Green Day

買い物を終えた私は、ショッピングモールのガラスに映った自分の姿を見てふと気がついた。

緑色のロンTを着て、緑色のエコバッグを携えている。

通りすがりに私を見た人は、反射的に「あっ、緑色が大好きでしかもそれを対外的にアピールしたいタイプの人だ」と感じるのではないか。

しかし、それは事実ではない。
私は自分の好きなものを他人に開示することが好きではない。

残念なことに、私の人生には無神経な人間が多く登場してきた。そして、そういう人たちの心ない言葉をかわすために、歪な認識が根付いてしまった。

それは、「自分が好きなものをオープンにする＝イジる隙を与えることになる」というものである。大袈裟に言えば、相手に自分の情報を掴まれたら負け、という世界だった。

そんな事情もあり、わかりやすくグリーン大好きおじさんと化した自分を見た時、「迂闊にも隙を与えてしまった」と大いに反省した。

私はこの文章を、緑色のパッケージの豆乳を飲み、緑色のタッパーに入れた胡桃を食べながら書いている。一日に二度も隙も与えてしまうとは、あまりにも気が緩んでいる。連休には魔物が棲んでいるぞ。

ちなみに緑色は好きです。