ここで今一度西松屋への愛を語ろう

 先日、「西松屋で伸びる生地の前開きの服を作ってほしい」、とツイートしたら、思いの外色んなご意見をいただきすぎて、びっくらこいてお腹を壊したりしたわけだが(もう治りました)、私は西松屋にイチャモンをつけているのではない。むしろ、この上ない西松屋ラバーとしてこの数年を過ごしてきた者として、ここで私の西松屋愛をおさらいしておきたいと思う。

 私は西松屋が好きだ。本当に好きだ。数ある子ども用品店の中でも群を抜いて好きだ。これは愛。紛れもない真実の愛だ。どうしてそんなに西松屋が好きなのか、私の西松屋への熱い思いを聞いてほしい。これは私から西松屋へのラブレターだ。

 まず、西松屋には広い駐車場がある。どんなに混雑した土日でも、車が停められないことがない。(少なくともこれまでは。)そして西松屋は一軒で建っているから、普段車を主な移動手段としている私にとって、アクセスがしやすい。大きなショッピングモールやデパートに入っているお店だと、駐車場から遠くてたどり着くのが大変だし、やや方向音痴気味の私には、大きな荷物を持って広大な駐車場で自分の車を探すことも、地味にストレスである。さらに西松屋は夜遅くまで開いている。会社帰りの親たちが、急に必要になったものを帰りに寄って買えるくらいの時間まで。私も何度もお世話になった。西松屋が、色んな生活スタイルの人をウェルカムしている感じがとても好きだ。

 娘は医療的ケア児のため、連れて歩くのは特殊な荷物も多くて大変だし、何かあると困るので、祖父母や誰にでも見ていてもらえる訳ではない。だから私が買い物に出られるのは、夫が家にいる時か、訪問看護師さんが娘のケアをしてくれている時間だけだった。車でブーンと行って、バババババっと買って、わーっと帰ってくる。西松屋ならそれが可能だった。そこに必要なものが全部あるから。

 そう、西松屋には何でもある。生まれたての赤ちゃんから小学生くらいまでの肌着パジャマ子ども服、帽子靴髪飾り、オムツお尻拭き手口拭き、粉ミルク液体ミルク赤ちゃん用の飲み物、搾乳器哺乳瓶離乳食、洗剤食器歯ブラシ、ハンカチお弁当箱水筒にランチマット、お名前付けの道具の数々に絵本におもちゃ、抱っこ紐、ベビーカーにカーシート、お風呂グッズにプールの道具、爪切り綿棒バッグに寝具、マタニティウエアに授乳クッション、デカフェの飲み物、夏は水着に浴衣に甚平、秋はハロウィンのコスプレ用品、冬はスノーウエアにブーツ手袋に至るまで、とにかく、妊婦と子どもがいる人たちに必要なものが1箇所で、何でもそろう。何か所も探さなくて良い。「1か所で、全部揃う。」これってすごいことや。

 西松屋の服はかわいい。「映えない」と言う一部の人たちもいるみたいだが、好みの問題はあるとしても、私は好き。だいたい子どもが着れば何でも映えるじゃないか。子ども自体が「映え」そのものなのだから。ボーダーや花柄やクマさんやウサギさんはもちろんのこと、子どもだからこそ着られるスイカの服も(色んなところのを見たけど、西松屋のが断然可愛い)、ウシ柄も、みんなみんなお気に入りだ。そして、この上ないお手頃価格!「これとこれとこれとこれとこれ、それからこれも、全部いただくわ」ってできるわけ。某有名ブランドのトレーナー1枚分くらいのお値段で。汗かきの娘は、1日に何度も着替えをする。西松屋でたくさん買った楽しい子ども服を(しかも生地が薄くて着せやすいものが多い)、遠慮なく着替えさせ、じゃんじゃん洗濯する。西松屋の服は、たくさん干してある景色さえ可愛い。とにかく可愛い。

