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【マシュマロ】好きな作家と好きな作品

 マシュマロに質問を頂きました!

 好きな作家は澁澤龍彦で、憧れから、大学でフランス文学を専攻しました!

 その際、プルーストの『失われた時を求めて』(鈴木道彦訳)を読み、小説ってこんなにも凄いのかと圧倒され、自分でもいろいろ書いてみたいと思うようになりました。

 これは驚くほど長い小説で、わたしは毎日数百ページを読む生活を一ヶ月ほど続け、なんとかラストまでたどり着いたのですが、文字通り自分の価値観が一変する経験となりました。

 本当に凄い作品なので、ぜひ、皆さんにも読んで頂きたいのですが、ハードルが高いのはあまりに明白 笑

 だから、ネタバレになってしまうかもですが、どう面白いのか、簡単に宣伝させてください。

 ざっくり言えば、『失われた時を求めて』というタイトルの通り、ひたすら思い出を振り返る小説です。

 ところが、原題 "À la recherche du temps perdu" について、"temps perdu" の訳として、一般的に「失われた時」というカッコいい表現が使われていますが、perduを辞書で引くと、「迷子の」とか「無駄な」とか「負けた」とか「人里離れた」とか、いろいろな意味が出てきます。

 そのため、実は、"temps perdu" は記録されてこなかったマイノリティの歴史を意味しているんじゃないかと推測も可能なんです。

 実際、本文を読むと、思い出のあちこちに同性愛や人種問題、職業や出自に対する差別などが垣間見え、華やかな過去に隠された真実が次から次へと明らかになっていきます。

 従って、探偵小説的な側面もあり、英訳のタイトルも、昔はシェイクスピアの一節にちなんだ "Remembrance of Things Past" だったのに、90年代から "In Search of Lost Time" が一般的になっているんだとか。

 子どもの頃には気づかなかったけれど、大人の視点で振り返ったとき、あれってまさか? と気がついてしまう。そういうことに興味があったら、ぜひチャレンジしてみてください!

 なお、最近読んで面白かった本は井上荒野さんの『ママがやった』です。

 79歳の妻が72歳の夫を殺したところから始まる小説で、なぜ、そんなことになってしまったのか、短編連作の形で描かれていくのですが、めちゃくちゃスリリングで最高でした!




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