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AI関連スタートアップが自動運転スタートアップから社会実装する上で学べること

AI関連スタートアップが自動運転スタートアップから社会実装する上で学べること

Y Combinatorのパートナー、Jared Friedmanの投稿が面白かったので、以下参考和訳を掲載しておきたい。

確かにこの投稿の通り、4、5年前までは自動運転技術が最初に実装されるのは高速道路を走るトラックだ、という論調が多かった。技術的な観点から言えば、高速道路は基本的に単調な道のりが続き(米国の場合は特に)、車線変更や信号による頻繁な停車等も人間の急な飛び出しも想定する必要がない

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農林中金の巨額損失について思うこと:時価評価を行う機関投資家の宿命

農林中金の巨額損失について思うこと:時価評価を行う機関投資家の宿命

農林中金の約5000億円の最終損益見通し(2025年3月期)と、約1兆2000億円の資本増強が私の周辺で話題になっている。

「ここ数年の株式上昇相場の中、株式に投資せず債券・クレジットに偏重した投資ばかり行っていたのは運用能力の欠如だ」などなど、とりあえず農林中金の運用能力について疑問を呈する声が殆どである。

損失の主な原因は、農林中金が投資を行い運用していた米国債等の債券価格が、ここ1、2年

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フィンテックカンファレンス、LendIt 2019に参加した時の記録

フィンテックカンファレンス、LendIt 2019に参加した時の記録

2019年4月、米国・中国・欧州で毎年開催されていたフィンテックカンファレンス、LendItに参加した当時の記録が残っていたので以下に記載したい。当時からすでに5年近く経っているものの、結論そこまで大きくフィンテックをとりまく状況は変わっていないのではないか、と思える。

それもそのはず、当時「フィンテックが既存の金融機関を置き換え、脅かす」と言われていた脅威論は今となってはほぼ消え、「確かにフィ

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Y Combinatorの登壇企業を見ながら、優れたビジネスアイデアとは何かについて考える

Y Combinatorの登壇企業を見ながら、優れたビジネスアイデアとは何かについて考える

https://www.youtube.com/watch?v=_Kmgj9MAEN0&t=84s

元野村證券の営業マンで今はプルデンシャル生命で完全成果報酬型の営業マンである人気YouTuber、宋世羅氏の動画が好きでかれこれ3年近く観続けているが、この度大変共感した動画を見つけたため共有しておきたい。

「起業センスの無い者ほど妄想のビジネスプランを語り、起業センスのある者ほど地に足ついたビ

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ベンチャーキャピタルの仕事は「外れ値」に投資をすること by マーク・アンドリーセン

ベンチャーキャピタルの仕事は「外れ値」に投資をすること by マーク・アンドリーセン

以上はシリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの創業者であるマーク・アンドリーセンがその昔、スタンフォード大学で行った講演の一部抜粋である。

なぜ、「チェックボックスが全て埋まった企業は凡庸な企業」になるのか。おそらく、チェックリスト方式のスクリーニングは「損をしない」企業を探すためには有効だが、「10倍、20倍に成長する」企業を探すためにはあまり役に立たないからだ

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スタートアップアイデアの作り方・テストの仕方 How to get and test startup ideas by Mike Seibel

スタートアップアイデアの作り方・テストの仕方 How to get and test startup ideas by Mike Seibel

https://www.youtube.com/watch?v=vDXkpJw16os&t=235s

YコンビネータのCEOで元Justin TV(後にTwitchに名称変更しAmazonへ企業を売却)の共同創業者、Mike Seibel氏による6分くらいの動画です。スタートアッププロダクトをゼロから作り始める際の留意点・アドバイスが非常にコンパクトにまとまっていてわかりやすかったので以下、メモ

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Jeff Bezosが「社運を懸けた一大プロジェクト」を嫌うわけ

Jeff Bezosが「社運を懸けた一大プロジェクト」を嫌うわけ

我らがJeff Bezosの素晴らしいコメントを上述の動画の中で見つけた(動画の中では開始1分をすぎたあたりからの部分です)。

"My job as a leader of Amazon is to encourage people to be bold (...) but it's incredibly really hard to get people to take bold bets,

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AirBnBへの投資をパスした7人の投資家(たちの言い分)

AirBnBへの投資をパスした7人の投資家(たちの言い分)

この12月、ついにNASDAQ上場を果たしたAirBnB。この記事を書いている2020年12月24日(日本時間)時点では時価総額$9.4Bnであり、2008年創業した当時のAirBnBを知っている投資家・顧客・従業員たちはここまで大きな企業に成長したことについて、改めて感慨深いことだろう。

この1年は、AirBnBにとってコロナ影響に伴う売上激減・赤字拡大と上場時期延期、そして営業人員のリストラ

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韓国のAI半導体チップ開発スタートアップ、RebellionがシリーズBの資金調達を実施中

韓国のAI半導体チップ開発スタートアップ、RebellionがシリーズBの資金調達を実施中

韓国のAI用半導体チップを設計・開発するスタートアップ、Rebellionが2023年末にかけて総額100百万米ドルの資金を調達するとの記事を見つけた(上記リンクご参照)。シリーズBの資金調達で、Pre-Moneyの評価額は500百万米ドルに上るとのこと。

Rebellion概要

企業ウェブサイト:https://rebellions.ai/?ckattempt=1

本社所在地:韓国、ソウル

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2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

上記Crunchbaseの記事の題名の通り、2023年に最も投資件数を積み上げたのはアンドリーセン・ホロウィッツだった。ただし、これはシードラウンド以降の3百万米ドル以上の資金調達(つまり大まかにいうとシリーズA以降)におけるランキングである。2年前まではこのランキング上位を独占していたTiger GlobalやSequoia Capitalが消えてしまったことは特筆すべき事項だろう。

アンドリ

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欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

https://pitchbook.com/news/articles/india-pe-vc-exits-defy-ipo-slowdown

米国や欧州のIPO市場が引き続き低空飛行する中、インドが躍進しているとの記事を読んだ。インドの2大証券取引所(ボンベイおよびムンバイ)では昨年205社が新規上場を果たしたのだ。

また、インドのIPO総額は2022年を大幅に上回り、PEとVCの支援を受け

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セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

1972年に設立され、これまでApple、Cisco Systems、PayPayl、YouTube等のシリコンバレーの企業の黎明期に投資を行いその成長を支えてきた超名門ベンチャーキャピタルの一つ、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)。

そのファンドパフォーマンスについて詳細が明かされることは少ないが、この度その一端が明かされた記事を発見した。それが冒頭のBusiness In

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防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

先週は奇しくも米国国防省と日本の防衛省で同じようなニュースが報道された。どちらも「防衛関連スタートアップに対するベンチャーマネーの投下が必要」という内容だった。

米国国防省(通称ペンタゴン)が認識している課題として記事で挙げられていたのが、米国の防衛産業は全くイノベーティブではなく最先端技術の導入が遅れていることである。そしてこの課題を解決するためにも、新たなベンチャーキャピタルによる同産業の発

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