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2分で読める子育てエッセイ№857『イモムシより早く、ハイハイの赤ちゃんよりもうんと遅く』

ある日、おやつをとりに行ったはずの小4の息子イチが、ワタクシを呼ぶ。
「お母さ~ん! ちょっと来て~」
毎度毎度なに? おやつがみつからない?
息子の様子を見に行くと、息子のあり得ない状況に驚いた。

1.5リットルのペットボトルに水を入れ、なぜかその上に乗り、壁づたいにコロコロと転がしながら、ちょっとずつ進んでいる息子。
「なにしてんの?」
ワタクシの頭上には無数のハテナマークが飛んだ。
「ムズイ。前になかなか進まない。片手運転は危ないからおやつを運んでくれる?」
そりゃそうでしょうよとおやつを受け取りながら、念のために息子に確認した。
「もしかしてピエロゴッコ? サーカス団員を目指すの?」
すると息子は冷静にこう言い返した。

「マイカー。僕の人生初のマイカー」

ひょーっ!
あなたの人生初のマイカーは「歩行器」ですけど。そう心の中でツッコみながら、息子の様子を見守った。

イモムシより早く、ハイハイの赤ちゃんよりもうんと遅く、廊下を地道にノロノロ走行。宿題をとりに行くときも、ゲームのコントローラーをとりに行くときも、ゴロゴロゴロゴロと気長に進む。必要とあらばバックまで披露する。
「いいね~。いい運動になってるじゃーん」
新しく、1人で楽しめる遊びを手に入れた。

ただし、トイレに行くときはマイカーを置いてダッシュで駆け込む。

セーフ! ナイス判断。
悪くない。




※※※
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お手に取って頂けると嬉しいです(⌒∇⌒)


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