい、担々麺に近い味のスープをチョイスしよう。

辛口系では、キムチ鍋の素を試したこともあるが、酸味があり、マルチョウ向きではない気がした。マルチョウの脂は甘みがあるので、酸味があるスープよりも、まろやかな味のほうが実力を発揮する。豚骨系の白湯(パイタン)スープや豆乳鍋とも相性が良い。

「坦々」ではなく『担々』です!
よくやる誤字が『担々麺』の「たんたん」を「坦々」と書いてしまうミス。ネットを見ても「坦々麺」と「担々麺」が混在しているが、“担いで売り歩く麺”という意味の『担々麺』が正解。「担担」とは天秤棒のことで、担々麺の発祥地・四川省の成都で、片方に鍋と七輪、もう片方に麺や調味料を吊して、担いで売り歩いていたことから名付けられたといわれている。

牛小腸と魚介のダブルスープだ!

ベースとなるスープを仕込む。市販の鍋の素を使っているので、すでに味は出来上がっているが、ここに魚介の旨味をプラスする。ラーメン店でよくある「魚介×動物系」のダブルスープを目指したい。

担々鍋の素が温まったら、多めのアサリを投入。じっくりコトコト、旨味を引き出していこう。

超濃厚なアサリ汁が出たところで、マルチョウを投入だ。

マルチョウは、先に煮込んで、味をよく染み込ませておこう。弱火でじっくり、しみしみに煮込んでいく。

これで「アサリ×牛小腸」のダブルスープが完成だ。あとは、このスープを土鍋に移し、豆腐や野菜を入れて、鍋の本番に備えよう。

これぞ「最強のマルチョウ鍋」だ

これぞ私がたどりついた「最強のマルチョウ鍋」の最終形態である。

最強の食べ方を考える

鍋のベースができあがったら、マルチョウのおいしさを盛り上げる役者ともいえる具材を選ぼう。調味料や食べ方、〆にも、こだわりたい。

最強の具を考える

担々鍋に入れる野菜の決定版は「ニラ」「豆もやし」「豆苗」だ。どれも安くて、健康的で、おいしい。もやしは「大豆もやし」であるところがこだわり。豆がついていない緑豆もやしは、水っぽくて鍋が薄まりやすい。大豆もやしは、豆好きである私の好みでもあるが、おいしくて体に良いので、積極的に食べたい。

これだけてんこ盛りにしても、しんなりして、野菜がたくさん食べられるところも良い。豆腐、豆苗、豆もやし。気がつくと豆だらけだ。

豆腐は「絹ごし」を使う。アサリが入っているので、スンドゥブ感覚だ。担々スープが染みたアツアツの豆腐をチュルンと食べる。

絹ごし豆腐は崩れやすいので、鍋に不向きだと言われそうだが、やはり私は、アツアツでチュルンチュルンの、この食感が好きなのだ。自分の好きな味、食感のものを選ぶことも「最強」のポイントだ。

最強の調味料

・花椒ラー油
・山椒
・すりごま白

担々麺の味をイメージしているので、これらの調味料は欠かせない。個人的な好みから中国原産の「花椒」ではなく、日本原産の「山椒」を使う。山椒のほうが辛くなりすぎず、良い香りが出せる。

ラー油は「花椒の実」が入ったものを愛用している。これも担々麺っぽい。
(「山椒」のこだわりを語っておきながらも、なんだかんだ「花椒」も使う)

最強の食べ方

鍋に参加する者は、取り分け用の器に、各自好きな調味料を入れよう。

←山椒・ラー油・白すりごま→

私は「すりごま」を、てんこ盛りにする。山椒も多めに使おう。ここに鍋のスープを少し入れて、ドロドロの液体にしてもいい。好きなようにアレンジする。

これにマルチョウを絡めて食べよう。

まるで「きな粉餅」のようだ。

私は器にスープを入れず、すりごまの粉に、具材をバウンドさせて食べるのが好きだ。スープは単独で、レンゲで飲む。マルチョウを噛みながらスープを飲むと、さらに味わい深くなる。

最強のシメ

シメは、もちろん担々麺だ。
最強のラーメンをつくるつもりで、おいしい麺を用意しよう。

別の鍋で、固めにゆでた麺を、マルチョウ鍋に投入する。

マルチョウがプカプカ浮かぶ担々麺は、ホルモン魂の破壊力!牛小腸とアサリの超濃厚ダブルスープだ!すりごまと山椒も、たっぷり使って食べよう。

翌日は「もつ煮込み」にリメイク

マルチョウが残ったら、翌日は「もつ煮込み」としても楽しめる。鍋に残っている野菜や豆腐は、当日のうちに食べきって、マルチョウだけにしておこう。

一晩置いたマルチョウは、しみっしみに味が染みている。豆腐の破片や、すりごまも相まって、汁は超高濃度。これぞ究極の味噌もつ煮込みだ。多めのアサリで取った出汁がさらに濃くなりウマイ。

もつ煮込みのレシピは、店や家庭で、それぞれこだわりがあるだろう。ならば私の決定版は、この “超高濃度アサリ出汁” の “担々味噌仕立て” だ!

翌日のマルチョウ鍋は、冷めて脂がスケートリンクのように固まっているので、いきなり豆腐を投入しても沈まないので注意しよう。

汁を温めて、脂が溶けてから豆腐を入れよう。

この脂の量に、ひるんではいけない。マルチョウとは脂を楽しむものだ。「脂」という字は、「月(にくづきへん)」に「旨い」と書くように、脂にこそ旨味が凝縮しているのだ。

焼いてもいい

煮込まれたマルチョウは、味が染みているだけでなく、余分な脂が落ちているので、脂だらけにならずに程よく焼ける。生のマルチョウから焼くよりも、台所が汚れず、手軽に調理できるところもいい。

ウインナーのついでに、パパッと焼けるくらいの手軽さだ。

マルチョウの最強伝説は続く

新鮮なマルチョウを入手するたび、いつも思う。これで最強のマルチョウ鍋をつくるんだ。そうやってアップデートしながら、このレシピは完成した。

だが、ここで終わりではない。そこにマルチョウがある限り、鍋の進化は続いていく。そのぐらいマルチョウは、素晴らしい食材なのだ。

次また、マルチョウを手にする日まで。
最強のマルチョウ鍋に、乾杯だ!

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閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!