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富士フイルムLASEREO内視鏡

富士フイルムのレーザー光源の内視鏡システム・レザリオ(LASEREO)を試用する機会がありました。今消化管の内視鏡機器を作っているメーカーはシェアが上の順からオリンパス、富士フイルム、ペンタックスとあり、今まではオリンパスが大きいシェアを占めていたのですが、経鼻内視鏡で先行した富士フイルムが凄い勢いでシェアを占めるようになってきています。

内視鏡はスコープの先端に超小型のレンズとCCDセンサー(最近はCMOSイメージセンサー)が仕込まれていて、ファイバーを接続する根元の光源装置にキセノンランプがあり、長いファイバーの中のグラスファイバーで先端に光を送っていました。この新しい富士フイルムのレーザー光線を使った内視鏡はキセノンランプの代わりにレーザー光を用いて、消費電力をキセノンランプの約1/30に抑え、しかもランプの寿命を考えなくて良いという画期的なシステムです。詳しくは2種類の波長のレーザー光を発振して、1種類のレーザー光は蛍光体に当ててうまく白色に光るように光を調節しており、もう一方のレーザー光の出力を調節することで、粘膜表面の微細な血管を見えやすくしたり、粘膜の発赤を強調したりして診断性能を高める工夫をしています(特殊光観察)。画質は最新のオリンパスの内視鏡システムと同等以上で、特殊光観察機能では明るさや機能で上回っている部分もあります。

上部消化管内視鏡は先端部径5.8mmの経鼻用のものと9.8mmの光学拡大機能が付いた経口用のものが選べ、大腸用のスコープもあります。

内視鏡のシステムは世界初の胃カメラ(ガストロカメラ)を開発したオリンパスが先行していましたが、最近は経鼻内視鏡を先にリリースしたり、レーザー光源装置を先に開発した富士フイルムの躍進がめざましくなってきています。デジタルカメラで培ったノウハウを内視鏡に応用し、オートフォーカスはもちろん、手ぶれ補正機能までついています。

大腸用スコープはオリンパスが内視鏡スコープの硬度可変機能や先端弯曲部の受動弯曲機能などで先行していましたが、この機能も富士フイルムはまず内視鏡が大腸の曲がりに合わせて受動的に曲がる機能をオリンパスに続いて搭載し、内視鏡の硬さを調節する硬度可変機能搭載スコープについても今後発売されるのは時間の問題と思われます。

これからは医療用の消化管内視鏡もオリンパスの独壇場というわけには行かなくなってきているみたいですね。

#消化管内視鏡 #富士フイルム #レザリオ #LASEREO

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