【新ゾンビの使い方】
「お忙しいところ申し訳ありません。派遣の申し込みで……はい。あ、そうなんですか。え? ちょっとそれは……あー、これですね。うーん。じゃあ、試してみます。はい。そのメニューで。はい。よろしくお願いします。失礼いたします」
「……どうだった?」
僕が黒電話の受話器をガチャンと置くと同時に、隣のデスクにいる同僚が聞いてきた。
その声に元気はなく、今日も彼の目の下には海苔のように真っ黒な隈が貼り付いている。
「ゾンビ、だってさ」
僕たちは肩を落として大きなため息をついた。
近年、世