真山仁さん著作の「疑う力」はとてもおもしろい本でした。 テーマごとにショートストーリーが始まり、ストーリーの場所がカクテルバーなんです。 とても興味深い点は、今日から始まる日中韓首脳会議のぼくの思うところが１８０度変わって見えてきたという事ですね。
元町中華街駅からニューグランドホテルへ、伊達ひろしは歩いていた。 今日はヒューゴボスのスーツを久しぶりに着用していた。 ひろしはすでに古希70歳だが、身長が180センチの長身でスラリとした身体をしており、全く70歳には見えない。スーツの内ポケットにはアメックスゴールドの入った薄いカードケースとハズキルーペを忍ばせている。 ホテルのレストランからは港の美しい夜景が見える。彼女のレン(蓮)とはホテルのラウンジで待ち合わせをした。 「パパ、ここよ。」ラウンジのソフ
ゴールデンウィークも過ぎた日曜日、株式会社ヒーローズ代表取締役椎田ヒロシは疲れた身体に違和感を感じ、自宅の千葉県柏市から自動車でおよそ2時間かかる栃木県Ｋ市の温泉施設に行ってみようと考えた。 不倫相手の寿美礼も誘ってみよう。 その温泉施設は、かつて第三セクターが運営する施設であったが、経営が赤字だったために民間企業に払下げになった温泉施設であった。 「これから出発するの？いいわよ。ゴールデンウィーク中は、お店の『ラウンジ桜』が暇すぎて週の後半は休みだったの。」
多感な思春期に読んだ本は年を取った今でもぼくに影響を及ぼすものだ。 片岡義男氏の 彼のオートバイ彼女の島にぼくが出会わなければ、もう少し平凡な、ごく普通の人生を歩んでいたに違いない。（？） まあ何事も人のせいにするな、は、人生哲学ではある。 ぼくの、ぼくだけのミーヨはどこだ、どこかに必ずいるはずだ。思い込みの激しいぼくはいまだに独身のままである。 もう40年前、二十歳の頃、憧れのＷ650RSに乗らせてもらう機会があった。 「ぼくちゃん、ちょっとだけＷを貸して
まずい またあの夢を見てしまった。 あの夢を見ると途中で目が覚めて朝まで眠れない。 その夢は相模原の上溝から町田まで続く巨大な建物ができて超長い動く歩道で道に迷う。夢の中では必ず晴れた日でストーリーも同じ。あの夢を月に数回見る。眠れる音楽を聴くが全然眠れない明日忙しいのにまったく
「社長、現実を見据えてますか？」銀行担当者は言った。 「株式会社ヒーローズはコロナ禍以前にリスケ、つまりリスケジュールをされていて、一億円の融資において、元本の月々50万円の返済になってます。利子分は未返済のままですよ。コロナ禍中のゼロゼロ融資で会社は息をしていますが、ゼロゼロ返済期間は迫っています。」 株式会社ヒーローズ社長のである椎田ヒロシは、頭から汗が吹き出すような感覚を覚えたが、実際には汗は出ていなかった。何か少し頭が痺れるような嫌な感覚に陥った。これがひり
「椎田さん、ゼロゼロ融資の借り換えを私どもの銀行がサポートしますよ。金利は14%になりますが。」 「ちょっと待ってください。その金利はないのではないですか？」 「その分、長期に渡り低額で返済できますので、生きているうちに完済できますよ。このままでは完済は難しいですからいずれ破産でしょう。 それとも私どもの他に手を差し伸べる銀行さんがあればそちらで構わないのですが。」 たしかにこのまま経営がうまくいかずに仮に倒産して自己破産したとしても、民間企業借入れの場合、5年経
「皆さま、本日は株式会社ヒーローズの花見会にお集まりいただき誠に有難うございます。今日は存分に満開の桜の下でお楽しみください。」 株式会社ヒーローズの代表取締役である椎田ヒロシは3月末の決算期を終えて数十名の社員の慰労会を兼ねた花見会を催した。 コロナ禍をなんとか乗り越えて順調に会社は成長していた。 椎田ヒロシは日焼けした肌に白い歯で笑顔を見せた。年齢は若作りもあって実際の年齢よりも若く見える。 株式会社ヒーローズの社員は半数が女性社員である。社員は社長の話を聴きなが
ブライアン・デ・パルマ監督の愛のメモリーという映画を観たのですが、ストーリーの組み立ての旨さに、自分が何かを書くことが怖くなりました。
ある女子がマスクをすると口元がたるむから嫌だと言っていて、本当かな、逆に引き締まるのでは？と思っていたが、マスク生活3年が経ち見事にたるんで口元がサンダーバードの人形に似てきた。ぼくは、まあ特に嫌じゃない。
ロマンスは、葛藤で始まり慰謝料で終わる。 #書き初め２０字小説
目標など必要がない。 #書き初め20字小説
〜最新の総務省統計局データによると、日本人の総世帯数は、約5400万世帯、うち、6０%の3240万世帯が持ち家世帯である。 持ち家世帯の中で住宅ローンが残っている世帯は、全世帯数の40%の1296万世帯、住宅ローンが終了した世帯は1944万世帯である。 世帯での資産対負債を見ると、住宅ローン世帯は負債額が多く、650万円の借金、住宅ローンの無い世帯は、資産額が多く、平均＋1600万円の貯金額となっている。 ちなみに現在、全国の住宅総数は6240万戸となっている。〜
ー 寝て起きたら還暦だった。ー とうとうおれも還暦を迎えた。 いつまでも若いつもりであったが、50歳を過ぎたあたりから老化の症状が現れていた。体調もそうだが、最もショックだったのは、電車で小さい子供に席を譲られた事だった。 「お爺さん、どうぞ。」 目の前のこの子は誰の事を言っているのだ？ 私は混乱した。 「すみません。ほら、いくよ。」 隣に座っていた母親が子供の手を引き電車を降りていった。 家に帰ると年金定期便なるものが届いていた。この家はおれのお爺
新撰組から逃亡した剣士は死罪である。 新撰組としては面子があるので必ず見つけて罰したい。 椿は両手の拳をしっかり握りしめて両足を踏み締めながら一歩一歩江戸に向かった。 椿は太陽に照りつけられながら熱された砂利の道を進んだ。服は汗で肌に張り付いた。日の高い時間は木陰でじっとしている。汗が滝の様に背中を伝う。 椿は夕暮れになるとまた歩き出した。自分の足元を見下ろす。泥道では自分の足跡を残さないように気をつけて歩いた。 椿は飯を食べなかった。別段に腹は減らなかった
人類の未来宇宙移住計画。地球の資源は有限なので、いつか人類は地球外に移住しなくては生き残れないらしいです。最近の宇宙ロケット開発をニュースで見る限り、人類が他の惑星に移住生存するのは、可能性はかなり低いとの事。 その代わりにインターネット上に人類を移住させて、永遠に生存させるという話をユーチューブで観ました。 人間のインターネットへの意識の移動はどうするのかというと、脳にチップを埋め込み、短時間ずつネット内に行ったり来たりするうちに、意識は完全に移行できる(様な気にな
