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耳の日 騒音暴露と難聴

どうも!!!
長洲ヒアリングのみやたです!!!

今回は、補聴器の事ではなく3月3日の耳の日にちなんで耳の事について書いていこうと思います。

~自己紹介~

まずは、一応「耳」に関係のある仕事に就いているという事を含め簡単な自己紹介をします!

経歴は、言語聴覚士国家試験を2度の受験後、資格を取得しました。国試浪人時代から始めた耳鼻科クリニックでの聴力検査を今でも続けています。また、補聴器の調整や販売にも携わり、「長洲ヒアリング」というお店を2020年に開業しました(^^)/

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今回は騒音暴露と難聴、そして4月から言語聴覚士として働き始める方や聴覚分野にあまり縁がない方へ、こんな事を知っていて欲しいなという事を書いていこうと思います!


~騒音暴露と難聴~

「大きな音は耳を悪くする」

こんなイメージが、多くの方にあると思います。

では、大きな音とはどんな音でしょうか?

電車が走る高架下、ジェット機の近く、たくさんの機械が動く工場、工事現場といった所が「あ~耳が悪くなるぐらい大きな音かな・・・」と思いますよね。

実はそれ以外にも、以下のようなエピソードは耳に与える影響が大きくなります。
・音楽ライブに頻繁に行く
・イヤホンで聞く音を過剰に大きくしている
・爆音で音楽を流しながら運転
・パチンコ屋によくいく

「趣味だから」「楽しいから」「煩わしくないから」と言って、耳がダメージを受けないわけではありません。

今回のお話で、(自分や家族の)耳を少しでも大事にしようと思って頂ければ幸いです!


 ・騒音暴露

ここでまず「騒音」という言葉について簡単にご紹介します。

【騒音】
 騒音(そうおん、英語: noise pollution)は、典型七公害の1つであり、人の健康及び生活環境に影響を及ぼす。

引用元:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A8%92%E9%9F%B3

上記の事から、騒音は好ましくない音という事がわかりますね。騒音が公害の1つであるということに驚かれた方もいるもしれませんが、その騒音に曝されることを騒音暴露と言います。

さてそんな騒音には、①常に鳴り続けるものや②突発的に鳴るといったようにいくつかの種類があります。その種類によって生活環境への影響が大きく変わると考えられます。また、聞く音が「騒音(好ましくない音)」と感じるかは、個人の主観によっても異なりますので、「○○の音は絶対に騒音だ!」と必ずしもならないといえます(例えばバイクの音)。

ここで日常生活に溢れている音がどのぐらいの音の大きさなのかをみてみましょう。

音の大きさと目安

【dB】
㏈という単位は、小さい声(50㏈)を単に2倍にすれば高架下(100㏈)になるわけではありません。50㏈大きくなるという事は、106倍するということとなります※計算式はややこしいので割愛
例)0㏈の倍率を1とした時に、それを10倍すると20㏈になります。20㏈をさらに10倍すると40㏈になります。10倍を10倍すると100倍になります。

上画像のほかにも、掃除機やドライヤーなども大きな音と知覚されると思います。

このように人が生活するという事は、耳は無意識のうちに様々な音に曝され続けていると言っても過言ではなく、気を付けるべき事の1つです。

音に曝され続けた耳が許容範囲を超えると聞こえが悪くなる可能性があります。では、この許容範囲はどのぐらいなのでしょうか?

 ・WHOの基準

WHOは「メイクリスニングセーフ」という、聴覚を保護しようとするテーマを掲げています。そこでは音の大きさによる耳の許容時間も示されています。それを元に、音の大きさと感じ方も含めたものを添付します。

音の大きさと感じ方と許容時間

一般的に、130㏈(例:ジェット機)のような大きな音を日常的に聞く人はほとんどいないと思いますが、それを1秒未満でも聞いてしまうと許容時間を超えてしまいます。また、大きな音を聞かなければいけないような仕事であれば、耳栓などで耳を保護する必要があります。これは労働安全衛生法の労働安全衛生規則で定められています。

(騒音障害防止用の保護具)
第五百九十五条 事業者は、強烈な騒音を発する場所における業務においては、当該業務に従事する労働者に使用させるために、耳栓その他の保護具を備えなければならない。
2 事業者は、前項の業務に従事する労働者に耳栓その他の保護具の使用を命じたときは、遅滞なく、当該保護具を使用しなければならない旨を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。

引用元:http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-1-3h2-0.htm

また、騒音の大きさとしては85㏈以上の等価騒音レベルが計測された場合に、耳栓などの保護具を使う事となっています。

【等価騒音レベルとは】
測定時間内における騒音エネルギーによる総曝露量を時間平均した物理量であるため、異なる音源からの騒音の合成などの計算に便利です。
また、変動騒音に対する人間の生理・心理的反応とも比較的よく対応することから、環境騒音を評価するための評価量として多くの国で採用されています。

【引用元】https://www.skklab.com/%e7%ad%89%e4%be%a1%e9%a8%92%e9%9f%b3%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab


 ・騒音性難聴

ここで「騒音性難聴」について少しふれておこうと思います。

騒音性難聴には、大きく分けて2つの種類があります。それが、

①音響外傷
②職業性の騒音性難聴

になります。①音響外傷は、大きな音を短時間でも聞くことで生じ音楽ライブや爆発音(爆竹など)が原因となります。②職業性の騒音性難聴は、大きな音を長時間聞くような職場(工場や工事現場)で長期間勤務される方に生じます。

この2つには、「音の大きさ」とその「音に曝された時間」に大きな違いがあり、大きな音(音楽ライブや爆発音)ほど短い時間で耳はダメージを受けることがわかります。

言語聴覚士(STSも含め)の皆さんには、聴力検査でc5dipがみられるということや、雇い入れ時の聴力検査の周波数や音圧は懐かしき(良き?)思い出なのではないでしょうか。

将来、きこえを少しでも良く保ちたいと思われたなら、「イヤホンの音量が大きすぎないか」と振り返ったり、「大きな音のある場所では耳栓を使用する」というように、日常生活に溢れている音を少しでも意識してみてはいかがでしょうか。

また、自身のきこえについて気になる点があればお早めに耳鼻咽喉科を受診し聴力検査を受けることをお勧めします。



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