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豊田市美術館の建築美と空間美

日曜日に初めて豊田市美術館を訪れました。
ずっと行きたいと思っていた美術館。時間は限られていたので、全ての展示をじっくりと拝見できたわけではないですが、とても心が満たされました。

まず、その建築美と空間美に惹き込まれます。
挙母城址の高台の高低差を活かし、外からはその佇まいが見えず、アプローチからもその姿は見えない、それが空間の独立性を生み出しているのですね。美術館が見えるところまでくると、外界と遮断された空間に入ったことを感じました。

館内の心地よさは、現代美術とマッチシンプルな壁面色。白ではなく乳白色が柔らかさを感じ、通路の空間、窓、壁面も全てアートとなる、そして光の取り入れ方がとても心地よい。この日のような雲ひとつない天気のときは最高の空間です。

2階の外にある大池と、入り口から続くファザードの美しさは何度見ても、どれだけの時間見ても飽きません。

谷口吉生さんの設計建築なのですね。以前、テレビ東京系列の「美の巨人」で葛西臨海水族園、広島市環境局中工場の建築を知り、とても惹かれました。大変失礼ながら、豊田市美術館の設計者を確認せずに来訪です。これは自分にとって運命かなんて勝手に思います。でも先入観がなくてよかった。空間をありのまま感じることができました。

今回は「ホー・ツーニェン百鬼夜行」展。
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/tsu/

映像で多数登場する妖怪が戦争の歴史と密接に絡み合う演出に引き込まれます。陸軍中野学校、マレーの虎からビルマの竪琴まで。時間の都合、全ての映像は見れなかったのですが、不勉強な私にはとてもインパクトのある作品でした。

もう一つの企画展「絶対現在」に時の流れとさまざまな今を感じました。もう一度見るとたぶん違う景色がまた見えるのだろう。そう感じながら名残惜しく会場を後にしました。

常設展では、エゴン・シーレ《カール・グリュンヴァルトの肖像》や横山大観の作品に惹かれました。高橋節郎館では色漆の美しい屏風絵や彫刻に出会いました。

豊田市美術館、とても好きになりました。
また来たいです。

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