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春詣讃岐五社巡り 四月編 イイ・ヤシロ・チ㊻

四月と五月の二回に分けての讃岐五社巡りを図らずも、めでたく満願。今になって振り返ると、殆ど不可能に近いことをやってのけていたと知れたので、ここに記録を遺すことにした。

4月の初めに、高松駅のセブンの一角で、ついうっかりとお参り御朱印セットを手にしてしまった。

ご由緒とマップと御朱印帳がセットされている

購入して中を見ると、香川県内の由緒ある5つの社を巡り御朱印をいただこうという趣旨が書かれていて、初めて名を知る社もラインナップされていた。こうなると、「まわるしかないね」とその場に居合わせた旅友と観念。

こうして、思いがけず春巡りをスタートする羽目に陥り、相変わらずの受け身モードの、わたくしたちである。

奇しくも最初の参拝先である、藤の古木が有名な岩田神社は、藤の花まつりの初日に参詣となった。花見を目指していたわけでもないのに、その日にしか参拝のタイミングが見つからなかったのも不思議。「うちに来るなら今でしょ」とお喚びがかかったのか。(林先生風の神様だろうか?)

長く枝垂れる藤の花は なよやかに風に揺れて

そちらの有名な一本藤は咲初めの様子で、人々はコロナの恐怖も薄れ、のどやかに愉快なお祭り気分を持ち寄っていた。曇天の下なれど、明朗さが満ちる境内。

社務所飾る 満開ハナミズキ
扁額が鏡とは 珍しい

様々な樹木が、活き活きと花咲き芽吹く春の歓びで華やぐ境内。限定御朱印も授かって、春詣で完了。

足取り軽く楽勝ムードで駐車場に戻ったわたくしは、横からの本殿の全体構造に、何とも不思議な印象を持ってしまった。「ちょっと待った」という声を聴いた気がした。

それは、先ほど参拝した拝殿からは4層上の、かなり高い位置にあったのだ。よく見ると、まあるい石垣の上にそびえ立つ本殿。ここまで高くする理由を知りたくなる。

暫く下から見上げていると、あ~、円墳をそのままに祀りたいから、階の先に其処を決めてからの社殿建設か、と想像する。

丸く石垣で囲ったその中にはどなたかおわすのだろうか

さらに背後に廻ると、気の流れも変わったように感じられ、何やら大切そうな祠も在る。ナルホドね、などとしたり顔で友と見合わせる、不審な五十路おみなたち。一社目完了直前にこんな発見?があるとは、この巡拝には何かありそうな予感が生じる。

と謎めきつつも、雨が降らないうちにと、そそくさと次の社に向かう。本日の参拝旅は午後からスタートなので、参拝は二社のみ。後の三社はいつになるかな?などと気楽におしゃべりしながら、車を進めていく。

向かった先は、磐座が有名な、小高い丘の上の國分八幡宮。今年になってから、何故か目にすることがやたら多かった神社。道のりが複雑そうなので、公式hpのマップをしっかりチェックしながら、ようやく到着。

春めく飾りがなんとも可愛らしい手水舎
雨予報のため拝殿はガラス戸越しに参拝

拝殿の背後へ掲示された通り回り込むと、古代祭祀場とされる磐座がすぐに在った。小さな雨が少し始まったかな?という空模様の下であるのに、何やら神々しく輝いて見える。もちろん巨きな岩の配置はストーンサークルのようで、此処のエネルギーは心身に心地よい微細な振動を与えてくれるようだった。(当社のHPには詳しい説明があると、帰宅後に確認)

降り出した雨に洗われた力強い磐座群

このさらに奥には奥宮登拝の参道が幽玄な雰囲気を醸して伸びていたけれど、天候も、持ち時間も、わたくしたちの装備も全てが今日ではないよ、と示していた。「改めてまた来い」とのお指図だろうと、再来を余儀なくされて辞したのだった。

奥宮は水分社と

そうして社務所に御朱印を頂こうと立ち寄った途端、大粒の雨が待ちきれなかったように盛大に振り始めた。

「龍神さんは、本当に時間に几帳面だね」と苦笑しながら、御朱印が書き上がるのを軒下で待っていると、社務所の女性からこんな言葉を聞かされる。

「春詣始められたんですね、今度の五月三日だといつも受けられない鼓岡神社さんの御朱印もいただけますよ」と。こちらから何も尋ねていないのに、こう聞かされると、次は五月三日で満願だと神様司令が下されたと受け取るほかない。

「あー、GW、分かりました。スケジュール調整しまーす。」二人とも素直に従うしかないとあきらめる。(逆らってもろくなことにならないのは学習済み)こうして四月参拝は無事終わり、満願五社巡りには、五月三日に出発の運びとなったのだ。

五月編に続く。

リンリンと聞こえる気がする 釣鐘草

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。


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