見出し画像

洋楽の邦題に関するアレコレ

前回、ソニーの邦題について書いたのですがおまけの話を少々。

あっさりしすぎだろ

ビリー・ジョエルの邦題についての追加。76年発表の「ニューヨーク物語」(Turnstiles)収録の"All You Wanna Do is Dance"の邦題は…。

「踊りたい」

…いや、まあそうなんだけどさ。

コロコロ変えられた邦題

よくあるのは、シングルになる際に元の邦題が変えられるケース。
カルチャー・クラブの大ヒット曲、「君は完璧さ」(Do You Really Want to Hurt Me)は最初は「冷たくしないで」でしたが、シングルになったときに「君は完璧さ」に変えられました。「冷たくしないで」の方が原題には近いんですけどね。

過去には3回タイトルが変わった例も。それはポール・マッカートニーの"Maybe I'm Amazed"。
70年のファースト「マッカートニー」に収録されたときは「恋することのもどかしさ」、76年のウィングスの3枚組ライヴ盤「ウィングス・オーバー・アメリカ」(そう言えばこれも最初は「ウィングスU.S.A. ライヴ!!」だった)に収録され、シングルカットされたときには「ハートのささやき」、そして現在は原題の「メイビー・アイム・アメイズド」に。
東芝さん、ちゃんとやってよ。

長ったらしい邦題

前回の記事でもシカゴの「いったい、現実を把握している者はいるのだろうか?」(Does Anybody Really Know What Time It is) を挙げましたが、ソニーはキャロル・キングの71年作「ミュージック」でもやらかしています。

「しなやかな冬の若木の小枝のようになりたい」(It's Going to Take Some Time)

…はい?
と言いたくなるような邦題ですが、後にカーペンターズがカバーしたときには、キング・レコードが「小さな愛の願い」に変えておりました。そりゃそうだろうなぁ。

気が触れたようなOMDの邦題

2013年のOMDのアルバム「English Electric」は、その邦題の酷さでファンの激怒を招きました。まあどんなものか見てもらいましょう。

電気仕掛けの英吉利人(原題:English Electric)

  1. 座ったままでおk

    • 原題 : Please Remain Seated

  2. 地下世界

    • 原題 : Metroland

  3. 夜のキャフェー

    • 原題 : Night Café

  4. 言わザル未来

    • 原題 : The Future Will Be Silent

  5. トロイの木馬

    • 原題 : Helen of Troy

  6. ワテらシステム

    • 原題 : Our System

  7. 機械にチュウ-Kissing The Machine

    • 原題 : Kissing the Machine

  8. 10数えると××になります

    • 原題 : Decimal

  9. いっしょにいてくれや

    • 原題 : Stay with Me

  10. ドレスデンの悲劇

    • 原題 : Dresden

  11. 原子力農場

    • 原題 : Atomic Ranch

  12. 〆歌

    • 原題 : Final Song

  13. 燃刻 (Bonus Tracks For Japan)

    • 原題 : Time Burns

  14. 偉大なり白き沈黙 (Bonus Tracks For Japan)

    • 原題 : The Great White Silence

いいですね、この正気を失ったかのような 素晴らしい邦題の数々(棒読み)。
このトチ狂った 邦題を作ったのは編集者・ライターの熊谷朋哉氏。熊谷氏によれば、洋楽が売れない時代にはとにかく目を引く・話題にならなければならないという勘違い 危機意識からだったらしいです。いやあ時代の先端に携わるプロモーションを担当する方はやはり頭おかしい すごいですね。まあOMDファンを怒らせただけで大して話題にもならなかったんですけどね。二度と関わんな、ボケ。

あ、このOMDのアルバム、ソニーから出てたんだ…。

(今回、一部に大変お見苦しい表現があることをお詫びいたします)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?