マイクロノベル集 317「誰にでもある過去の話」
No.1736
最初は小さな川だと思ったけれど、なかなかどうして。小さな岩。趣のある池。「あっ、あれはなんだ!?」間違いない、奥に見えるアレは宇宙船だ。ぼくらはついに大宇宙へ行けるロケットの発射基地まで来たんだよ。「お父さん、ウソの話を作らないで」本当だってば。
No.1737
「ラクショウ」男が公園の遊具にぶら下がって呵々と笑っている。変な人。「お前もやってみるか?」ギョッとしたけれど、ぼくは首を振って断った。「何事も積み重ねだぞ」その声は男のリュックの中から聞こえた。ぼ