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フルーツバスケット S1 ~18話 大切なのは…~

透と由希が雨宿りをしていると
びしょ濡れの潑春が歩いてきた。
潑春の腕の中には虎の子供。

かわいい猫だと思って
手を差し出す透は
手をガブリと噛まれてしまう。

***

紫呉宅にて。

虎の正体は十二支の1人で
名前は草摩杞紗。

中学に入ってから喋れなくなり
行方が分からなくなったので
潑春が探して見つけたが、
身体が弱って虎の姿になっていた。

透に嚙みついた杞紗に
ちゃんと謝れという由希。

話さない杞紗。

「杞紗は話せないよ。
中学でのいじめが原因で。」
と潑春が説明すると杞紗は
潑春をがぶりと噛む。

「痛えよ。なに。怒ってんの。
余計な事話すなってのか。
ふざけんなよお前。
こっちはどれだけ
心配したと思ってんだ。」と
真剣に怒る潑春。

杞紗は外に逃げ出してしまった。

パニックになりながら
杞紗を追いかける透。

***

「ずいぶん気にかけるんだな。
そんなに仲良かったっけ。」
と、由希が潑春に聞く。

「似てるから放っておけない。
1度何も話さなくなった由希に。
身体縮めて沈黙して自分を
守る事しかできなかった由希に。」

「やめろよ!!」と
声を上げる由希。

「そんなに怒る事かい?」と
紫呉が聞く。

「怒ることだ!!」と由希が返すと

「恥ずかしいの?」と
紫呉が少し悪い顔をしてからかうと
由希は居間から出て行ってしまった。

***

家の裏口へ逃げてきた杞紗。

透が杞紗の元へ駆け寄ると
杞紗はまた透の手に噛みつく。
痛みを我慢しながらも
とりあえず家に戻ろうと声をかける透。

そこへ杞紗の母親が来た。

「杞紗…。お母さん探したのよ。」

紫呉から連絡が来たので迎えに来たが
ひどく疲れたような顔つきをしている。

「ねぇ、あなた何やってるの。
周りに迷惑かけて。
お母さん困らせて楽しい?

何でいじめられてた事言わなかったの。
何で家出なんてするの。
どうして何も言わないの。

もう…。疲れた…。」

母親の話を聞いて
透がぽつりと言う。

「言えないです…。
いじめられているなんて…。
やっぱり言いづらいです。
私も言えなかったです。

でもいじめられていた事を
知られてしまって。

その時、何やら私は
バカみたいに謝って、
とても情けなくて…。
いじめられるような自分が
情けなく思えてきて…。
それをお母さんに知られたのが
恥ずかしくて…。
お母さんに嫌われたらと思うと怖くて…。

杞紗さんも同じ気持ちなのかもです。

嫌われたくなかったんですよ。
お母さんが大好きだから。
言えなかったんですよ。」

透の言葉を聞いて
母親は涙を流す。

杞紗も人間の姿に戻り
噛みついてしまった
透の指をなでながら涙を流す。

***

杞紗はしばらく紫呉の家で
預かることになった。

杞紗の母親も精神的に
限界が来ていたのもあり、
お互いに少しの期間
距離を取ろうという事に。

何より、杞紗が透にべったりなのだ。
(めちゃかわ。)

透の膝で眠る杞紗。
透と杞紗の母親の話を
陰で聞いていた由希は
膝枕される杞紗に
「いいな~。」と言って
自分も透の肩に寄りかかる。

「少しだけこうさせて。」
透は照れて赤くなる。
由希は透に心を溶かされた
杞紗と自分を少し
重ねているのかもしれない。

***

杞紗が居候してから3日目。

相変わらず透にべったりで
ひよこのようについてくる。
そんな杞紗を大好き!と
抱きしめる杞紗。

依然として言葉を発しない
杞紗だが、少しずつ
表情が柔らかくなり、
笑えるようになった。


***

学校にて。

透と由希、紅葉と潑春で
お昼ご飯を食べる。

話題は杞紗の事。

母親の方は大分落ち着いたのか
最近はよく透に杞紗の様子を
心配して電話してくるそうだ。

杞紗がいじめられた原因は
髪色や目の色。

物の怪憑きにとって
髪色が違うのは生まれつきで
仕方の無い事。

物の怪という事は話せないにしても
「生まれつきだから」と
説明しても無視されたり
杞紗が話すとくすくすと
笑われてしまうという。(涙)

