高級ヘッドホンって実際どうなの?【Beoplay HX】
アノニマスDTM編集部でございます。
8月に入ってから、益々猛暑が続いていますね〜。暑い日は大人しく家でDTMするかゲームをするのが1番です。
と、インドア派を代表して言います。
Bang&Olufsen(バング&オルフセン)
今回紹介するのはこちらの高級ヘッドホン、Bang&Olufsen(以下バング)のBeoplay HXです。
バングはデンマーク発祥のオーディオメーカーです。ラインナップは先進的でモダンなデザインが特徴。素直な音を追求し、長く使えることをもっとうにしたその技術力は世界トップクラスと言えます。
自動車メーカーアウディへのカーオーディオはバングが提供しており、ファッションブランドのバレンシアガとはコラボ商品のリリースも果たしています。他社からの技術とデザインへの信頼があるのもバングの強みです。
口コミチェック
気になる口コミ評価を見てみましょう。
音質面、着け心地は良いという評価がある一方で、人によっては低音が弱いと感じられるようです。
海外購入者のレビューも非常に多かったです。低評価として散見されたのが、先のレビューでも書かれていましたが操作性の悪さです。
楽天での低評価は見受けられませんでしたが、こちらでもタッチの操作性について言及されていました。
右のハウジングでタッチ操作が可能です。筆者も購入前に直営店で試したことがあります。確かに反応が悪く、店員さんも結構苦戦している様子でした。
やや強めに押したり回したりしないと反応せず、レビューにある通り操作面では多少慣れが必要です。
ノイキャンが弱いという指摘もありましたが、アプリで調整すれば問題ないという意見も見られます。
ハウジングの左側にはノイキャン、トランスペアレンシー、オフの切り替えボタンが付いてます。
トランスペアレンシー(orトランスパレンシー)については、筆者もよく分からなかったのですが、Nothingの公式サイトに解説が載っていたので、貼っておきます。
オフの状態と何ら変わりない気がしますが、
・外部音を取り込んでカットするのがノイキャン
・外部音を取り込むけどカットしないのがトランスペアレンシー
・外部音を取り込まないのがオフ
と、筆者は解釈しています。
3モード試しましたが、オフは外部の空気や雑音が気になりますが、トランスペアレンシーはそれらが音楽と一緒に自然に聞こえる感じでした。使ってみたら「あーなるほど」と納得出来る機能ではあります。
セットアップ完了までの流れ
マニュアルのガイドラインを参考にアプリで調整しようと思ったのですが、最新バージョンではリストにBeoplay HXがなく、検索しないと表示されないようです。
設定完了前にカラーを選択。HXってこんなにカラーバリエーションが豊富だったんですね。知らなかったです。
本体の電源とBluetoothをオンしてセットアップ完了です。これで再生しながらアプリでの設定が可能になりました。
実際のアプリ操作
トップ画面はこんな感じです。サウンドモードはデフォルトで最適になっています。
サウンドモードは一通り試しましたが、派手に音質が変わることはなく、元々の音質を壊さない程度のキャラ付けがされている印象です。
Podcastなら配信動画、Workoutならトレーニングなど、それぞれのシーンに合うよう補正されるので、その場でモード切り替えをしてもあまり意味がないように感じました。
ノイキャンレベルは最大でも多少周囲の音がカットされたかな?程度です。周囲が騒がしい状況で、ノイキャンレベルを0の状態から徐々に最大に上げていくと何となく違う感覚が分かります。
風騒音の低減は通話時に風音をカットしてくれる機能です。外での会話や、エアコンの効いた室内で有効ですが、試す機会がないので効果のほどは分かりません。
下の方にスクロールすると、装着検出機能というあまり見かけない項目があります。説明は記載があるので省きますが、感度は「ノーマル」と「低い」があります。実際に音楽を再生中に頭からヘッドホンを外しましたが、すぐに音楽が停止しました。
ノーマルよりも低い方が止まるスピードが速いように感じました。ノーマルはワンテンポ遅かったです。
Beosonic
BeosonicはGUIにこだわりを感じる機能です。指操作で簡単に音質を変えることが出来ます。しかし、破壊的なため、バングの本来のサウンドキャラクターとはかけ離れた結果になる場合があります。
試しに低音強に合わせた結果、もはやバングの音ではなかったですが、元々の音質が良いせいか低音のブースト感度が非常に上品で驚愕しました。さすが高級ヘッドホンだけあるなーと思いました。
今日はドンシャリ、今日は重低音など、その時の気分によって音質を変えたいという人には良い機能かもしれません。
本体仕様
ハウジングの側面には電源ボタン、USB-C端子、3.5mmジャックが付いています。有線で使う時は3.5mmジャックから再生端末に接続します。
筆者が今まで見てきたヘッドホンは、オーディオ入力が2.5mmの機種が多かったので、かなり新鮮でした。
そこそこ高値のヘッドホンでも、スキンはPUレザー(合皮)を採用している場合が多いのですが、
