見出し画像

№115【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『1粒1粒が・・・』☆へんいちエッセイ講座・参加作品☆

小学生の頃、サクランボは名前に「さくら」がつくので、桜は花見の後、実を採り、それをサクランボとして食べるものだと思っていた。さらに、わが家ではサクランボは高級品。年に数回、お弁当に入っている缶詰のものを食べるくらいだったので、
「もっと桜をた~くさん植えればいっぱい食べられるのに」
と夢見がちだった。
そのうち桜には観賞用と果樹があり、いわゆる花見をする桜は観るだけのものと知り
「え~! 食べられないの?」
ひどく損した気になったのを今でもハッキリ覚えている。

その後もサクランボへの憧れは続き、ワタクシ社会人になってすぐに大人買いをした。
「これ夢だったんだよね~」
もう要らないというまで食べて大満足した後、長時間トイレのご厄介になったこともニコイチのいい思い出。

ところが身体に変化が起こりやすいと聞いていた30代、ついに大好きにチャチャが入る事態になった。
ある日、ドライブ中にモモを丸かじりした直後、口の周りとモモを触ったと思われる手で擦った目が赤くなり、かゆくてかゆくてたまらなくなった。予定を変更して病院で診てもらうと
「最近、お疲れですか? 免疫力が下がると出やすいアレルギーの症状の1つですよ」
と先生に言われた。
まさかのアレルギー。それもモモの産毛にやられるというワタクシ史上、初のレア攻撃。ひょーっ!


それからというもの、果物を食べたときに思いもよらないことが起き始めた。
「耳と喉の奥がかゆい~!」
ピンポイントで痒いところに手が届かないのが、もどかしい。いったい自分がどうなってしまったのか分からず、ワタクシちょっぴり怖くなってきた。
「ミカンは大丈夫だった。でもリンゴ、ビワ、キウイはダメ。これってなに?」
気になって調べてみたら、どれもそろって「バラ科」の植物と分かった。
バラ科? 美しい物にはトゲがあるというあのバラ? もしや、そのお仲間もそうなの?
バラの仲間にはトゲの攻撃だけでなく、食べた後にも仕返しがあるなんて夢にも思わなかった。おおこわっ。さらにそこには最悪な情報が。
「ワタクシの大好きなサクランボもバラ科なの? うそーん!」
もう食べなくても分かる。
ワタクシ、大好きな物から一方的に嫌われた。

時を経てワタクシの場合、缶詰やジャム、コンポートは難なく食べられると分かった。
そして少量だったら生サクランボも食べられる。

「もう1粒いただき~」
と頬張ろうとしたら
「バラ科だということをお忘れかしら? 欲張って食べようとしているその1粒はセーフ? アウト? どっちかしらね」
うっすら仕返しをほのめかされた。

「こ、この1粒・・・ど、どうしよう」
もはや1粒1粒がロシアンルーレット。
5分後の、ワタクシだけが知っている答え。



※※※※※
これは、へんいちさんのエッセイ講座・上級コースの参加作品です。
エッセイ講座上級コースは、受講者が作品を書く→先生に提出・添削→受講者が書き直す→受講者が再度先生に提出または受講者が投稿(←今日はココ)のスタイルとなっています。

今回テーマは『桜』、さらに執筆条件として『未来の話、これからの話として書くこと』でした
この作品では、サクランボ1粒食べた後、ほんの少し先の未来を心配する話を書きました。条件クリア!(と言い張る)
今回の先生からのご指摘は「オチ」の部分の見直し。決して「おもしろくなーい」などとストレートには言われません。「足がもつれた感」とお言葉を頂きました。
「上手いヾ(≧▽≦)ノ 座布団1枚!」
いや、ご指摘の言葉の方がおもしろいってどうなん。もっと頑張れワタクシ。

今回は、書き直した部分を先生に提出せずに投稿しておりますので、万が一、後日この作品を改稿バージョンで再投稿していたら
「あ・・・へんいち先生からガッツリとご指導入ったな。・・・どんまい」
と温かい目で見守ってください。

もしこの作品の訂正前の原稿が読んでみたい方は、こちらの記事(有料)↓です。また、へんいちさんのエッセイ講座に興味のある方も、こちら↓からどうぞ~ (^▽^)/



この記事が参加している募集

noteでよかったこと

noteのつづけ方

サポートありがとうございます!  迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す  ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