紅葉はそういった事を
された事が無いが
想像すると悲しいと言って涙を流す。


由希は杞紗の境遇を
過去の自分とを重ねていた。

笑われるだけの自分。
そして臆病になっていき
何も言えなくなる。
それが周りをイラつかせると
分かっていてても。
目の前が真っ暗になっていき
心と言葉が死んでいく。

慊人に監禁されていた時の
自分を思い出す由希。


昼休みが終わる。
潑春が杞紗に渡したいものがあるので
今日も紫呉の家に行くという。

渡したいものとは
杞紗の担任の先生からの手紙。
(反吐が出る内容。)

***

紫呉宅にて。

担任の先生からの手紙を読む杞紗。
手紙の内容は

【そろそろ学校へ来ませんか。
クラスの皆も待っています。
先生も相談に乗るのでもっと
積極的に輪の中に入りましょう。

そして何より大切なのは
自分の良いところを見つけて
自分を好きになる事です。
だって自分を嫌っている人間を
他人が好きになるはずないでしょう。】

手紙を読んで本当に
反吐みたいな内容だという潑春。

少し緊張したような面持ちで
自分の話をする由希。

「俺…。俺も杞紗みたいに
話さなくなった時があるよ。

原因は少し違うけど、でも
自分が恥ずかしくて嫌いだって
気持ちは似ていると思う。

これ…、自分を好きになるって
それってどういう事なんだろう…。
良いところってどうやって
探すものなんだろう…。

嫌いなところしかわからない。
わからないから嫌いなのに。
無理やり探してもこじつけみたいで虚しい。

そういう事じゃなくて、
誰かに好きだって言ってもらえて
初めて自分を好きになれと思うんだ。

誰かに受け入れてもらえて
初めて自分を少し許せそうな…
好きになれそうな気がして
くると思うんだ。」

由希は透の笑顔を思い出しながら話す。


「…。うん…。
嬉しか…った…。」

杞紗が泣きながら言葉を発した。


「杞紗はこれからどうしたい?
このままで良いと思う?」
と由希が聞く。

「ダメ。ちゃんと頑張らなきゃダメ。
もっとどんどんダメな人間になっていく。
仲直りできなくても…
無視されても…
頑張らなきゃ…ダメ…。」

絞りだすように言葉を発する杞紗。

「そうだね…。
頑張ろう。俺も頑張る。
そしてまた悲しくなったり
辛くなったら、ここにおいで。」

優しく諭す由希。

「久しぶり。やっと声聞けた。」
杞紗を抱きしめる潑春。

***

バイト帰り。

「おねえちゃん…。」と呼ぶ声。
由希と杞紗が透を迎えに来てくれた。

初めて杞紗の声を聴いて
抱き着いて泣く透。


そして杞紗は学校へ行った。
駅で杞紗を見送る透と紅葉と潑春。

「由希も来ればよかったのにねぇ。」
「やらなきゃいけない事があるんだって。」

その頃由希は学校で
「生徒会長後任の件、お受けします。」

ずっと逃げていた事をやると決意していた。

杞紗も由希も
前に進むために戦っている。


18話終わり。

***

透に心を溶かされて
少しずつ救われている由希が
杞紗を救う構図が良かったなぁ。

先生の手紙も言っている事は
その通りなんだけど、
そこに至るまでが難しいよね。
自分を好きになれてたら
こんな苦労してないって…。

結局、同じ経験や気持ちを
味わった人同士でないと
わからない事もあるし。
かといってただお互いの
傷を舐め合っても変わらない訳で。
(身内ですし)

だから杞紗と由希だけじゃなくて
透という草摩家じゃない外部の
人間に受け入れてもらえたという
体験があった上でってのが
1番重要なんだろうな~。

由希はただ励ますんじゃなくて
最終的に杞紗が自分で
どうしたいかを聞いた上で
応援しているところも良いよね~。

*ここ好きポイント

◆杞紗たん。
かわいすぎん!?

透に噛みついて人間に
戻った時に手をさすってるシーンすき。
本当は優しい子なんや。
虎の姿もかわいい。
一緒に暮らしてくれ。
ニラ玉毎日作っちゃる。

最後潑春に抱きしめられた時に
頬をすりすりしているところも
かわいすぎる~。

声優さんの声もめちゃいい!!
イメージにぴったりすぎて
かわいいしか出てこん。

以上!!






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