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056:散歩|房総半島

・昨年の夏、千葉県の東の方、房総海岸にある守谷海水浴場を訪れた。
・きっかけは「水は海に向かって流れる」という映画である。ロケ地を巡礼しようというところから房総半島を横断するこの旅は始まった。

・友人と遠足めいた遠出をしよう、ということで電車で向かった。

***

守谷海水浴場

・JRの外房線で向かったその海水浴場は、とてもキラキラとしていた。
・上総興津駅という駅で降りた。強そうな名前だなと思った。
・海の近くは海水浴に来た人で賑わっていたが、ごった返すというほどの混雑具合でもなく、寂しさがなく潮風の心地良さがあった。

・エリアによっては誰もいなかったので、『夏の思い出』とでも題すべき写真なども撮れた。

『夏の思い出』

ファミリーレストラン こだま

・そこからそこそこ長い距離を歩き、勝浦タンタンメンの名店と誉れ高い「ファミリーレストラン こだま」で昼食を摂った。
・せっかくなので勝浦タンタンメンとやらを食べてみるかと意気込んでいたが、とてつもなく米が食べたい欲に溺れてしまったため焼肉丼を食べた。
・美味しかった。

・人気らしく、かなり並んだ。

いすみ鉄道

・次の目的地へ向かうため房総半島を横断するローカル電鉄・いすみ鉄道に乗った。
・車窓からは房総半島の自然や歴史を存分に垣間見ることができ、ただ電車に乗っていただけにもかかわらず房総半島を満喫した気分になった。
・パンフレットなども充実しており、いろいろな人にとって楽しめる電車だった。

上総牛久駅

・いすみ鉄道は小湊鐵道というローカル電鉄に接続しており、こちらでも房総の風景を満喫した。
・次の目的地であった上総牛久駅は映画「水は海に向かって流れる」頻出の場所であり、降りた時は少しの感動があった。

上総牛久駅

・辺りを散策しようと、牛久商店街を歩いた。
・市原市のちょうど真ん中くらいにある牛久は市内の北部に広がる街の終わりであり、南部へ広がる里山の入り口でもあったため、昔は物流の要所として栄えたそうだ。
・しかし、自分が訪れたときにはほぼシャッター街となっていた。

・ただのシャッター街(「ただの」という表現も不適切な気がするが)を歩くのであればそれはそれで風情を感じることができたかもしれないが、牛久商店街は全国各所にあるであろうさびれてしまった商店街とは少し様相が異なった。

・商店街にあるいくつかの店には、店長らしき人物の写真と何やら大層な言葉が印字されたのれんがかかっていた。
・調べてみると、「牛久のれんプロジェクト」と題して地域活性化の試みがなされたようであった。
・ただ自分が見た限りでは、さびれたままであった。

・自分も同行した友人も、広告業をかじったことがあるせいで、“他者が介入する”ということに対してかなり懐疑的な目線になる。
・そののれんは本当にその店の人が主体となって作ったのか?印字してある文言は本当にその店主が自主的に発した言葉なのか?
・自分たちも企画提案を生業としているが故、裏側を想像してしまう性分にあった。

・死にゆく運命にあった商店街を無理やり起こし、再度殺したような印象を受けた。
・自分たちは牛久商店街をサイボーグ商店街と命名した。
・平成と令和が入り混じり、それらが絶妙にマッチしていない街であった。

・もちろんその時に頑張った人たちがいることは否定はしない。
・ただ、普段自分が仕事で提案している広告施策も、それが仮に実施後良い成果が得られたとしても、自分が成していることは虚業なのだろうなと感じた。
・その商材なりコンテンツなりの持ち主が主体的になって考えなければならない、と思う。

***

・書き始めた時はただの随筆を綴ろうと思っていたのに、なぜか鬱屈とした文章で締めくくってしまった。
・がしかし、この日もまた良い日であった。
・いろいろな場所を散策しながら、友人と他愛もない話から真剣な話まで、全てのことを話した。

・最近の出来事だと思っていたが、気づけば年が進んでいる。
・あの日から今まで、自分は頑張れているのだろうか。

・答えは未来にしかない。


・そういえば冒頭で触れた「水は海に向かって流れる」という映画は良かったし、原作の漫画はさらに良い。
・映画に関しては、感想を残したこともある。

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