しおりとぴより

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小説を書く修行中✨読んでいただけるとものすごく喜びます!! ミステリー小説大好きVTuberの栞(シオリ)です🎀YouTubeでオススメミステリー小説の紹介をしています✨ ⇒ https://www.youtube.com/@mysteryshiori

最近の記事

【新ゾンビの使い方】

「お忙しいところ申し訳ありません。派遣の申し込みで……はい。あ、そうなんですか。え? ちょっとそれは……あー、これですね。うーん。じゃあ、試してみます。はい。そのメニューで。はい。よろしくお願いします。失礼いたします」 「……どうだった?」 僕が黒電話の受話器をガチャンと置くと同時に、隣のデスクにいる同僚が聞いてきた。 その声に元気はなく、今日も彼の目の下には海苔のように真っ黒な隈が貼り付いている。 「ゾンビ、だってさ」 僕たちは肩を落として大きなため息をついた。 近年、世

    • 【短編ミステリー】タンタン探偵事務所

      『タンタンと死んだはずのアレックスの巻』 東京の西には、こんな場所がある。 山には熊や鹿やたぬきが暮らし、田んぼもたくさん、川のせせらぎが聴こえる、古き良き日本の風景が残る場所。 そんな自然豊かなある山の中に、小さな探偵事務所がありました。 その名も『タンタン探偵事務所』 そこは、動物専門のお店です。 所長は、ネパール生まれのレッサーパンダで名前はタンタン。 二年前に某動物園から逃げ出し、持ち前の頭の良さから探偵事務所を開き、ご近所トラブルを解決しています。 「おや。依頼

      • 犯人は誰だ?!(私が見た夢を参考に作ったミステリー)

         私が朝ごはんの仕度を終え、義父(70歳)を呼びに行くと、彼は死んでいた。  どこからどう見ても殺人だった。  義父の部屋は真四角の和室で、四辺すべてが襖になっている作りだ。部屋の角には太い柱が立ち、そこに前頭部をものすごい勢いで叩きつけられたらしく、柱はかなり大きく凹み、血がべっとりとついていた。  死体発見後、部屋が臭いと血のシミで汚れるのが嫌との意見でまとまったため、寒い廊下にブルーシートを敷いて義父はその上に転がした。  探偵は、この家にいる者が犯人だと断定して捜査を

        • 『誰が勇者を殺したか』読了

          『誰が勇者を殺したか』を読了した。 著者:駄犬(ダケン) 寝ずに読んでしまった一冊! この小説を読めたことがとても嬉しい。 紹介を受けてからそんなに日が経たずに読めて良かった! はじめは、タイトルにもある『勇者』という単語と装画の雰囲気から、 RPGものとミステリーが融合していると思った。 もちろんその通りだったが、 例えば、勇者が密室で殺され、なぜあんなに強かったのに勇者は 殺されてしまったのだろうか。犯人は一体誰なんだ!? というようなストーリーかな、とページを開いた

        【新ゾンビの使い方】

          筋肉探偵エピソード1~始まりの焼肉店「ムキ牛」~

           私の愛をわかってくれると思っていた。  同じテーブルを囲い、美味しい料理を食べ、話をすればきっと良き関係になれると信じていた。  しかし、無理だった。  ーーの行動は、私のファンとして、私への愛ゆえと感じていたのだが違っていたようだ。  血走った目、その奥に、憎しみの炎が渦を巻いているのが見える。  一体なぜ私は殺されるのだろうか。  いや、それより。  命の灯火が消されるこの瞬間に、私にできる事は……  ーーーー  僕は今、地獄にいる。  平日の午後三時。  都心から

          筋肉探偵エピソード1~始まりの焼肉店「ムキ牛」~

          『光る君と謎解きを』読了

          『光る君と謎解きを』 著者:日部 星花 主人公の女の子が突然『源氏物語』の世界へ転生してしまい、 その時代で不可解な謎を解いていくというお話し! つまり!ミステリ×転生! 新しい✨ 最近は転生モノって言われるくらいモリモリ増えてるジャンルだ。 しかし、私は読んだことがなかった。 なので、こうやってミステリで読めるととても嬉しい✨ ちなみに、私は源氏物語も知らないが、大丈夫だった。 もし、「源氏物語まったく知らないんだけど……」と思っている方も 安心してほしい。作中で説明も

