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感情と生きる、感じたくない感情が教えてくれること

こんにちは、心理士のなべたです。

ふとした瞬間に「感情がなければどんなに楽だろう」と思ったことはありませんか?
でもそのような感じたくない感情も実は生活の役に立っているのかもしれません。今回は、そんな感情の役割と、上手な付き合い方を一緒に探ってみましょう。


人に感情がある理由

「感情」について、時々「悪いもの」や「危険なもの」と思われがちですが、それは実は違うのです。

感情が一切ない人間の生活を想像してみてください。
感情がなくなると、確かに気分の上下はなくなります。でも、それはまるでロボットのように、ただ毎日を淡々と過ごすだけの生活になってしまうでしょう。

さらに、もし僕たちが「心地よい」感情だけを持つようになったらどうでしょうか。
突然の危険が迫ってきたとき、恐怖という感情がなければ、その危険を察知することは難しくなるでしょう。
また、不当な扱いを受けたとき、怒りという感情がなければ、自分自身を守るために声を上げることも難しくなるでしょう。

感情はまさに、適切な行動を選ぶためのコンパスなのです。
何かを感じて、その結果行動する。
感情はこのように、私たちが生きていく上で必要な動力源なのです。
これから、「感じたくない」と思う感情が、実はどのように役立つのかを一緒に見ていきましょう。

それぞれの感情の働き

恐怖

恐怖という感情は、実は自然から僕たちに与えられた警報システムです。
危険が迫っているときに私たちが素早く行動したり、注意を向けることが必要だと伝えるための信号なのです。
例えば、道路を横断しているときに、突然、車があなたに向かってきたところを思い浮かべてみてください。
きっと考える間もなく、あなたは歩道に飛び退くでしょう。
このように、恐怖という感情は一見不快に思えますが、実は私たちを危険から遠ざけ、傷つくことから守る防御的な役割を果たしているのです。

悲しみ・抑うつ

悲しみや抑うつは、感情のなかでも特に避けたいと思われがちなものです。
あなたも一度は「元気を出して」や「悲しまないで」といった言葉をかけられた経験があるでしょう。
でも、これらの感情は、実は自分にとって大切なことに焦点を当てるための手助けをしてくれます。それ以外のことについては考えなくていい時間を与えてくれるのです。
そうした時間を与えてくれることで「しっかりと向き合う」ことができ、前に進むための力を取り戻すことができます。

不安

「不安」もまた、感じたくないと思う感情の一つですよね。しかし、不安にも重要な役割があり、大切な働きをしてくれます。
不安を感じるということは、未来に意識が向いている状態です。
この感情の目的は、悪い可能性や危険な可能性を予見し、それに対処することです。不安を感じると、私たちの身体と心は「準備」の状態に入ります。
これにより、何か予期せぬ事態が起こったときに、自分が無防備な状態にならないように防ぐことができるのです。
例えば、テストが心配で不安を感じるとき、それはあなたに勉強をするように促してくれたりするような感じです。

感情を分けてみる

僕たちの日常生活では、感情はとても重要な役割を果たしています。

しかし、「理由もなく大きな恐怖を感じる」とか「不安の役割は理解できるけど、常に不安に感じている」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、感情はときとして過剰になったり、タイミングがずれてしまったりすることがあります。

こうした感情は、巨大な雲のように圧倒的に感じられ、僕たちの行動を邪魔したり、苦しみを引き起こしたり、生きることを制限したりします。

感情の圧倒的な感覚を和らげる方法の一つとして、「考えていること」「行動していること」「身体で感じていること」の3つに分けるという手法があります。

例えば、「不安」を感じているとき、「私は”これから良くないことが起こるかもしれない”と考えている(考え)」「紛らわせるためにお菓子を食べる(行動)」「緊張している(身体)」のように分けてみます。

この3つに区別できると感情は少し圧倒的ではなくなってきます。
感情の正体を小さく分けることで、「なんとか対処できそう」という感覚をつかむことができます。

そうすることで、自分の感情が何を伝えようとしているのかを理解し、上手に付き合っていくことが可能になります。
感情は私たちが生きていく上で大切な指針です。
だからこそ、それを理解し、うまく付き合うことが重要なのです。


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