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2分で読める子育てエッセイ№854『私、し~らないっ』

ある休日、ワタクシの両親が遊びに来てくれ、帰った後に気がついた。
どうやらワタクシが料理している間に、母と中1の娘がメッチャ山になっていた洗濯物をおしゃべりしながら畳んでくれていたらしい。
「懐かし~。おばあちゃんの洗濯物の畳み方だ」
と言ったら、
「そうそう、お母さんと、おばあちゃん、靴下の畳み方が全然違うんだよね」
と娘が笑った。

「その洗濯物を畳んでいるときに、おばあちゃんにこう訊かれたよ。『あれ、この靴下だけ色が少し白っぽくない?』って」
もしかして、僕の靴下、片っぽ無いのの状態になっているヤツがいるの? と心配しながら聞いていたら、娘がこう話をつづけた。
「おばあちゃん、それ裏返しになっているだけだよ~っていったらね、おばあちゃん、なんの躊躇もなく『ふーん』って靴下をくるりと畳んだの。びっくりだよね」
おばあちゃんの容赦ない『私、し~らないっ。靴下裏返した人が悪い』という毅然とした態度に思わず娘の目は点になったらしい。

「ええっ! 戻してくれないの? なんていったらお説教を食らいそうだったので黙っていたけどね。お母さんだったら、裏返しを直してくれるのに。甘い?」

実はこれ、甘やかしているのとはちょっと違う。ワタクシはワタクシの考えがある。
だいぶ前のこと、家族のほとんどの靴下が裏返しだという、なんともオーマイガ―の光景を目にした。その日、意を決して母と同じように全~部そのまま、裏返しのまま畳んでやった。あースッキリ。

ところが翌日、娘はもうギリギリ、1秒も余裕がないという最悪な事態で裏返しの靴下に足をツッコんだ。すぐに気がついた娘。
「なんでこんな日に限って~!」
その靴下を脱ぎ捨てて、他の靴下に履き替えた。
ひょーっ! 結局ワタクシが直すんかい。めんどくさーい!

さらに、小学生になりたてだった息子。靴下が裏返しだということに、1㎜も気づくことなく、そのうえ外側にくるはずのワンポイントもまるで無視。それはそれは満足そうに履き終わっていた。
ひょーっ! 靴下には裏表・左右があるんです~! もう1回履きなおすよ~!

二度手間どころか三度手間。しかもこのうえなく地味~な攻撃を二日越しで畳みかけられた。靴下、なんでリバーシブルじゃないわけ?
とほほ。




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