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うた 宇宙(そら)のまにまに②

螺旋の秘密

軀に 螺旋が あると

ふと気づく 

夏の夜の 風呂上がりの ひととき

温まった指先の 指紋を まじまじと 見つめるうちに 

唐突に 始まった 連想ゲーム

頭頂のつむじ 耳の中のカタツムリ

ああ 遺伝子から スパイラルだ

螺旋は 宇宙の物理

宇宙に在るもの凡てが 遵う 命の掟

ぐるぐる くるくる くるんくるん

螺旋を描いて みんな おどり うたう

その大切な理を 

自分が螺旋だったことを 忘れはて

まっすぐに ずれずに じっと が良いと 思い込んで

窮屈に 緊張して 疲れていたのだった 

頭上には 星々の回転を率いる 北極星が 瞬いて

世界中の 星の仔たちを 祝福している

ぐるぐる くるくる くるんくるん

倖せに 生きるのだよと

その螺旋が いつか ほどけて 

宇宙(そら)に 戻る その時まで

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わたくしの身体にある渦巻きについて、空想が向かう先をぼんやりと眺めていると、思いもよらず、遺伝子にまで行きついてしまった。そうして、遺伝子についてググっていると、楽しい発問が現れた。「人間一人のDNAの長さはどれくらいか?」というクエスチョン。その答えも見つかった、生体高分子学の分野で。

地球と太陽の距離AU(1天文単位)の、800倍もの長さ!!!小さな体に、宇宙規模の長さの命の設計図が、螺旋にしまわれているのだ。

この川畑教授が得ておられる感動に、わたくしも激しく同意させていただき、深く感謝して拝読した。生きているうちは、毎日ひと時も休まず、この長さを保つべく、生成と解体が繰り広げられている途方もない生命活動の場である、わたくし。さらにまた、この体内に共生する細菌の膨大な数とその遺伝子を考えると、無量大数的な生命複合体としての自分と対面することになった。命はなんと素晴らしい奇跡だろうか。

そして、わたくしがかつて「螺旋は宇宙の理」と実感したのは、随分前に目にしたこの動画との出会い。既に超高速の乗り物(惑星)に乗って、わたくしは宇宙旅行を続けていたのだと知った時、胸がわくわくと高鳴った。宇宙のダイナミックな躍動が、学校で習った軌道図の停止イメージを頭の中から強制的に払拭したことを思い出す。

https://www.youtube.com/watch?v=hFw4ADeh6o

人間の外にも内にも広大無辺な世界が広がっていて、そのどちらもが螺旋の物理に従っている。シンプルで絶対的なこの物理が命を生み出す。

それこそが螺旋の秘密だったのかもしれない。

些細な出来事や些末な物事に思い悩み、迷いながら日々を暮らしていると、自分が何者であったのかをどこかに置き去りにしてしまう。が、わたくしの存在は、疑う余地のない、宇宙の奇跡である。生きることは、途轍もない大きさと、複雑さのスケールの営みの土台があってこそ成り立つのである。そのような螺旋の秘密の保持者である自分だ、と思い出せば、自己を決して否定できないはずなのだ。むべなるかな、螺旋の秘密は、本当の自分への回帰の鍵でもあった。ただ在ること。既に生きて其処に在ることこそが、意味も価値もある事実であると。

















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