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【マシュマロ】お正月におすすめな映画の見方

 マシュマロに質問を頂きました。

 いつもありがとうございます!

 もし、お正月で時間が取れるとしたら、特定の監督に注目し、その人のフィルモグラフィーを追いかけてみるなんていかがでしょうか? 様々な発見があるはずです。

 たとえば、新作『首』が絶賛公開中の北野武監督作品なんて、毎回、ガラッと雰囲気が変わるので興味深いです。

 ほんわかコメディ『菊次郎の夏』と暴力コメディ『アウトレイジ』を続けて見ると、真逆な内容なのに、北野監督が大事にしている人情がより明確に伝わってきます。

 洋画だと『シックス・センス』で有名なM・ナイト・シャマラン監督も見比べ甲斐があります。

 祖父母宅を訪ねる姉弟のドキュメンタリ風ホラー『ヴィジット』だったり、急速に老いてしまうビーチに閉じ込められた複数の家族を描く『オールド』だったり、どれも設定が抜群で単純に面白い。

 どんでん返しに定評があり、一般的にはエンタメ職人と思われがちな監督ですが、足跡を辿っていくと「死」とはなにか、真剣に向き合っていることがわかってきます。

 他に邦画だと、吉田大八監督がとにかく多才で素晴らしいです。ほぼ原作ありなので、元の本と比べるのも楽しいです。

 吉田監督は毎回、小説や漫画を映画化する上で、かなり大胆な再解釈を行ないます。

 スクールカーストを描いた『桐島、部活やめるってよ』なら、原作以上に映画部の存在感を強くし、オリジナルの展開がクライマックスになっていました。

 更生をめぐる社会実験のため、市民に知らせず元受刑者11名を受け入れた町での出来事を描いた『羊の木』でも、元殺人犯6名を受け入れる話にするなど、重要な部分を変更していました。

 特に驚きだったのは、大泉洋さんで当て書きしたことで話題となった小説『騙し絵の牙』です。なんと、映画版は大泉さんを主演でキャスティングしているにもかかわらず、主人公から大泉洋らしさを抜いてしまっているのです!

 いかにも原作ファンが怒りそうな作り方。ただ、出来上がったものはどれも映画史に残るクオリティの高さ。やはり、映画というメディアに変換する上で、再構築がいかに重要であるか、つくづく勉強になります。

 というわけで、お正月など時間があるときは、いろいろな映画を幅広く「横に鑑賞」するのもいいですが、一人の監督を軸にした「縦の鑑賞」をおすすめします!




マシュマロやっています。

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