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ショートショート_おもてなし

春と風には密接な関係があるようだ。春一番というのはよく聞くが、こちらはもう2週間以上前に聞いた気がする。それからも、風の強い日が何日かあって、もう、春何番が吹いたんだろうなんてピンボケしたようなことを思ってしまう。今日は少し寒いが、よく晴れている。

そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。


さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「春と風」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【突然の猫ミーム】で。裏のお題が【据え膳の猫ビーム】ということだ。

むむっ。ミームとは?私は、そこからだな。


お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。

また、今回は、shibakaorukoさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。

風に纏わる、短いが、良い作品だと思った。

春一番は、こちらでは、もうかなり前に吹いたと聞いている。

風が強い日に、いろんなものが飛んで行って。また、木の枝とか、いろんなものが飛んできたりする。

shibakaorukoさんの作品を読んで、情景が自然に浮かんできた。

最近、家内が仕事で家を空けることが多くなり。慣れぬ家事を自らやり始めている。やってもやっても終わらない家事。洗っても洗っても出てくるお皿、お箸、洗濯物。

フーッとため息をつくのだ。いつ終わるのか、なんて思って。

shibakaorukoさんのこの記事を読んで、改めて思った。そうやって延々続くことが、生きているってことなんだろと。

椿や楓の小枝。生きている証、なのかも知れない。そう、思ったのだ。

生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。


うむ。


これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まあな。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?

うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。


私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「おもてなし」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

春と風はつきもの。だが洞窟内は無風で。教授の机の上のランプの火はまっすぐで横のベッドには泉が寝息をたてている。


意を決して涼は教授に言った。

「私をアジトに転送してください」

「3分の猶予しかない。これをつけていきなさい」

涼はスマートウォッチを装着し即座に敵のアジトに飛んだ。



そこは豪勢な応接広間だった。

大きなモニターに映像が永遠にループされていて。

「世界征服だニャン!」

世界有数企業のヴェルツカッツェ社は、悪の枢軸の仮の姿だったのだ。


途端に、警報が鳴り響き。全ての柱にある猫の装飾が殺人光線を炸裂させた。

華麗にかわして飛び回る涼。逃げつつも悪辣封印弾を炸裂させた。

ボムッ!


このツールは、悪の装置や設備と人の感情や記憶を異次元に封印して飛ばす。


アジトは壊滅。

無垢な工作員たちが山中に残された。



洞窟に戻った涼は、机に向かいお子様ランチを食べる泉に見つめられていた。

「お兄ちゃん、だぁれ?」


「泉は今、催眠状態にある」

教授は言った。


☆         ☆         ☆




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