イヤーパッドはラムレザースキンのため、とても滑らかな感触です。
PUレザーは樹脂の経年劣化により表面がベタついてくる恐れがありますが、ラムレザーは加水分解せず、寿命が長いというメリットもあります。
デメリットとしては、修理代が高いことでしょうか。しかし、普通に使用していれば、保証期間内(3年)で生地に問題が生じる可能性は低いです。上図の私物は購入してから1年ほどになりますが、全然劣化を感じません。
エレクトロダイナミックドライバーは高音の解像度に特化しているため、Hi-Fiサウンド寄りな音質になります。ドライバーも40mm口径と大きめサイズのため、低音の感度も高いです。
再生時間はノイキャン使用時でもMAX35時間です。一回の充電で2日半使用出来るのは地味にすごいです。
BOSEのNC700、SHUREのAONIC50と比較してもバッテリーの持ちは断然上です。
用途別で使ってみる(有線)
耳への当たり感触はソフトで、長時間着けても疲れを感じないです。フィット感はハマりすぎず緩すぎず、バランスが良いです。
iPhoneに有線接続して、音楽鑑賞をします。感想としては、フラットというよりもHi-Fi寄りな音質で、シャリシャリした感じが少し耳に障ります。
金音、ギター、シンセなど、中音域〜高音域帯は原音に忠実。低音は輪郭があり聴きやすいですが、いわゆるズンズンがないので、人によっては中低音以下が薄っぺらいと感じるかもしれません。
ジャズやクラシックなど、生楽器系メインのジャンルは原音再現度が高い分、空気感も伝わってくる感じがしてリアルな聴き心地です。ライブ音源は尚更良さそう。
有線の場合も、電源はオンにする必要があり、これは不便に感じます。インピーダンス数値は不明ですが、端末側でかなり持ち上げないとまともに音楽を聴けない音量感なので、ヘッドフォンアンプをお持ちの方は併用した方が良さそうです。
EQ処理、リファレンスチェックなどを中心にDTMで使ってみました。ノイキャンはオフにしています。
動作音の正確な位置情報を把握出来るかが鍵となるバトルロイヤルゲームなどにおいては、一つ一つの音が細かく、鮮明に聞こえるので、相性は抜群でした。
ゲーミングヘッドホンを買うのも良いですが、普段使いも想定する人には選択の余地があります。また、ゲームの使用にはBeosonicでプリセットを組むのも良いかもしれません。
動画投稿サイトではアマチュアやプロの動画など、クオリティーも様々なので一概に言えませんが、配信動画やバラエティーなどは音声がやや耳に突く感じがして、筆者は苦手でした。
映画視聴においてはSEやBGMなど、あらゆるサウンドにおいてフラットな印象を受けました。良く言えば聞きやすい、悪く言えば薄っぺらい。サウンドクオリティーを重視する人は物足りなさを感じるかもしれません。
「良さそうだけど、買って失敗したら嫌だな〜」という人のためにも、30日間無料トライアルも試せます。すぐに試したい人は、取り扱い店舗に出向いて試聴するのが良いでしょう。
元々バングに詳しくない人は、アクセス出来るなら正規販売店より直営店で試すことをおすすめします。製品だけでなく、ブランドの雰囲気や、コンセプトを知ることも大切だと思います。
評価[星5段階]※サウンドモードは最適に固定
ゲームプレイ:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
動画視聴:⭐︎⭐︎
映画観賞:⭐︎⭐︎⭐︎
音楽鑑賞:⭐︎⭐︎⭐︎
デザイン:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
操作性:⭐︎
着け心地:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
耐久性:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ノイズキャンセル:⭐︎⭐︎
GUI:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
機能の豊富さ:⭐︎⭐︎⭐︎
操作性:⭐︎⭐︎⭐︎
互換性:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
※互換性の評価に関しては、iPhone12(iOS16.3.1)で試した結果に基づいています。
最後に
検証の結果、高級ヘッドホンはやはり高級と言われるだけのスペックを備えていると感じました。デザインの良さ、使用している素材、音質の上品さ等々、一つ一つの仕事が丁寧です。
個人的に一番評価しているポイントは、長時間の装着でも疲労を感じないところです。人間工学に基づいたヘッドバンドはどんな頭の形にもフィットし、ラムレザースキンのイヤーパッドはソフトな着け心地で、夏場の蒸れる時期でも不快感がないです。
最初のヘッドホンとしても、ステップアップのため買い替えを検討している人にもおすすめ出来るヘッドホンです。
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