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日記的なもの 58「ケムリクサ的な話」

 平成最後に作られ放映されたアニメに「ケムリクサ」がある。
 けものフレンズという終わってしまったコンテンツをアニメ分野によって蘇らせただけではなく、社会現象までもを引き起こす結果を出した監督、奇才「たつき」。
 その監督が創り上げたオリジナルアニメが「ケムリクサ」だ。

 結果としてはスマッシュヒットで、さすがにけものフレンズは越えられなかったが、俺の中では名作だ。

 第一話と第二話はセットとなっており、この時点では視聴者は舞台の背景が見えてこない。状況と目的だけが提示され、物語は進んでいく。
 視聴者は、舞台がポストアポカリプスらしいこと、ヒロインたちは以前は3人ではなく6人いたらしいことなどなんとなく掴めていく。
 中盤、一度は目的地を達成するも世界が新たな問題を抱えていることを知り、二度目の旅立ちを決する。

 背景がはっきりしないまま進み物語のクライマックス直前、全12話の11話目に、物語の背景が語られる。

 この11話が。
 オープニングからエンディングまでが全て10話までの答えになっていた。
 特にEDの演出などは、当時の視聴者を驚愕と狂乱の世界に陥れた。
 Twitterでは考察の答え合わせと同時に阿鼻叫喚が溢れ、トレンドでトップにも躍り出るほど騒がれた。

 そして最終話。
 あらゆる仕掛けが回収されたのちの決戦。
 だが、エンディング直後に我々視聴者は、最後の仕掛けに呆然とし、ヒロインのラストのセリフに感情を揺さぶられた。

 まごうことなき名作だった。

 あれから4年。
 来年の2023年に、たつき監督のアニメ映画の公開が発表されている。

 それだけでも、生きていく意味がある。


 けものフレンズ2?
 そんなものあった?

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