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【140字小説】長月の作品まとめ#春の星々140字小説コンテスト

今回、このコンテストにTwitterから参加しました。

お題は「細」。細いもの、細くできるものってなんだ……そんな安直な考えで小説を書きました。

3つとも自信作ですが、初めての140字小説なのでそんな上手く賞をもらえたりしないよなと思いつつ、少しだけ期待をしたりもしつつ。

でもとりあえず、多くの人が読んでくれたらいいな。



休日の夕刻、あなたの細い手をぎゅっと掴んだ。昔、あなたは私の手を小さいだってバカにしたけど、今ではあなたのほうが頼りない手をしているね。窓際のベッドで寝るあなたは空を眺めている。そのままどこかへ飛んでいってしまいそう。けれど私はずっとあなたの手を握っているよ。そう、約束したから。

「病室の夫婦」


花束の真ん中にいるようだった。一面にはカラフルな花が広がっている。そこでしゃがみ込む僕は、まるで花のつぼみだ。足元を見ると、細いうんちがあった。最初は誰のものかと思ったが、紛れもなく僕のものであった。細いうんちはにょろにょろと渦を巻いて動き、瞬く間に花となった。ここは、うんこ畑。

「うんこ畑」


細い糸をたぐり寄せるように、僕は毎日絵を描いた。春夏秋冬12年、道端で絵を描き続けた。細い糸が、太い糸となって、夢への架け橋となってくれる、そう信じている。絵は一向に売れないが、今日もまた道端にいる。目の前には桜が咲いていた。この桜を描けば、何かが起こる。そんな気がした朝だった。

「売れない絵描き」



140字小説は初めてだったので新鮮で楽しかったです。noteでたまに投稿したいですね。


載せてくださりありがとうございます。他の方の作品もぜひみなさん読んでみてください。みんなで盛り上げていきましょう。


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