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忘備録:尊厳について:嘆きのマリア


私が嘆きのマリアに馴れ馴れしいのは、私が彼女の尊厳を認めていないからである。

マリアさま、私は尊厳を失いました。私が自ら捨てたのです。

私は娼婦となり、自分の肉体を売りました。妊娠したら堕胎しました。
私は人を殺し、自分が生き延びました。
私は病人から盗み、自分を飾りました。
私は怪我人を見捨て、自由を楽しみました。

マリアさま、私は尊厳を捨てました。
尊厳を棄てることが、私が私として生きる唯一の方法だと信じていたからです。

マリアさま、
私は殺されることは尊厳を奪われることだと思っていたので、
自分が殺されると思った時、自分の持てるものの全てを生贄として差し出しました。

マリアさま、
私が嘆くのは、私が私を殺したならば、生贄を捧げた相手は誰なのか、それは私自身なのだ。

私の血に濡れた両手をあなたに差し出す時、どうか赦しをください。

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