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シニタイとリアジュウ

昔々、あるところにシニタイとリアジュウがいた。

シニタイは、リアジュウを妬んでいた。

リアジュウには、家族がいて、幸せそう。

それに引き換え、シニタイは、独りぼっちで、彼女ができないことにいつもガッカリしていた。

シニタイは、温泉へ行き、銀座の寿司を食べ、サッカーの観戦をし、行列のできるラーメンを食べた。

でも、いつも虚しかった。

リアジュウのGWは、家で過ごした。

子供が小さくて出かけられない。

せいぜい、海までドライブするくらい。

お菓子が高いので、クレープや蒸しパンを妻が作った。

子供たちは、喜んで食べた。

リアジュウの1日は、料理、洗濯、掃除で終わった。

風呂から上がると、家族の足裏マッサージ。

いい加減にやると、妻からダメ出しされた。

自分の時間なんて無いリアジュウ。

スマホでSNSをやるくらい。

そのSNSも、常に妻の監視の目が光っていた。

シニタイは言う。

……リアジュウは、幸せだね。

リアジュウは言い返す。

……シニタイさんこそ、好きなことたくさんできて、羨ましいな〜

お互いに理解しあえない。

リアジュウは、ほとんどの時間を家族に捧げた。

自分を犠牲にして、例えば、子供の卒園式。

晴れ晴れしい子供の姿を見て思う。

……頑張ってきて、良かったな。

どちらが幸せなのだろう。

シニタイは、いつも虚しい。

リアジュウは、いつも疲れている。

リアジュウは、ふと思う。

……子供のために頑張ってきたこと。子供の笑顔があるから、やってきて良かった。

リアジュウは、ボロボロに過ごしてきて、ちょっと良く見えるところしか、シニタイには映らない。

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