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鏡餅

毎年お正月前に購入する鏡餅。実は今まで一度も、意識して食べ切ったことがなかった。

多分、家内か、子供たちか。誰かが食べ切ってくれているはずなのだが、それが意識して私の口の中に入ることはなかった。今まで一度も。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

なんだか、夏くらいまで、鏡餅、そのまんま放置されているのが、毎年の出来事のような気がするけど。


今年は、ちょっと意識して。家内がプロジェクトに参画して家に普段いなくなってから、妙に気になってきて。生まれて初めて、意識して鏡餅を食べきることにした。

この鏡餅の上に、確か、龍のフィギュアが乗っかっていた


裏っかえすと、ちゃんと餅が入っていた。

ほう、4月までもつんだ

中には、小さな切り餅が4片入っていて。それを2日にわけて、夕飯に、食べ切った。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

やった、やった、とうとう食べ切ったぞ!


ところが。


冷凍庫を眺めてみると、隅っこの方に、いつのものだかわからないくらいの、鏡餅の欠片や、いつ保管したかわからないようなあんころ餅が、ジプロックに入って、カチカチになって、見つかった。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

さっちゃん(注1)は、ジプロックに入れて冷凍庫に入れていれば、未来まで持って行けると思い込んでいるね。


そうなのだ。


食材は、意識して時間の経過したものから食していかねば、それは永遠に冷蔵庫に居座ることになり、いずれ朽ち果てるのだ。


そんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、空のソファーが、静かに笑っていた。


先日から家内は、あるプロジェクトで都心のホテルに泊まり込んでいる。

シーンとした部屋の空気に、なんだか、心が追いつかない。






昼間のやりとりからすると、家内は、元気なようである。

家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。


(注1)さっちゃんとは、家内のことである。別名、女王陛下という呼び名もある。


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