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やっぱり「高円寺アンダーグラウンド音楽」は難しい。「地下生活者周辺」「たま界隈」の新名称を考える

こんにちは、安藤さやかです。
先日、<地下生活者の夜>周辺の音楽シーンを「高円寺アンダーグラウンド音楽」と呼称しませんか?という記事を公開いたしました。賛否両論でした。

記事の内容を簡単にまとめますと、

1.「たまみたいな音楽をもっと聴きたい!」という時、ジャンル名が無いのは不便

2.そこで「高円寺アンダーグラウンド音楽」という名称を提案したい

3.定義は<地下生活者の夜>周辺かつ幾つかの条件に当てはまるアーティスト

4.使うかどうかは自由だが、ぜひご一考いただきたい

というものでした。

しかしやはり、「高円寺アンダーグラウンド音楽」という呼称については再考する必要があると考えています。具体的には主に以下2点のご指摘をいただきました。

・<地下生活者の夜>出演者周辺に限定するならば「地下生活者周辺」でも良いのでは?

・高円寺で活躍している他のアンダーグラウンドなアーティストはどうするのか?

ご指摘の通りだと思います。
私自身、前回の記事を書きながら「この定義だと『地下生活者周辺』で良くない?」と考えていた部分もありまして、そのことについての釈明も含めて、今回は再提案の記事とさせていただきます。

1.なぜイベント名ではなく「高円寺」を冠したのか

前回記事「定義」の部分では、下記の条件を並べました。

必須条件(いずれか1つを必ず満たすもの)
・<地下生活者の夜>に出演したアーティスト
・<地下生活者の夜>の出演者と強い縁があるアーティスト
・<地下生活者の夜>の出演者をメンバーに含む集団
・<地下生活者の夜>の出演者に大きく影響を受けているアーティスト

このうち、上3つについて「それなら『地下生活者周辺』で良いのでは?」というご指摘を頂いております。

しかし問題は4つめ、「<地下生活者の夜>の出演者に大きく影響を受けているアーティスト」という定義です。
これは「日本には一度も来たことが無いが、ネットで石川浩司の演奏動画を見て類似する活動を始めたアメリカのアーティスト」を含むことができる定義となっております。

このアーティストは音楽的に「同じジャンル」と分類されますが、「地下生活者周辺か」と言われると、心情的には微妙なところです。

ここまで<地下生活者の夜>から離れている(が、音楽的には同一分類となる)アーティストを含めようとした場合、イベント名を冠することは躊躇われます。一方、含めないと当初の「たまみたいな音楽を他にも聴きたいと思った時の検索ワード」という目的から外れてしまいます。

また、何も知らない人が「地下生活者周辺音楽」という文字列を見たとき、第一印象が「地下で暮らしている人の間で発展した音楽」になるのではないか、ということも懸念点のひとつです。

このとき、「世の中でまだ使われていない呼称」かつ「広義に解釈でき、文字列としてシーンを想像できる呼称」、そして「これから音楽を始めるアーティストも気軽に名乗ることができる呼称」として「高円寺アンダーグラウンド音楽」という名称を創作しました。

(ちなみに「地下音楽」はパンク系の方面で既に使われている模様)

2.しかしやっぱり「高円寺アンダーグラウンド音楽」はムリがある

地名を冠する音楽ジャンルは「リヴァプール・サウンド」「西海岸ロック」「渋谷系」などがありますが、これらはその土地にいないアーティストにも使用されており、かつ「渋谷で活躍するアーティスト≠渋谷系」という区別がついています。
要するに「リヴァプール生まれ・アメリカ西海岸在住で来日歴0回の渋谷系アーティスト、ジョン・スミスさん」が存在できる名称です。

ただ、これから新たに「地名ジャンル」を作る場合、同じ土地で活躍する近縁アーティストへの配慮が必要になるでしょう(「リヴァプール・サウンド」等の単語が生まれた際にも同じ議論があったとは思いますが)。

今定義での「高円寺アンダーグラウンド音楽」は高円寺周辺で発達した独自のアンダーグラウンド音楽のことで、従来のアンダーグラウンド音楽とは違うものですが、「高円寺にはそもそもアングラなミュージシャンが多い」ことが名称への大きな懸念点となっています。

一方、イベント名<地下生活者の夜>を冠することにも、「縁者やフォロワーも“地下生活者”に含めて良いのだろうか」といった問題点があります。
さらに、これから音楽を始めるアーティストが「地下生活者周辺音楽をやります!」と気軽に名乗れるかどうか?という観点でも、抵抗があるだろうと思います。

また、名称を作る主目的のひとつである「(SNSでの)検索利便性」という面で「地下生活者界隈」はあまり相性がよくなく、Twitterでは現状「地下アイドル周辺界隈」と混ざっています(Twitter検索は「一般名詞を組み合わせた漢字だけの単語」が勝手に単語ごとに分かれてしまいやすい)。

3.やはり「存在しない名前を新たに作りだす」ことが最善策

上記の問題点から「高円寺アンダーグラウンド音楽」も「地下生活者界隈(ほか、<地下生活者の夜>を冠する名称)」も使いづらいと考え、現在は新たな名称を模索しています。
本記事をお読みいただいた皆様にもご意見をいただきたく思いますが、下記のポイントをご考慮いただけますと幸いです。

・SNSでの検索利便性が良いこと(他単語と混ざらないこと)

・新人ミュージシャンが自称しやすい名前であること

・<地下生活者の夜>に出演していないアーティストも分類/自称しやすい単語であること

私が考えているものは下記の名称です。

■サブタレイニアン・ミュージック
サブタレイニアン……地下の/地下に住む。「アンダーグラウンド」とほぼ同義。直訳で「地下生活者の音楽」。
「サブタレ音楽」と略しやすいのが利点。意味的にはそのまんま「地下生活者周辺音楽」ですが、英語にすることでイベントそのものズバリのイメージを抑え、<地下生活者の夜>に出演していない方も分類/名乗りやすい、広義なイメージを持たせています。
また、この単語は現状この世界では使われていません=1シーンで独占できる単語です。ジャンル名として使用しやすいという利点もあります。

「サブタレイニアン音楽の中心ともいえるこのアーティストは~」
「サブタレ音楽界の新星として2022年に突如現れた~」
「このアイドルは王道を歩みつつどこかにサブタレイニアン・ミュージックの雰囲気を持つ」

……といった感じで使うことができるかなと思います。

しかし、あまりに単語が一般的ではないことが大きな懸念点でもあり(だからこそ検索利便性はめちゃくちゃ良いのですが)、ご意見いただきブラッシュアップしていきたい部分ではあります。

ひとまず暫定的には「サブタレイニアン・ミュージック(仮)」を使っていきたいとおもいますので、何卒宜しくお願い致します。


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