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ヘチマで回っていた夏休み🌻


今の季節とは真逆の夏休みの話を思い出した。

私は夏休みのラジオ体操に行ったことがない。
うちの家庭は家族全員朝型人間で、休日でも朝6時半頃までには全員起きていたので、朝起きれないからとかそういう理由ではない。 せっかくの長期休みに朝から知ってる人間と顔を合わせて、どういう顔をしたら良いか分からないし、「景品貰えるのに〜」と友達によく言われたものだが、景品だって欲しくなかった。 


小学校3年生の夏休み、学校で育てていたヘチマの水やりに任命された。そういうのに立候補するタイプではないので何故だったかは覚えていない。
なんだかワクワクして、ヘチマに水をやりに行くのが毎日の楽しみになっていた。(厳密に言うと確かもう1人と交代だった気がするので2日に一回くらいかな?)

家から学校までは幸い6.7分で着くような距離だった。ラジオ体操に行ったことない私が、朝7時頃には家を飛び出して、全力疾走で学校まで水をやりに行っていた。
恐らくちょっとニヤけてたと思う。
だってある日、水やりに行く道中ですれ違った上の学年の子に、「歌うたってる、可愛い~」と言われて、ハッとしたもの。恥ずかしい。
草木や花に詳しいわけでもないし、むしろ植物には全然興味がないのに、完全にあの時期の私の中心はヘチマだった。

学校へ行き来する道のりも、誰もいない温室の温さも、たくさんぶら下がったヘチマも、ホースから勢いよく噴射される水も、全部気持ちがよかった。大好きだった。
あの夏休みの匂いをもう一度嗅ぎたいなあ

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