予決研

官公庁で予算や決算・調達業務を9年経験。現在も予算・決算中心に研究しています!

予決研

官公庁で予算や決算・調達業務を9年経験。現在も予算・決算中心に研究しています!

最近の記事

千代田区の官製談合問題について⑤

こんにちは、予決研です。 千代田区の官製談合問題について続報があり、ニュースを賑わせています。 千代田区の官製談合問題についておさらいすると、 元区議から元部長に対して、入札情報の提供依頼をし、元部長が区の職員から聞き取りをして元区議に伝えていて、 ①元部長は入札関連の決裁ラインにはいなかった ②元部長の聞き取りに応じた他の職員は、入札関連部署の担当にいる ③本件で流出していた入札情報とは、具体的には、「入札に参加する業者の数」「最低制限価格に近い価格」 という内容でした。

    • 国際機関への拠出金が足りない⁈

      昨日の日経新聞に「国際機関への拠出金が足りない」という記事が出ました。 要は、円安のせいでドル建て予算の円建てでの負担が増加したので、国際機関への拠出金が確保できていないということのようですが、私はこの記事に違和感を持ってしまいました。 違和感は主に3つありますね。 ①予算不足だとしても、足元の円安は影響ではないのではないか? 政府が令和6年度に使う為替レート(支出官レート)は、令和6年度は1ドル139円、令和5年度は1ドル137円、令和4年度は108円。 令和5→6年度

      • 大津市の予算案ミスがあった件

        京都新聞によれば、大津市の予算案にミスが見つかったとのこと。 正直、ミスのレベルが低次元過ぎて、本当に確認したの?と思ってしまう。 ところで、国の予算案は内容もさることながら、体裁面も本当にシビアに確認する。 内容面では、前例や類似例を集め、関係法令も横並びも確認するし、理論立ても細かい。 体裁面では一行一行紙を折り、過去の予算書とあて、ズレやおかしな箇所などがないか確認を人をかえて何回もする。これをオリズリという。 こんなことをやってる人たちも内心、非効率な仕事だなー

        • 国の予算編成プロセス(要求・査定)①

          こんにちは、まだまだ裏金問題騒動は終わりそうにないですが、予算審議はとっくに消化試合と化している、予決研です。 新年度予算案については参議院での集中審議が続いていますが、衆議院通過で自動成立が決まったので、ホッとしている人も多いのではないでしょうか(予算案ができあがった時点でもう終わってる?)。 今回から何回かに分けて予算編成プロセスについて説明しようと思います。 ということで、まずはこちらの図から。 ちょっと実態と合ってないづらいところもありますが、よくできた図なの

        千代田区の官製談合問題について⑤

          千代田区の官製談合問題について④

          こんにちは、予決研です。 千代田区の官製談合問題について続報あり、ニュースを賑わせています。 千代田区の官製談合問題についておさらいすると、 元区議から元部長に対して、入札情報の提供依頼をし、元部長が区の職員から聞き取りをして元区議に伝えていて、 ①元部長は入札関連の決裁ラインにはいなかった ②元部長の聞き取りに応じた他の職員は、入札関連部署の担当にいる ③本件で流出していた入札情報とは、具体的には、「入札に参加する業者の数」「最低制限価格に近い価格」 という内容でした。

          千代田区の官製談合問題について④

          予算案年度内成立の話

          こんばんは、予決研です。 最近は自民党議員のパーティ券裏金問題で騒動になっていましたが、予算案の衆議院での審議が大詰めを迎えています。 例年2月末から3月頭は衆議院での攻防が激しくなりますが、それは衆議院で可決されて参議院に送付されれば、参議院で採決されなくても、30日経てば自動的に予算が成立する、と憲法60条に規定されているからですね。 具体的には3月2日までに、衆議院での可決、参議院への送付すれば、予算案は年度内成立するということになりますね。 これは笑い話ですが

          予算案年度内成立の話

          令和6年度予算(案)の話13〜法務省〜

          こんばんは、予決研です。 今回も令和6年度予算の話です。 ⬛︎1月26日に国会に提出された予算案から、法務省を取り上げたいと思います。こちらが予算の概要の抜粋です。 一般会計の令和6年度当初予算は8,133億円となっていて、デジタル庁や観光庁一括計上分を除いた法務省所管分が7,404億円となっています。 また、そのうちの内訳は以下のようになっています。 上の表を足し上げても1,400億円くらいで、合計8,000億円よりもかなり少ないんですが、除かれているのは人件費とか

          令和6年度予算(案)の話13〜法務省〜

          千代田区の官製談合問題について③

          こんにちは、予決研です。 千代田区の官製談合問題が報道され、ニュースを賑わせています。 元区議から元部長に対して、入札情報の提供依頼があり、元部長が区の職員から聞き取りをして元区議に伝えていたということです。 ということは、 ①元部長は入札関連の決裁ラインにはいなかった ②元部長の聞き取りに応じた他の職員は、入札関連部署の担当にいる と推測されました。 ちなみに本件で流出していた入札情報とは、具体的には、「入札に参加する業者の数」「最低制限価格に近い価格」とされています。

