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ヌチグスイ*

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食べものは薬になるとの琉球言葉。ヌチグスイ。心身が健やかになる食べ物にまつわる思い出や謂れ、食べ方、栄養についてのエッセイ。
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記事一覧

新米 ヌチグスイ*⑪

神嘗祭は新米を神様に捧げる、いわゆる収穫祭である。対して、毎年11月23日、つまり勤労感謝の…

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金針菜(キンシンサイ) ヌチグスイ*➉

生の金針菜を初めて口にしたのは、2年前の12月初旬の伊勢参りの晩ごはんだった。思わぬところ…

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金木犀 ヌチグスイ*⑩

金木犀の花の香りが風に乗って街中を漂い、鼻孔をくすぐる季節がやってきた。 その小さな花は…

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真菰(マコモ) ヌチグスイ*⑨

また、マコモダケの美味しい季節が巡ってきた。クセのないホックリとした歯ごたえと、ほんのり…

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ヒルデガルトのハーブティー ヌチグスイ⑧

これまで訪れた外国の中で、一等しっくりと心落ち着くのはドイツだ。旅したのも三度、どの旅も…

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梨 ヌチグスイ*⑦

梨が「ありの実」と呼ばれると知ったのは、結婚してからだった。当時安全な食べ物をグルーブで…

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甘酒 ヌチグスイ*⑥

わたくしが育った家では、寒くなると、居間のストーブの上に置かれた鍋に、小豆が入っているとぜんざいが、酒粕が入っていると甘酒が、その日のおやつだった。 ぜんざいは後でその横で焼かれた餅が、甘酒の時はトースターで焼いた食パンが、付く。小豆がクツクツと音を立てて柔らかく煮えると、多めの砂糖のほかにすこし塩が入れられ、塩昆布や、薄切りのたくあんが添えられてぜんざいを頂いた。甘酒にはすりおろしたショウガが入れられることがあった。けれど、少し牛乳を入れて、酒かすの独特な風味をマイルドに

鮎と蓼 ヌチグスイ*⑤

葉月の旬の魚は、鮎。 きれいな川で育つとスイカ、そうでない川で育つと胡瓜の香りがするとか…

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アーユルヴェーダごはん ヌチグスイ*④

暑い。食欲がいきなりダメージを受ける。何を食べると元気が出るのだろうか? 考えるうちに、…

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蓮始開(はすはじめてひらく)お茶会 ヌチグスイ*②

夏の夜明け、まだ暗闇が広がる水辺で、蓮のつぼみが微かな音ずれと共にゆっくりとほころぶ。ま…

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梅 ヌチグスイ*①

今は梅雨。 周りの知人には梅仕事にいそしんでいる人も少なくない。「昨年漬けたのよ」と、珍…

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