          『光る君と謎解きを』読了

          『不死探偵・冷堂紅葉 君とのキスは密室で』読了

          『不死探偵・冷堂紅葉 君とのキスは密室で』 著者:零 雫(レイ シズク) 本屋さんでなかなか見つからない大人気作品。 私も一巻目は運良く近くの書店で見つけられたが二巻はなく、その後も周りの本屋さんを探してみたが買えず、数日後にようやく大型書店でラスト一冊を購入した。 なので、ぜひ皆さんも書店で見かけたら即買っておくのをオススメします。 読了した感想は、「とっても面白かった!」に尽きる。 不死探偵というタイトルとあらすじからなんとなく『死なないのかな?』くらいは想像がつく。

          『不死探偵・冷堂紅葉 君とのキスは密室で』読了

          『帝都ハイカラ探偵帖』読了

          『帝都ハイカラ探偵帖  少年探偵ダイアモンドは怪異を謎解く(あばく)』 著者:霜月りつ 面白かった!! この話は、 明治四十四年、怪異に立ち向かう少年探偵の物語。 明治って個人的感想だけど、何だかカッコイイと思ってしまう。『るろうに剣心』のイメージがあるからだからだろうか? 和洋折衷が街にひしめいていて、着物を着ている人、洋装、黒塗りの丸い車、ガス灯…… 古くて新しい明治浪漫がそのままこの本には描かれている。しかもメチャクチャ読みやすい文章。良い……。 主人公は 金髪

          『帝都ハイカラ探偵帖』読了

          『ヒトコブラクダ層戦争(上巻)』読了

          『ヒトコブラクダ層戦争(上)』 著者:万城目学(マキメマナブ) 正直、装丁買いをしてしまいました。だって、この下巻ラクダの優しい目よ。上巻にはライオンも顔を覗かせてるし、動物好きには気になる本である! 上巻を読んだ感想は、結論から言うと 面白い! よく分からんけど面白い! まずタイトルからヒトコブラクダ層と書いてあるのだが、なんだそれ?って思う。 層?あの砂漠で優雅に歩いている生きてるラクダとは違うのか? と、よく分からない。 表紙裏のあらすじをかいつまんで簡単に書く

          『ヒトコブラクダ層戦争(上巻)』読了

          『イクサガミ 天』読了

          『イクサガミ 天』 著者:今村将吾 講談社 これは、面白いっ! 積読期間が長かった作品。 私はミステリー小説専門のチャンネルをしているので、エンタメ小説はあまり読まない。 しかし、この『イクサガミ』は購入せずにはいられなかった。 理由は三つある。 1つ、購入時の帯に京極夏彦先生の感想が書かれていて『お願いですから早く続きを読ませてください』と書いてあったから。 こんなに説得力がある帯はなかなかない。 2つ、挿画を石田スイさんが描かれているから。 私の大好きな東京喰種の作

          『イクサガミ 天』読了

          『案山子の村の殺人』読了

          2024年、今年からnoteに読了感想文をUPしていこうと思います。 今までもXに簡単な文章を載せてきたけど、 文章の練習だったり、その本を読んだ時の自分の感情とかを もっと記録しておきたいと思ったからです。 さて、いつまで続くことやら……頑張ろう✨ そして、初めの一冊は 『案山子の村の殺人』 著者:楠谷佑(くすたにたすく) 楠谷先生は二冊目。 先日、友達のぬまさんに「回文だ」と言われるまで気づかなかった。 上から読んでも下から読んでも「くすたにたすく」と読める。 なるほ

          『案山子の村の殺人』読了

          友情炒飯

          ※こちらは過去に投稿しました『極上チャーハンの謎』を神永学先生にご指摘いただいたのを参考に改稿したものです。少しでも成長していることを願って。  友情炒飯(本文) 「この間の女子高生、足がまだ見つかってないんだって」  無言の雰囲気に耐えられなくなった山口大栞(ヤマグチタイシ)は、今スマホに届いたニュースをキッチンにいる男に伝えた。  話しかけられた男は包丁を振り下ろす手を止める事はなかった。  トントントンと一定のリズムで食材が切られていく音が響く。 「えっと、

          【短編小説】殺人事件が起きてる街で作るチャーハンはひと味違う【極上チャーハンの謎】

          「大丈夫。まだ殺されてないし大学もちゃんと行ってるって。今料理中だし切るよ。うん。楽しくやってるよ。わかったってば、はーい。戸締り気をつけまーす。バイチャーハンっ」  毎日の義務である母親との通話を終えて、ため息をついた。一日一回こうやって実家に生存確認の連絡をしなければならない。  正直ものすごく面倒だ。  しかし、この二、三分の通話がシェアハウスに住むための交換条件なので仕方ない。  フライパンにニンニクを少し入れるとジリジリと油の中で踊り出す。それからブワーッと食欲をそ

          【短編小説】殺人事件が起きてる街で作るチャーハンはひと味違う【極上チャーハンの謎】