林檎のおいしい季節になりました。 冬には蜜を淹れて貴方にお届けします。 召しませ!罪の果実。 この時期スーパーに並ぶあの赤い果物。 私は林檎が食べられなくなった。 手にも取りたくない。 強いて言うなら フジだろうが王林だろうが秋映だろうが見たくもない。 私はいつからこんなにヤキモチ妬きで 嫉妬深い女になったのだろうか。 林檎を見る度に 自分の素直な感情を受け入れなくてはならない。 ねぇ、こんな感情はあなたのせいなのよ。 あなたとの出逢いが素直な私を変えたのよ。 いや
誰かを好きになると いつも、この人以上に素敵な人はいないと思うの。 2年前にも同じことを思ったのに 今は違う人を好きになって でも、その気持ちも終わりにしなきゃいけないなぁ。 私は既婚者。彼は独身。 既婚者と付き合う=始めから不良債権を抱えること。 不倫離婚の慰謝料の相場は200万らしい。 そっか、私は最初から不良債権の女なのね。 みんな大人だ。 不良債権を喜んで買う人はこの世の中に居ない。 独身同士の幸せな恋愛について書いたnoteは あまり見かけない気がする。 不倫だ
家の裏に流れる小さな川の橋の上の欄干に 手袋の両手を乗せて身を乗り出した。 厚い氷が張り朝日に照らされてキラキラ光っている。 ふうっと吐いた息が白く曇り吸い込んだ空気のあまりの冷たさ に鼻の奥がツンとして思わずマフラーの中に顔を埋めた。 トートバッグに手を突っ込んでスマホを探った。 ラインは未読のままに少し落ち込むけれど仕方ないなと思う。 生活の基盤を立て直さなくてはならない大事な時に 何度も電話したりラインを送るなど 「私と仕事どっちが大事なの?」と言っているようなもの。
翌朝、目を覚ましてここが自宅の寝室だと分かると 帰って来てしまったという絶望感に襲われた。 すぐにシーツの上のスマホを手繰り寄せて ラインが届いているかチェックしたが何もなかった。 ファニコンにもメッセージは無い。 あるのはもう7月23日は過ぎ去ったという事実だけ。 仕事を終え帰宅すると 彼がおばあちゃんの家の納屋からライブ配信をしているところだった。 パソコンのキーボードが使えないし ライブは今週の土曜日なのにどうしよう、と焦っている様子。 仕事が遅れている。私のせいだ。
車窓からの景色に家がほとんど見えなくなって来た。 気付いたらバスは緩やかな坂道を登っている。 だいぶ山の方へ入って来たようだ。 バスはインターチェンジに入った。 大きい緩やかなカーブを曲がる。 バス停のカーブの先に彼が立っていた! 青い車の隣に腰が隠れるくらいの丈の緑色のTシャツを着て 黒いスパッツに足元は素足にスポーツサンダルで サングラスをかけた画面越しに見ていたまんまの姿で私を待っていた! 彼の元に駆けつけたくて焦る気持ちを押さえて呼吸を整えてバスを降りた。 彼は想
ずっと彼ひと筋だった訳じゃない。 その時の私は11歳年下の韓国のボーイズグループの男の子に夢中だったの。 20年以上昔に冬のソナタが流行ったことがあったでしょう? あの時、自分の母親より年上のおばさま方が ヨン様!と黄色い声を上げながら 空港にお出迎えする姿を呆れながら見ていたのを覚えている。 でもいざ自分がその歳になって、あの時のおばさまの気持ちがよく分かる。 子育てでいっぱいいっぱいだった子どもから手が離れて ずっと自分のために楽しむことを放棄して来たから その男の子、テ
ーあらすじ(全5章)ーnote創作大賞-恋愛小説部門- 44歳の平凡な主婦しずくは、ずっとテレビの向こう側の人間だと思っていた憧れの彼とSNSを通じて出会い、LINEで連絡を取り合う仲になる。 そして彼と会う約束をする。一泊二日の秘密の不倫旅行。 その夜ふたりは一線を越えてしまう。行為の後、彼に他に好きな人がいると告げられ絶望したしずくはここでのことは口外しない約束を破ってしまう。 あの手この手で彼を取り戻そうと奔走するも、、、本当の愛とは?人との心地良い距離感とは?喪失と
ねこのきもちWEB MAGAZINE編集室が飼い主さん1,258名に 「猫好きな人」についてアンケート調査を実施したところ 55.8%の飼い主さんが「悪い人はいない」と回答したそうです。 日向でお昼寝をしている モフモフのお腹の温かい陽だまりの匂いをすうーっと大きく吸い込む。 それだけで何だか幸せな気持ちになれる。 猫好きの人に悪い人はいないよね? そう思いたい、、、のかなぁ。 そうそう、そのおじさんも猫が好きと言ったの。 だから、悪い人ではないと信じた。 「あのぉ、す