 西松屋は通路が広い。大きなカートに大容量のオムツ(こんなに入っているのは西松屋でしか見たことがない)3パックと、粉ミルクの大きい缶3つプラスおまけの箱入りがついたの(このセットも西松屋でしか見たことがない)、それに箱入りの自社ブランドのおしりふきや、沢山の必要な衣類や小物や洗剤を入れて、大急ぎで買い物しても、余裕で通れる通路幅。ベビーカーを押した家族連れがやって来ても、難なくすれ違うことができる。アブソルートリー・ノーストレス。

 思えば生まれてすぐNICUに入り、GCUを経て退院するまで4ヶ月かかった娘に、毎日届ける母乳を入れて冷凍するための特殊なパックを買ったのも、退院した娘に使う経管栄養の大きなボトルやたくさんのシリンジを消毒するための消毒薬の大きな容器を2つと、その錠剤60個入りを何度も買ったのも西松屋。母乳パックも錠剤60個入りも、どこにでも売っているわけではなくて、だから西松屋は本当に色んな子ども達や親たちのことを、ちゃんと知っているお店なんだと思う。

 あと地味に私が好きなのは、西松屋の入り口自動ドアが、外からはそのまま入れるのに、中からはボタンを押さないと開かない仕様になっているところ。小さい子どもを何人か連れて来た人がいても、子どもがひとりでチョロチョロ駐車場に出て行って危ない目に合わないように、ちゃんと子どもの特性を理解し、愛し、守るための工夫があるところ。

 こんなん、ほれてまうやろ。

 だから私は西松屋が本当に本当に大好きで、後からできた西松屋アプリのランクだってあっという間に「よつば」(最高ランク)に駆け上がったんだ。

 娘が入院していたので、しばらく行けずにいたのだが、この度諸事情により、急に前開きの服がたくさん必要になって、久しぶりに西松屋へ足を運んだ。前開きはあまり無いのは知っていたけれど、何かしらあるだろう、西松屋だもの、と思って。でも、娘のサイズの前開きの服は、ひとつも見つけられなかった。私の探し方が足りないのかもしれないけれど、娘に着せたいものは山ほどあるのに、娘が着られるものがひとつも見つけられなくて、なんだかちょっと凹んでしまった。

 そう、世の中のほとんどの子どもは大きくなって、歩くようになり、前開きよりもスポっと被せるタイプの服の方が、便利なのよね。そうよね、わかります。仕方のないことです。歩かない仕様のうちの娘のような子どもが、私のいるところからはたくさん見えるのだけれど、その子達はあまり出歩かないし、健常児と同じ生活の場にいないことがほとんどなので、世間からはほとんど見えない。それが現実だ。

 あれほどワゴンにいっぱい買い物してきた西松屋で、初めて何にも買えずに出てきて、なんだか切なくなってしまって、冒頭のツイートの件に繋がったというのが今回のできごと。

 前開きの、伸びる素材の服がほしい。大好きな西松屋で買えたら、本当に嬉しい。割高でも、選択肢が少なくても構わないから、そういうコーナーがちょっとだけできたら、私は小躍りするし、娘を通して知り合った不自由仲間の皆さんにも、嬉々として宣伝する。技術的に、コスト的に、きっと難しいのだと思うので、もしもできたら、本当に嬉しいとだけ、伝えたいと思う。

 それはそれとして、私はよく通る道沿いにあるミミちゃんの笑顔に日々癒され、励まされているし、これまでもこれからも、変わらず西松屋を愛している。それは西松屋に愛があるから。子ども達とその家族への、愛と応援のエールを至る所に感じるから。人より少し多めに泣きがちな障害児の子育てにおいて、その存在がどれほどありがたく、励みになるものだったか。西松屋がお店作りに込めたであろう、愛や工夫の数々が、私のところまでちゃんと届いて、それらがどれだけ私を勇気づけ、支えてくれたかを、私は全力で西松屋に伝えたい。

 西松屋ありがとう。本当に本当にありがとう。私の少し特殊な子育ても、楽しく豊かなものにしてくれて。すぐ行けるところに、あってくれてありがとう。私はこれからも全力で、西松屋を推していきます。新しく親になった私の周りの人たちにも、西松屋の良いところをたくさんたくさん伝え続けていきますよ。

大好きな西松屋さんへ。
ありったけの愛をこめて。

私より。

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