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「超能力者は実在するか?」スプーン1本で世界を騒がせた男ユリ・ゲラー

「僕の昭和スケッチ」画234枚目

<「マジシャンか超能力者か」 © 2023 画/もりおゆう 水彩/ガッシュ 禁無断転載>


昭和の御代にスプーン一本で世情を騒がせた人物、ユリ・ゲラー。

「彼は本当の超能力者だ・・・!」
「いや、いや、あれは単なるマジックだ!」
彼の登場によって沸き起こった超能力ブーム。1870年代後半だ。
瞬く間にユリ・ゲラーは時代の寵児となった。

さて、ではユリ・ゲラーとはそもそも一体どんな人物だったのだろう?
今なら検索すれば立ち所に彼の経歴が分かる。だが、当時は無論今のようなネット社会ではなく、情報は非常に限られた物だった。騒がれてはいるものの、生い立ちや経歴なども多くを語られず、彼はベールの向こう側にいた。だが、現在はインターネットが彼の経歴を容易に明かしてくれる。

<ユリ・ゲラー>

1946年、イスラエルの生まれでハンガリー系ユダヤ人。
20歳過ぎの頃に、奇術を研究し、友人と共にナイトクラブや個人的なパーティなどで超能力ショーを始める。だが、稚拙でクラブの支配人から訴えられ、国内で奇術ショーが出来なくなる。
1972年、アメリカの超心理学者プパーリックの招聘で渡米する。同年、彼の超能力テストが行われたが厳密なテストを前に彼自身が終了を宣言した。
1974年、UFO/超常現象研究家「矢追純一」の招きにより来日し「11PM」や「木曜スペシャル」でスプーン曲げなどを披露し超能力ブームの火付け役となる。

・・・こう見ると「ホラ、やっぱり超能力者なんぞではない。やっぱりマジックだったのだ、私たちは騙された!」となる(笑)

だが、2017年になるとCIA(米国中央情報局)の極秘資料が公開される。
その資料中のCIAによるテストで彼の超能力は概ね説得力のあるものとして評価されている*。

<個人的に不思議な体験>

さて、ユリ・ゲラーの件はともあれ僕には個人的に不思議な体験があり、一概にスプーン曲げをマジックだと思えないところがある。

僕が親しくしていた同郷の友人にAさんという方がいる。Aさんは社会的にも人間的にも信用のできる方で、もちろんマジシャンでも何でもない。当時の年齢は40歳くらいで、ごく普通の社会人だ。体格は小柄で痩せ型、握力も30程しかない。学業の方は、まぁ程々優秀の部類に入る。

そのAさんとスプーン曲げにチャレンジしたことがある。

ちなみに使ったスプーンは、我が家にあったもので、それは指先などでは到底曲げられない非常に硬い物だった。
僕は早々に降参した。そもそも僕はそういうものを信じていなかったからだ。だが、Aさんは「フム、フム・・・」などと呟き、何時迄もユリ・ゲラーのようにスプーンに向かっていた。

程なくすると、「おや、、、、」とAさんが呟いたのでその手元に注目すると、僕の目の前でAさんはスプーンをグニャリと指先で曲げた。力を入れた様子は全く無かった。

正確に言えば、スプーンは曲がったと言うよりグルグルと螺旋系に捻られたと言った方がいい。彼には力を入れたような力感は全くなく、暖めた飴のような柔らかいものを指先でくるくると回したような感じだった。

僕は仰天し、当のAさん自身も奇怪な形に曲がったスプーンに驚いていた・・・

この夜以降、僕は超能力と言ったものを無碍に退けることをしなくなった・・・

このAさんの話をどう受け取るかは読んで下さる皆さんの自由で、僕がどんなに真実だと訴えても、詮無いことだと思う。ホラ話だと言われればそれまでで、僕には証明するすべもない。

『この世はニニんが四とはいかない』
ただ、そう思うばかりだ。


*この<ユリ・ゲラー>の経歴はWikipediaを参照しています.
<©2023もりおゆう この絵と文章は著作権によって守られています>
(©2023 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)


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