          千代田区の官製談合問題について③

          千代田区の官製談合問題について②

          こんにちは、予決研です。 最近、千代田区の官製談合問題が報道され、ニュースを賑わせています。 前回のおさらいですが、朝日新聞では官製談合の構図を次のように説明してます。 元区議から元部長に対して、入札情報の提供があり、元部長が区の職員から聞き取りをして元区議に伝えていたということです。 ということは、 ①元部長は入札関連の決裁ラインにはいなかった ②元部長の聞き取りに応じた他の職員は、入札関連部署の担当にいる と推測できます。 ちなみに本件で流出していた入札情報とは、具

          千代田区の官製談合問題について②

          千代田区の官製談合問題について

          こんにちは、予決研です。 最近、千代田区の官製談合問題が報道され、ニュースを賑わせましたね。 官製談合防止法違反の疑いで警視庁に逮捕された区の元行政管理担当部長は東京新聞の取材にこう答えていたとのこと。 部長は、情報漏洩はおかしいと思いながらも、区の幹部から今までもそうしてきたから対応してくれと言われたから、断れなかったと言ってますね。 区内の組織的かつ継続的で相当根深い問題ですね。 今回は、官製談合と再発防止策について考察していきます。 最初にこのニュースを聞いた時

          千代田区の官製談合問題について

          令和6年度予算(案)の話12〜総務省と自動運転と基金〜

          こんばんは、予決研です。 今回も令和6年度予算の話です。 ⬛︎1月26日に国会に提出予定の予算案から、前回に引き続き、総務省を取り上げたいと思います。こちらが前回も取り上げた予算の概要の抜粋です。 デジタル基盤整備という項目に令和6年度当初予算では507.3億円計上されています。 その中には⑴(a)「光ファイバの整備の推進」48.9億円や(b)「5G等の携帯電話基地局の整備促進」33.0億円がありますが、 今回は、⑵ 「自動運転・ドローンの社会実装を促進するためのデジタ

          令和6年度予算(案)の話12〜総務省と自動運転と基金〜

          令和6年度予算(案)の話11〜総務省と国際放送〜

          こんばんは、予決研です。 今回も令和6年度予算の話です。 1月26日に国会に提出された予算案から、前回に引き続き、総務省を取り上げたいと思います。こちらが前回も取り上げた予算の概要の抜粋です。 前回は、放送コンテンツ共通プラットフォームでムダ遣いが起きてるんじゃないかと言いましたが、 今回は、(c)国際放送の実施について触れます。 上図の1番下(c)国際放送の実施を見ると、令和6年度当初予算は35.9億円、令和5年度当初予算も35.9億円となっています。この金額が日本

          令和6年度予算(案)の話11〜総務省と国際放送〜

          令和6年度予算(案)の話⑩〜総務省と放送とムダ遣いと〜

          こんばんは、予決研です。 今回も令和6年度予算の話です。 1月26日に国会に提出予定の予算案から、前回に引き続き、総務省を取り上げたいと思います。こちらが前回も取り上げた予算の概要の抜粋です。 デジタル実装による課題解決という項目に令和6年度当初予算では16.5億円計上されています。 前回は、⑵(a)「デジタル時代の放送制度の検討」について触れましたが、今回は、⑵(b)「放送コンテンツの制作・流通の推進」。 令和6年度当初予算は2.6億円、令和5年度当初予算は2.5億円計

          令和6年度予算(案)の話⑩〜総務省と放送とムダ遣いと〜

          令和6年度予算(案)の話⑨〜総務省と放送〜

          こんばんは、予決研です。 今回は令和6年度予算の話第9弾です。 昨年12月22日に令和6年度予算案が閣議決定されましたが、年明けの地震を受け、1月16日に予備費を5,000億円から1兆円に引き上げた予算を再度閣議決定した上で、1月26日に国会に提出予定です。。 各省庁と予算査定をしている財務省から、各省庁の予算(案)のポイントを説明する資料がHPにアップされています。 前回に引き続き、総務省を取り上げたいと思います。 デジタル実装による課題解決という項目に令和6年度当初

          令和6年度予算(案)の話⑨〜総務省と放送〜

          令和6年度予算(案)の話⑧〜総務省とテレワーク推進〜

          令和6年度予算の話第7弾です。 昨年12月22日に令和6年度予算案が閣議決定されましたが、年明けの地震を受け、1月16日に予備費を5,000億円から1兆円に引き上げた予算を再度閣議決定した上で、今年1月の通常国会に提出されます。 各省庁と予算査定をしている財務省から、各省庁の予算(案)のポイントを説明する資料がHPにアップされています。 例えば、総務省予算はこんな感じです。 総務省所管予算は令和6年度当初は18.2107兆円で、令和5当初予算は16.8625兆円と、対前

          令和6年度予算(案)の話⑧〜総務省とテレワーク推進〜

          令和6年度予算(案)の話⑦〜政府広報〜

          令和6年度予算の話第7弾です。 昨年12月22日に令和6年度予算案が閣議決定されましたが、年明けの地震を受け、1月16日に予備費を5,000億円から1兆円に引き上げた予算を再度閣議決定した上で、今年1月の通常国会に提出されます。 ちなみに閣議決定日には、各省庁と予算査定をしている財務省から、各省庁の予算(案)のポイントを説明する資料がHPにアップされています。 例えば、内閣府の広報経費を見ていくと、国内への広報経費が47.07億円、令和5年度予算47.31億円から微減です

          有料
          300

          令和6年度予算(案)の話⑦〜政府広報〜