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私の感じる問題が、世の中の問題とは限らない。

日本は、桜が咲き始めた頃だろうか。

4連休明けの私はというと、
朝から1日もらった資料を翻訳していた。

ニュアンスが日本語にないようなものも多くて、
なかなか進まない。

20ページを超える量。
これを翻訳だけに時間かけてる訳にもいかないから、今日は徹夜してなんとか翻訳を終わらせたい。

資料はデータとして数値化されて、
色々示されているが、
それは何をもとにどうやって調査したのか。
とか、甚だ疑問は多いのだが、
何せ言葉が分からないので、
なかなかその疑問の解明まで至らない。

実際に住み始めて2週間。

一番初日、ゴミはどうしたら良いかを
大家さんに聞いた。
大家さんは笑顔で「そこにポイでいいよ」
と、家の前に捨てるジェスチャーをしてくれた。

確かに、そこにはゴミが落ちていて、
よく鶏が漁りに来ている。

「郷に行っては郷に従え」
という言葉があるが、日本人の私は、
どうしてもポイ捨てをすることができない。

私からしたら、ゴミをポイ捨てすることは、
問題と感じるけど、
果たしてここにいる人たちには、問題なのか。

よく研修とかで耳にした、
「自分が問題と思っていることも、
そこに住んでいる人が問題と思ってなければ、
それは空回りするだけだ」という言葉が、
どうも心につっかえている。

私にとっての問題が、
ずっとここに暮らしてる人にとっての
問題とならなければ、
それは果たして問題として成立するのか。

ゴミはゴミ箱に捨てること。
小さい頃から植え付けられてきた常識のようなこと。
「ポイ捨て禁止」の看板も街に立っている。
そんな環境の日本で育ってきた私にとって、

そこらへんに落ちてるゴミや、
処理されないままのゴミ山は、
違和感でしかない。

なぜゴミをポイ捨てしちゃダメなのか?

その根本を私自身が説明できるかといえば、
割と難しい。

まあそんなこんなで、
育った環境が違うから、
私にとっての違和感は沢山あるのだけど、
ここにずっと暮らしてる人たちには、
それも含めて生活の一部になっている。

「人々の生活を良くするため」
そんなざっくりとした名目を肩にぶら下げで
この地に来たけど、

人々の生活を良くする

人々の日常を壊す
は、紙一重だなと感じた日だった。

専門家でもプロでもない
ただのボランティアとしての立場で、
私にできることは本当に限られている。

この限られた範囲の中で、
より多くの道筋を見つけるためにも、
自分自身も勉強しなければいけないと、
改めて日々思う。

農業に関しては無知すぎるので、
肥料のこと、防虫のこと色々少しずつ
勉強をしている。

たぶん、人生で1番刺激的な経験をして、
人生で1番勉強している時間だと思う。

まあ、一生に一回くらい、
必死になるくらい頑張る時間があっても良いよね。



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